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幕末「円ドル」戦争 大君の通貨 (文春文庫 さ 28-7) 文庫 – 2003/3/7
佐藤 雅美
(著)
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幕府崩壊の真実とは――。
徳川幕府の崩壊は、薩長の武力のみにあったのではなく、もう一つの大きな要因は通貨の流出にあった、と言われている。日本と諸外国の金銀比価の違いから生じたもので、違いを知らなかった日本人の無知のせいだと説明されているが、それは本当なのか。
ペリーの来航以来、初めて世界経済の荒波に見舞われた日本、一儲けを企むアメリカの駐日公使ハリス、イギリスの初代駐日外交代表オールコック、通貨問題をはじめとする外国問題を一人で担当していた水野筑後守忠徳たちの姿を、赤裸々に描く傑作歴史経済小説。
85年に本書で第4回新田次郎文学賞受賞。朝日・日経など各紙の書評で大絶賛された話題の書。
徳川幕府の崩壊は、薩長の武力のみにあったのではなく、もう一つの大きな要因は通貨の流出にあった、と言われている。日本と諸外国の金銀比価の違いから生じたもので、違いを知らなかった日本人の無知のせいだと説明されているが、それは本当なのか。
ペリーの来航以来、初めて世界経済の荒波に見舞われた日本、一儲けを企むアメリカの駐日公使ハリス、イギリスの初代駐日外交代表オールコック、通貨問題をはじめとする外国問題を一人で担当していた水野筑後守忠徳たちの姿を、赤裸々に描く傑作歴史経済小説。
85年に本書で第4回新田次郎文学賞受賞。朝日・日経など各紙の書評で大絶賛された話題の書。
- 本の長さ307ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2003/3/7
- ISBN-104167627078
- ISBN-13978-4167627072
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2003/3/7)
- 発売日 : 2003/3/7
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 307ページ
- ISBN-10 : 4167627078
- ISBN-13 : 978-4167627072
- Amazon 売れ筋ランキング: - 146,790位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2022年3月11日に日本でレビュー済み
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江戸時代末の通貨制度(小判、一分銀、二朱金等)の基に、開国を迫った欧米列強の両替に関する混乱ぶりが描かれていました。現在のデジタルと言うキーワードに基づくデジタル通貨等の出現に向けたビジネス展開の参考になりました。
2020年9月2日に日本でレビュー済み
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一度全面的に書き直した本らしく、論点を絞って非常に読みやすくなっています。
高校で日本史を履修していたころから、かくも強大な江戸幕府が、大した内戦もなかったのに、何故かくもあっさり崩壊したのか疑問でしたが、この本を読んでその理由が良くわかりました。
そして今の経済が信用経済であり、それを世界に先駆けて始めたのが日本だったということも。
高校で日本史を履修していたころから、かくも強大な江戸幕府が、大した内戦もなかったのに、何故かくもあっさり崩壊したのか疑問でしたが、この本を読んでその理由が良くわかりました。
そして今の経済が信用経済であり、それを世界に先駆けて始めたのが日本だったということも。
2020年8月8日に日本でレビュー済み
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幕末、日本の開国に伴う交渉事は政治外交に留まらない。
実は熾烈な外国為替交渉が行われていたことを本書によってはじめて知った。
当時の日本ではコバング(小判)という金貨とイチブ(一分銀)という銀貨の交換比率は1対5であった。日本では金1グラムと銀5グラムがイコール、同価値になっていた。ところが国際金融比価は1対16、金1グラムに対して銀16グラムがイコールであった。
横浜で銀5グラムを金1グラムと交換する。その金1グラムをもって、上海で交換すると銀16グラムにすることができる。3倍以上の儲けになる。これに目を付けたアメリカ総領事(後に公使)タウンゼント・ハリスは自分の給料からせっせと小判に交換して上海で銀と交換、給料の数倍の儲けを手にしていた。これをしった、副領事のヒュースケンも同じ手口で金儲けをし、アメリカ外交官から使用人に至るまで、せっせと給料を小判に交換して儲けていた。
