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総理の値打ち (文春文庫 ふ 12-4) 文庫 – 2005/4/8
福田 和也
(著)
伊藤博文91点、東条英機52点、吉田茂27点、田中角栄57点。では小泉首相は? 気鋭の評論家が独自の国家観で全首相を徹底検証する
- 本の長さ234ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2005/4/8
- ISBN-104167593041
- ISBN-13978-4167593049
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2005/4/8)
- 発売日 : 2005/4/8
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 234ページ
- ISBN-10 : 4167593041
- ISBN-13 : 978-4167593049
- Amazon 売れ筋ランキング: - 987,077位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1960(昭和35)年東京生まれ。文芸評論家。慶應義塾大学環境情報学部教授。慶應義塾大学文学部仏文科卒。同大学院修士課程修了。1993年『日本の家郷』で三島由紀夫賞、2002年『地ひらく』で山本七平賞受賞。著書に『日本の近代(上・下)』『昭和天皇』など多数。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年6月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いろいろ、個人的な採点はありますが、今一度近代史を知るうえで読んでは損はないかと思います。筆者も言ってることですが、現代の総理大臣について考える機会にもなるのでしょうか?
2014年12月4日に日本でレビュー済み
正しくない使用法とは知りつつも、事典的に利用してしまっている。他の本を読んでいるとき、ところでこの当時の首相は誰だったかなあ?といった感じで。その事典を久しぶりに通読してみた。
歴代の総理を執筆時点の総理だった小泉純一郎まで、100点満点で採点している。
著者はまず、日本を近代国家たらしめるべく貢献した伊藤博文、山県有朋に高得点を与える。その後は可もなく不可もなくといった評価が続き、第一次世界大戦後のヴェルサイユ講和会議での国際感覚の欠如を主な理由として、西園寺公望に厳しい評価を下す。
大正デモクラシー期においては、原敬や加藤高明にやや高い評価を与えた後は、可もなく不可もなくといった評価が戦前期まで続き、近衛文麿をドカーンと17点まで点を落とす。大衆的人気を背景に「国民政府を対手にせず」声明等を、著者は元祖ポピュリストと断ずる。
東条英機の評価は意外に悪くなく、52点という中途半端だ。「上司に忠誠を誓い、部下にたいしても深く意を用いる」「典型的に人望を集めるタイプの人物である」と著者は述べる一方で、「善人ではあるが、戦争指導者として国運を担うタイプの人間ではなかった」と述べる。石原莞爾曰く「上等兵」であると。
続いて戦後の評価として興味深いのは、吉田茂の占領中68点、独立後の27点だろう。戦後の日本、つまり戦後民主主義を肯定するのであれば、吉田茂を肯定しなければならない。戦後民主主義は吉田茂の描いた路線の上にあるとも言える。
アメリカの占領中にまずまず上手くやったので68点、しかしながら、上手くやっただけで先見の明がなかった点が27点ということだろう。そしてその先見の明のなさが、現在の日本の国家の在り方までを方向付けてしまったというのが、著者の評価だ。この独立後の吉田茂をポジティブに捉えるか、ネガティブに捉えるかにより、戦後日本の評価が大きく二分されるということか。
戦後では岸信介の評価が81点と最も高い。「憲法や安全保障という国家のアイデンティティにかかわる事柄と、産業政策・・・において、卓越した仕事をした」と大きく評価している。
田中角栄以降の首相については、改憲や国防問題といった「名実兼ね備わった独立の完成」の実現へと向かわず、政治が矮小化された時代と断ずる。例えば、田中は政治を地方への公共事業の分配手段としてしまった等。
そして、当時の総理大臣である小泉純一郎には29点をつける。この時点では「構造改革の内実はいまだによく解らない」と述べられているが、今振り返ると、痛みを伴う構造改革が痛みしか残さなかったことが明らかとなった。
その後の総理大臣のほとんども、仮に点をつけるとしてもまともな点はつけられないだろう。
