暑気あたりして、何もする気にならないけだるい週末に、どうせなら沖縄にいる気分になれる本を、と 睡眠を挟んで2日で読んだ。
主人公の少女は美人でその上 三線の名手で霊能力を持つ。彼女のライバルは英語と空手が得意だし、主人公の親友もこれまた奇人変人。キャラが濃い登場人物たちだが、みな生き生きと描かれている。
その人物設定自体がファンタジーに思えるが、神ごとや宇宙が出てくるストーリーなので、その方が空想が広がって楽しい。
人物だけではない。石垣島の海、太陽、風、白砂、カジュマルの木も、五感に鮮明に伝わってくる描き方がされており、かつ、しつこくはない。
主人公とその親友の2人が島でどう生きたとしても、やはりそれは自然の摂理の中でのことなのだと、旧盆の祭事の描写によって気づく。
そしてその摂理が物語後半の展開につながっていく。
私は神や精霊を崇敬する者だが、この本での主人公の「神」の扱いの斬新さに驚かされた。身近な存在として対話する、神。
装丁もかわいいこの一冊の本には、いろいろな人の人生が詰まっている。暫く読後感を楽しんだあとで、もう一度開きたくなる本だ。
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バガージマヌパナス わが島のはなし (文春文庫 い 39-1) 文庫 – 1998/12/8
池上 永一
(著)
沖縄の自然に抱かれ育った美少女綾乃が聞いた神様の御告げとは。豊かな伝承と少女の感性が見事にマッチした現代人必読の一冊!
- 本の長さ317ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日1998/12/8
- ISBN-104167615010
- ISBN-13978-4167615017
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (1998/12/8)
- 発売日 : 1998/12/8
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 317ページ
- ISBN-10 : 4167615010
- ISBN-13 : 978-4167615017
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,597,368位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1970年、沖縄県那覇市生まれ、のち石垣島へ。94年、早稲田大学在学中に「バガージマヌパナス」で第6回日本ファンタジーノベル大賞受賞。98年『風車祭』が注目される。沖縄の伝承と現代社会を融和させた独特の世界を確立し、2008年刊行の『テンペスト』はベストセラーとなる。他の著書に『夏化粧』『ぼくのキャノン』『シャングリ・ラ』『レキオス』『やどかりとペットボトル』などがある。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年7月9日に日本でレビュー済み
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2018年7月16日に日本でレビュー済み
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新聞の書評欄で本書の存在を知ったものの、本書が沖縄を舞台としたものだと知ったのはつい最近のことだった。文中は沖縄の方言や旧盆や御嶽などの沖縄の風習オンパレードであり、沖縄のエキゾチックさで読者の注意を引こうするとする筆者の意図も感じられるが、それでも本書が魅力的なのは、綾乃とオージャーガンマーという2人の女主人公、いや2人の関係があまりにも魅力的だからだろう。このような世代が離れた見ず知らずの他人が無二の親友となることができたのは、スローな生き方が許容される沖縄ならではなのか。筆者が描く沖縄の離島の風景はとにかく美しい。ちょうど来週に沖縄に旅行に行くので、本書も頭の片隅に置いてしっかりと沖縄を見てきたい。
2014年11月30日に日本でレビュー済み
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とても素敵なお話でした。二人のやりとり、友情に笑いと涙。読み終わった後も余韻が残りなんとも切なくもあります。だけど、またすぐ読みたい、あの二人に会いたくなります。
2014年8月19日に日本でレビュー済み
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私はウチナーではありませんが、日本から失われていく素朴な伝統や風景を愛する人なら物語の内容に共感できると思います。石垣島を訪れたことがある人ならなおさら楽しめるはず。お盆の近い、夏の暑い日にセミの声を聞きながら読むことをおすすめします。来年は我が家もしっかりとお盆をやらねば。
2014年10月12日に日本でレビュー済み
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個人的な好き嫌いなんですが、文体が美しくないとお話しに入り込めないんです。少々子供向きな感じ。お話しとしては面白かったです。
2010年7月2日に日本でレビュー済み
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読み進んでいくうちに、どんどん引き込まれていきました。
最後まで一気読みで。
読み終えて自分のことを考え、家族のことを思い、これからも大事にしたいものに思いをはせて、
温かい気持ちになりました。
最後まで一気読みで。
読み終えて自分のことを考え、家族のことを思い、これからも大事にしたいものに思いをはせて、
温かい気持ちになりました。
2010年12月17日に日本でレビュー済み
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40代のウチナーンチュの私にとっては身近過ぎる内容でした。私自身、沖縄を離れて客観的に沖縄を見たら、やはり異国だと思う。作り話の様だけど、真実も多く含まれてる。沖縄ってそういう場所なんです。猫のまじない、懐かしい。鼻ヤーチューはされた事は無いけど、普通のヤーチューはそっちゅうだった(汗)。沖縄を知れば、単なるファンタジーではなく、実話といっても過言じゃないのがわかるはず。沖縄って、ホント面白い。