それを知った横浜在留の外国商人たちは、日本に対して際限なく米ドル(金貨)と大量の小判との交換を要求するようになる。
日本政府(幕府)も渋っていたが、戦争を仕掛けると脅かされると圧力に屈した。ついに大量の小判が日本から流出し、日本政府も金銀交換比率の改定を英米に要求するようになった。
ここで、注目すべきはアメリカのタウンゼント・ハリスのみならず、イギリス公使ラザフォード・オルコックも相当金銀交換による金儲けに深入りし、のちに英国政府から叱責されることになる。
日本側交渉窓口、水野築後守忠徳の苦悩など、本編を通じて日本と英米との為替交渉の経過を描いていて興味が深い。
ハリスは、この金で有名な唐人お吉を雇ったり、ほかの女性にも手を出していた。
ハリスもこの金儲け行為がアメリカ政府にバレて辞任、帰国後74歳、独身のまま亡くなった。
本書を読むと幕末に日本に派遣された外交官は、国力を笠に着たゴロツキ集団としかいえない、呆れた金権亡者どもである。
実は熾烈な外国為替交渉が行われていたことを本書によってはじめて知った。
当時の日本ではコバング(小判)という金貨とイチブ(一分銀)という銀貨の交換比率は1対5であった。日本では金1グラムと銀5グラムがイコール、同価値になっていた。ところが国際金融比価は1対16、金1グラムに対して銀16グラムがイコールであった。
横浜で銀5グラムを金1グラムと交換する。その金1グラムをもって、上海で交換すると銀16グラムにすることができる。3倍以上の儲けになる。これに目を付けたアメリカ総領事(後に公使)タウンゼント・ハリスは自分の給料からせっせと小判に交換して上海で銀と交換、給料の数倍の儲けを手にしていた。これをしった、副領事のヒュースケンも同じ手口で金儲けをし、アメリカ外交官から使用人に至るまで、せっせと給料を小判に交換して儲けていた。
それを知った横浜在留の外国商人たちは、日本に対して際限なく米ドル(金貨)と大量の小判との交換を要求するようになる。
日本政府(幕府)も渋っていたが、戦争を仕掛けると脅かされると圧力に屈した。ついに大量の小判が日本から流出し、日本政府も金銀交換比率の改定を英米に要求するようになった。
ここで、注目すべきはアメリカのタウンゼント・ハリスのみならず、イギリス公使ラザフォード・オルコックも相当金銀交換による金儲けに深入りし、のちに英国政府から叱責されることになる。
日本側交渉窓口、水野築後守忠徳の苦悩など、本編を通じて日本と英米との為替交渉の経過を描いていて興味が深い。
ハリスは、この金で有名な唐人お吉を雇ったり、ほかの女性にも手を出していた。
ハリスもこの金儲け行為がアメリカ政府にバレて辞任、帰国後74歳、独身のまま亡くなった。
本書を読むと幕末に日本に派遣された外交官は、国力を笠に着たゴロツキ集団としかいえない、呆れた金権亡者どもである。
2015年3月20日に日本でレビュー済み
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良かったです。機会があれば関連商品の購入もしようと思います。
2018年8月5日に日本でレビュー済み
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国際間で取引を行う場合には通貨為替を処置すべき事は当たり前の事と理解していた。が、幕末時代は近代的な為替機構はまだ整備されておらず、特に日本は鎖国状態でこの問題を重要視していたはずはなかった。日本国内の通貨は国内の事で、金銀がどのように取り扱われていても、国内で流通する限り問題はなかった。ただ、価値を保障するために金や銀といった貴金属を通貨としていただけである。
国際時代になって西欧列国から銀貨の交換レートを持ち出され、黄金の国日本は結果的に大損を被ることになってしまうのだが、その中身をただ一人理解していた人物が、水野忠徳であった。孤軍奮闘を繰り返したが、あらゆる面で劣勢に立たされていた幕府中枢の理解も得られなかった。当時のイギリス、フランスとか植民地政策を取っていた列国とその時代に乗り遅れたアメリカは、今の言葉で言えば押し込み強盗の類で、条約交渉といっても内実は恐喝に終始した。時をその時代に巻き戻したい衝動に駆られる。
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2018年8月5日に日本でレビュー済み
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僅か300ページに歴史と経済がつまっている。幕末の日本がしていたのは当に量的緩和政策でした。
2019年11月9日に日本でレビュー済み
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事の発端は幕府が海外の圧力に押し切られ、 貨幣の重量に基づいて、. 1ドル貨幣:一分銀=1:3. と決めてしまったこと。