さて、私がレビューしている時点は、第二次安倍内閣である。安倍は岸が目指したような「憲法や安全保障」といった問題に取り組むことができるのか、経済環境が変わった今、当時求められた産業政策ではなく、金融政策等による景気対策が求められているが、果たして適切に対応できるのか。これらの結果いかんでは、安倍晋三総理大臣には高得点がつく可能性も否定できない。
歴代の総理を執筆時点の総理だった小泉純一郎まで、100点満点で採点している。
著者はまず、日本を近代国家たらしめるべく貢献した伊藤博文、山県有朋に高得点を与える。その後は可もなく不可もなくといった評価が続き、第一次世界大戦後のヴェルサイユ講和会議での国際感覚の欠如を主な理由として、西園寺公望に厳しい評価を下す。
大正デモクラシー期においては、原敬や加藤高明にやや高い評価を与えた後は、可もなく不可もなくといった評価が戦前期まで続き、近衛文麿をドカーンと17点まで点を落とす。大衆的人気を背景に「国民政府を対手にせず」声明等を、著者は元祖ポピュリストと断ずる。
東条英機の評価は意外に悪くなく、52点という中途半端だ。「上司に忠誠を誓い、部下にたいしても深く意を用いる」「典型的に人望を集めるタイプの人物である」と著者は述べる一方で、「善人ではあるが、戦争指導者として国運を担うタイプの人間ではなかった」と述べる。石原莞爾曰く「上等兵」であると。
続いて戦後の評価として興味深いのは、吉田茂の占領中68点、独立後の27点だろう。戦後の日本、つまり戦後民主主義を肯定するのであれば、吉田茂を肯定しなければならない。戦後民主主義は吉田茂の描いた路線の上にあるとも言える。
アメリカの占領中にまずまず上手くやったので68点、しかしながら、上手くやっただけで先見の明がなかった点が27点ということだろう。そしてその先見の明のなさが、現在の日本の国家の在り方までを方向付けてしまったというのが、著者の評価だ。この独立後の吉田茂をポジティブに捉えるか、ネガティブに捉えるかにより、戦後日本の評価が大きく二分されるということか。
戦後では岸信介の評価が81点と最も高い。「憲法や安全保障という国家のアイデンティティにかかわる事柄と、産業政策・・・において、卓越した仕事をした」と大きく評価している。
田中角栄以降の首相については、改憲や国防問題といった「名実兼ね備わった独立の完成」の実現へと向かわず、政治が矮小化された時代と断ずる。例えば、田中は政治を地方への公共事業の分配手段としてしまった等。
そして、当時の総理大臣である小泉純一郎には29点をつける。この時点では「構造改革の内実はいまだによく解らない」と述べられているが、今振り返ると、痛みを伴う構造改革が痛みしか残さなかったことが明らかとなった。
その後の総理大臣のほとんども、仮に点をつけるとしてもまともな点はつけられないだろう。
さて、私がレビューしている時点は、第二次安倍内閣である。安倍は岸が目指したような「憲法や安全保障」といった問題に取り組むことができるのか、経済環境が変わった今、当時求められた産業政策ではなく、金融政策等による景気対策が求められているが、果たして適切に対応できるのか。これらの結果いかんでは、安倍晋三総理大臣には高得点がつく可能性も否定できない。
2006年12月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
よくできていると思うが、出身校とかキチンと合っているのかと思った? 箇所などがあった。
基本的に現代の人に対して辛口。できれば、具体的な解決策、などの言及が欲しかった。批評などは慶応大学環境情報学部の助教授としては、どっちでもいいのではないだろうか? 今後とか、統治すべきだった点などを、近代/現代の総理への批評へは欲しかった。でも、点数の付ける。という発想が面白い。良書。
基本的に現代の人に対して辛口。できれば、具体的な解決策、などの言及が欲しかった。批評などは慶応大学環境情報学部の助教授としては、どっちでもいいのではないだろうか? 今後とか、統治すべきだった点などを、近代/現代の総理への批評へは欲しかった。でも、点数の付ける。という発想が面白い。良書。
2005年10月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
正直、著者の本としてはモノ足りません。ページの割に一時間ぐらいですらすら読めてしまいました。福田節?を期待して読むとけっこう肩すかしをくらいました。「乃木坂血風録」や「俺の大東亜代理戦争」などです。
ですが、冷静に考えると歴代総理を総ざらいする。もう少し言うなら点数をつけるということ。偉業と言うか暴挙といいますか。これを実際にやってのけるということはそれだけでもすごいことだと思います。
良かったと思うところは、顔写真がついていて、経歴が載っていて、値段的に割と安い。という感じでしょうか。あと参考文献が載っているのはおおいに助かりました。
