1998年に出た単行本の文庫化。
1990年代にあちこちの雑誌に掲載されたエッセイ・写真が集められている。
中心となっているのは、犬や猫と行った動物たちについての文章。そこに阪神大震災やオウム事件、酒鬼薔薇事件、カンボジアPKO、湾岸戦争などがからめられている。
動物についての文章は面白い。愛があるし、擬人化して茶化すところが楽しい。写真も一瞬の「仕草」を捉えていて、思わずニヤリとしてしまう。
しかし、時事問題についての筆はいまいち鋭くない。他の本を読んでも感じることだが、あまり独自色もないし、訴えかけてくるものがない。
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藤原悪魔 (文春文庫 ふ 10-2) 文庫 – 2000/10/1
藤原 新也
(著)
バリ島のマユゲ犬からバモイドオキ神まで。末法の世のただ中で、藤原新也の目に捉えられた四十二の時代の風景を記録した写真文集
- 本の長さ398ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2000/10/1
- ISBN-104167591022
- ISBN-13978-4167591021
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2000/10/1)
- 発売日 : 2000/10/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 398ページ
- ISBN-10 : 4167591022
- ISBN-13 : 978-4167591021
- Amazon 売れ筋ランキング: - 860,305位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 8,750位文春文庫
- - 13,160位近現代日本のエッセー・随筆
- - 35,790位評論・文学研究 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年2月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とても面白く読ませていただきました。本当にありがとうございました。
2007年1月20日に日本でレビュー済み
本書は雑誌で連載されたエッセイの寄せ集め集。
大きく3種類に分けられる。
一つは、O−157や猿岩石、麻原彰晃や酒鬼薔薇聖斗事件、
「悪魔」と子供の名前につけようとして問題になった事件など、
当時の時事問題を取り上げ、独特な藤原社会学的見地から斬ったもの。
一つは、「2000年藤原現在シリーズ」と題された、2000年に毎月本を出版した写真集や本の取材時の話。
(バリ島や富士山、鉄輪など)
そしてもう一つは、猫の写真とエッセイである。
暗くなりがちな時事問題のエッセイだけでなく、取材した話や猫の写真と話を交えるあたり、
東京漂流以降に見られる藤原新也のバランス感覚を感じる。
殺伐とした現代社会に、写真家としての彼が、できる限りポジティブなものを見出そうとした結果が、
猫のかわいらしい写真群であり、表紙にもなっている「マユゲ犬」ではなかろうか。
いろいろな話題を緩急織り交ぜた、読み楽しいエッセイ集だ。
個人的には「エンパイヤステートビル八十六階の老女」の序文に
ものすごく心を突き動かされた。
大きく3種類に分けられる。
一つは、O−157や猿岩石、麻原彰晃や酒鬼薔薇聖斗事件、
「悪魔」と子供の名前につけようとして問題になった事件など、
当時の時事問題を取り上げ、独特な藤原社会学的見地から斬ったもの。
一つは、「2000年藤原現在シリーズ」と題された、2000年に毎月本を出版した写真集や本の取材時の話。
(バリ島や富士山、鉄輪など)
そしてもう一つは、猫の写真とエッセイである。
暗くなりがちな時事問題のエッセイだけでなく、取材した話や猫の写真と話を交えるあたり、
東京漂流以降に見られる藤原新也のバランス感覚を感じる。
殺伐とした現代社会に、写真家としての彼が、できる限りポジティブなものを見出そうとした結果が、
猫のかわいらしい写真群であり、表紙にもなっている「マユゲ犬」ではなかろうか。
いろいろな話題を緩急織り交ぜた、読み楽しいエッセイ集だ。
個人的には「エンパイヤステートビル八十六階の老女」の序文に
ものすごく心を突き動かされた。
2006年3月8日に日本でレビュー済み
藤原氏の著作の特徴は、彼自身が遭遇した世の中の偶然や不思議さにあります。
決して理屈では説明できない出来事に直面したという経験が、写真と文章を通して読むものを彼独特の世界に引きずり込んでしまうからでしょう。
この著作に収められている「竹の花」がそうです。
百年に一度咲くといわれる竹の花の写真から、私は、筆者の喜びと不安の入り混じった思いを感じて震えてしまいました。
彼独特の死生観もまた、注目に値します。
「ある野良猫の短い生涯について」のなかの<病弱な猫は自らが病むという犠牲を払って私に慈悲の心を与えてくれた>という一節に、
代表作『印度放浪』で表現した生死の無限循環の描写から深化した彼の思索を読み取れます。
収録されている内容はほかに、旅・動物・社会問題まで実にさまざまで、そのどれもが生きる知恵を与えてくれると思います。
藤原新也を知らない人にぜひ勧めたい一作です。
決して理屈では説明できない出来事に直面したという経験が、写真と文章を通して読むものを彼独特の世界に引きずり込んでしまうからでしょう。
この著作に収められている「竹の花」がそうです。
百年に一度咲くといわれる竹の花の写真から、私は、筆者の喜びと不安の入り混じった思いを感じて震えてしまいました。
彼独特の死生観もまた、注目に値します。
「ある野良猫の短い生涯について」のなかの<病弱な猫は自らが病むという犠牲を払って私に慈悲の心を与えてくれた>という一節に、
代表作『印度放浪』で表現した生死の無限循環の描写から深化した彼の思索を読み取れます。
収録されている内容はほかに、旅・動物・社会問題まで実にさまざまで、そのどれもが生きる知恵を与えてくれると思います。
藤原新也を知らない人にぜひ勧めたい一作です。