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四億年の目撃者シーラカンスを追って (文春文庫 ワ 1-1) 文庫 – 2001/7/1

4.2 5つ星のうち4.2 10個の評価

一九三八年、コモロ諸島で捕獲されたシーラカンス──絶滅したはずの「生きた化石」を求めて、人々がくり広げた六十年間のドラマ
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 文藝春秋 (2001/7/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2001/7/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 325ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4167651106
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4167651107
  • カスタマーレビュー:
    4.2 5つ星のうち4.2 10個の評価

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サマンサ・ワインバ−グ
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上位レビュー、対象国: 日本

2023年8月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
探してた書籍です。ありがとうございました。
2015年9月3日に日本でレビュー済み
本書は、平成11年(1999)に発売された原書を平成13年(2001)に翻訳して出したものですから、シーラカンスの
学術的な本としては古くて意味を成しません。本書はシーラカンスのことよりも、それを巡る人々の思惑と、捏造事件を
起こしてでも全ての栄誉を我が物にしようとする、アングロサクソンの歴史に多く見られる、ドス黒い暗闘に重きを置いた
大変愉快な本です。さらに著者の無邪気な差別意識が随所に現れていて、一粒で二度美味しい本でした。

以下に目次を列記しつつ、各章の感想を少しづつ。購入の参考になれば。

   第1章 「化石の魚」が生きている?

1938年12月、アフリカ大陸の南端、イースト・ロンドンから物語は始まります。イースト・ロンドン博物館の若き女性学芸員
マージョリー・コートネイ-ラティマーが、シーラカンスに出会うまでのお話。マージョリーの前半生を絡めながら、尊敬する
J・L・B・スミス博士と書簡を交わしつつ、シーラカンスをいかに保存するかで悪戦苦闘するさまを描いています。因みに、
このときのシーラカンス、「ラティメリア・カルムナエ」がマージョリーと一緒に写っている写真が掲載されていますが、デカい!
体長1・5メートル、体重57キロもありました。

   第2章 「世紀の発見」に世界中が興奮

ここで場面は暗転し、人間がシーラカンスという生物を初めて認識した1839年に遡ります。イギリス北部で発見された
化石から、100年後にマージョリーが「ラティメリア」に出会うまで、シーラカンスの学術的な立場の変遷を解説します。
一方、現実世界は「ラティメリア」を偽物・捏造と非難しますが、それをスミス博士が一つ一つフルボッコに論破して、ついに
「ラティメリア」はその姿を全世界に見せつけるに至ります。

   第3章 二匹目はどこに

マージョリーの(そしてスミス博士の)「ラティメリア」は、剥製にした時に内蔵を捨ててしまったので、スミス博士はもう一匹、
何としてもシーラカンスが欲しいと考えます。ここで話はスミス博士の半生を振り返ることになります。学者としては
「桁外れの人物」でありながら、病弱だった博士の半生は波乱に満ちたものでした。その後、妻である19歳年下(!)の
マーガレット・スミスとともに南アフリカ中の海を探し回る博士。既に最初の発見から14年が経過した1952年になっていました。

ところで、その少し前の1949年、アメリカのフロリダ州で謎の生物のウロコが見つかります。発見した女性の消息が
わからなくなったので、詳しい来歴はわかりませんでしたが、ワシントン国立博物館は、これをシーラカンスのウロコでは
ないかと睨みます。シーラカンスは南アフリカのインド洋以外にもいる?このウロコは後半でもう一度登場します。

   第4章 シーラカンス奪取大作戦

ついに見つかる二匹目の報。狂喜乱舞するスミス夫妻は軍用機まで引っ張り出して現地に向かいます。舞台は
マダガスカル島と大陸のモザンビークに挟まれたコモロ諸島へ。

   第5章  人気スターの争奪戦

二匹目のシーラカンス、「マラニア・アンジュアナエ」を持ち帰るスミス博士ですが、コモロ諸島はスイス領だったため、
フランスは大激怒。ついでに、進化論を毛嫌いするファンダメンタリズムの信奉者たちも激怒して、博士とバチバチ遣り合います。
その後、博士は1953年のコモロ諸島の再訪をフランスに拒否されます。さらにフランスは「モザンビークとマダガスカル間の
インド洋海域にあるフランス領コモロ諸島でシーラカンスを採取するのはフランス人科学者に限るものとする。フランス人以外の
科学者が探検することは全面的に禁止する」と発表し、博士は怒髪天を衝きます。