私自身こと細かく知っているというわけではありません。ただ点数に関しては、基本的には「これはないな。」というほど、大きなズレはとりあえず感じなかったです。
ですが、冷静に考えると歴代総理を総ざらいする。もう少し言うなら点数をつけるということ。偉業と言うか暴挙といいますか。これを実際にやってのけるということはそれだけでもすごいことだと思います。
良かったと思うところは、顔写真がついていて、経歴が載っていて、値段的に割と安い。という感じでしょうか。あと参考文献が載っているのはおおいに助かりました。
私自身こと細かく知っているというわけではありません。ただ点数に関しては、基本的には「これはないな。」というほど、大きなズレはとりあえず感じなかったです。
2003年10月5日に日本でレビュー済み
はっきり言ってこの人は「経済オンチ」である。
彼のほかの著作をみても経済のことに関すると、やたら理屈をこねくりまわすだけで何を言ってるのかさっぱり分からない。
歴史観、国家観のみが重要という感じがする。
総合的に批評の値打ちなど一切無い本である。
ためしに岡崎久彦氏の著作と比較されるとよい。
いかに福田氏の人物を見る目が浅薄、刹那的か実感できるだろう。
彼のほかの著作をみても経済のことに関すると、やたら理屈をこねくりまわすだけで何を言ってるのかさっぱり分からない。
歴史観、国家観のみが重要という感じがする。
総合的に批評の値打ちなど一切無い本である。
ためしに岡崎久彦氏の著作と比較されるとよい。
いかに福田氏の人物を見る目が浅薄、刹那的か実感できるだろう。
2009年3月2日に日本でレビュー済み
歴代総理を評価した本は他にいくつかあるが、どれもサヨク
及び中道的見解のものが多く、しっかり歴史を勉強した人には
共感できない部分も多いと思う。その点本書は保守的見解が
かなり明確に出ていて読みやすい。ただし、宇野宗佑、羽田孜
は実質語る言葉なしとしているし、東條英機を人柄がいいと
いう理由だけで犬養毅より上に据える等、痛快ではあるが
しっかりと勉強したい人は他も本も読んだ方がいいかもしれない。
及び中道的見解のものが多く、しっかり歴史を勉強した人には
共感できない部分も多いと思う。その点本書は保守的見解が
かなり明確に出ていて読みやすい。ただし、宇野宗佑、羽田孜
は実質語る言葉なしとしているし、東條英機を人柄がいいと
いう理由だけで犬養毅より上に据える等、痛快ではあるが
しっかりと勉強したい人は他も本も読んだ方がいいかもしれない。
2021年1月3日に日本でレビュー済み
基本的には採点物は面白い。評者の価値観がでるから、必ずしも読者と一致しないが、異なる視点は勉強になる。点数のほかに、ひとことキャッチフレーズがあり、面白い。評者は、岸信介や佐藤栄作の評価が高い。
2002年5月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「値打ち」シリーズ(?)最新刊は、伊藤博文から小泉純一郎までの歴代総理55人を俎上に載せ、それぞれ100点満点で採点する趣向(最高91点、最低17点、採点不能2名)となっている。個々の採点もさることながら、目を引くのは目次の章立てである。伊藤博文から「議会政治のはじまり」、原敬以降が「政党政治の黄金時代」、第二次世界大戦後、吉田茂が登場し、「第二の建国」が始まるのはいいとして、田中角栄以降が「矮小化のはじまり」、宇野宗佑以降、海部、宮沢、細川、羽田、村山、橋本、小渕、そして森に至るまでが「政治機能の喪失」の時期として総括されているのだ(ここは、当の本人たちに感想を聞いてみたいものだ)。
各総理ごとに在職期間、業績が異なるわけだから、評価コメントも顊·!短さまざま。吉田茂のように4ページを超すものもあれば、2行で終わるものあり、内容自体にもムラがあるのだが、おざなりなコメントも、それはそれで評価のうちということなのだろう。書き急いだのか、やや大味に感じられる部分が少なくないのだけれど、あまり知ることのなかった総理の姿を(それが、ごくごくラフなスケッチであったにせよ)垣間見ることができたし、帯の「総理、あなたは29点です」のコピーも気に入ったので、★ひとつ奮発しておく。
各総理ごとに在職期間、業績が異なるわけだから、評価コメントも顊·!短さまざま。吉田茂のように4ページを超すものもあれば、2行で終わるものあり、内容自体にもムラがあるのだが、おざなりなコメントも、それはそれで評価のうちということなのだろう。書き急いだのか、やや大味に感じられる部分が少なくないのだけれど、あまり知ることのなかった総理の姿を(それが、ごくごくラフなスケッチであったにせよ)垣間見ることができたし、帯の「総理、あなたは29点です」のコピーも気に入ったので、★ひとつ奮発しておく。