   第6章 人類の祖先は誰だ

スミス博士がフランスと大喧嘩していた1950~1960年代頃の、シーラカンスの研究成果を解説する章。当時の学者だけでなく、
読み手のこちらまで頭を抱えてしまうような「失われた鎖の輪」の話を尻目に、フランスはコモロ諸島で次々とシーラカンスを
捕獲してゆきます(約10年で2匹も!)。

   第7章 さよなら、スミス教授

「シーラカンスを『浪費』する」フランスに対して怒りが収まらないスミス博士は、新聞の投書欄でフランスを猛然と非難。
負けじとフランスも新聞で自己弁護と、心温まる交流が続きます。一方その頃、1964年、スペインの小さな村の教会から、
マヤ文明産と思われるシーラカンス(としか思えない)の銀細工、「銀製の珍しい形の魚」が発見されます。「デザインのヒントを
得ようと(当時の)職人がコモロ諸島にまでやってきた」のか?それとも?写真が掲載されていますが、これ、どう見ても
シーラカンスにしか見えません。そして1968年1月8日、スミス博士は自宅で自殺します。70歳でした。

   第8章 「遺産の番人」コモロでは

シーラカンスの価値が単なる捕獲ではなく、「生きた」ものに絞られてゆく1975年に、コモロ諸島はフランスから完全独立を
宣言します。様々な国の遠征隊がコモロに押し寄せてくる中、「ある気がかりな噂が流れ」ます。中国が、シーラカンスの体液を
飲めば不老不死になると考えて、「日本人を仲介にして闇市場で取り引き」しているそうなのです。もう一度書きますが、
「ある気がかりな噂」でしかないのですが。本書ではこれ以降、日本人が度々「悪者」として登場します(フランスと学界のアレな
人たちはまた別の話)。それもあからさまに、無邪気なまでの主観的なイメージで。 ヽ(`Д')ノ

   第9章 ドイツ人ハンス・フリッケ登場

1975年、新たな主人公である若きドイツ人科学者、ハンス・フリッケが潜水艇を引っさげてコモロ諸島を訪れます。そして1986年、
ついにフリッケの潜水艇は「生きたシーラカンス」である「ニコ」の撮影に成功します(しかもこの時、肝心のフリッケは飛行機の中)。

一方、夫のスミス博士を亡くしたマーガレット・スミスは、その後、一流の学者として独立。華やかに活躍しますが、
白血病に罹ってしまいます。スミス夫人の病室を訪れたフリッケは、新たに撮影に成功したシーラカンスの映像を披露します。
泣きながら嬉しそうに「もういつ死んでもいい」と述べたスミス夫人は、この6週間後にこの世を去りました。時に1988年、
75歳の生涯でした。

   第10章 潜水艇「ジェイゴ号」

その後、フリッケは新たな潜水艇でコモロ諸島のシーラカンスを次々と発見してゆきます。そして時を同じくして、
ようやくシーラカンスの保護活動が動き始めます(1952年以降、140匹を越えるシーラカンスが捕獲されていた)。
ところがそれを邪魔しにきたのが、著者に言わせると、我らが日本だそうです。

「日本の鳥羽水族館」が、「何百万ドルという金に飽かせて、生きたシーラカンスをつかまえようと意気ごんできた」ですって!
「シーラカンス輸出禁止令」を「日本側」は「鼻にもかけ」ず、フリッケは抗議活動に出たりしますが、結局「日本隊は
国へ帰っていった」そうです。何故か?この理由が凄かったです。

「天皇からの直々の、そして緊急の命によるものと思われた」。・・・いつの時代の話なんでしょうか?そもそもこの事件、
ウラを取ったのでしょうか?シーラカンス捕獲に莫大な金が掛かるのは日本だけの話ではないし、天皇陛下の「勅命」が
この当時まで存在したのなら、コモロも含めたアフリカ大陸は、半世紀も前に我が国が完全解放していますよ。文春側も
疑いもなくこんな話を掲載するなんてどうかしていますね、頭が。

ところで、この頃からシーラカンスはコモロ諸島以外の南アフリカ周辺で捕獲されるようになります。ここで思い出されるのが、
第3章に登場した謎のウロコと第7章の銀のシーラカンスです。フリッケも言います。「コモロだけがシーラカンスの生息地だとは
考えられない」と。

   第11章 インドネシアの「海の王者」

1998年7月30日、最初のシーラカンスを発見したマージョリーは、91歳にしてますます元気でした。南アフリカでシーラカンスを
デザインした記念金貨発売の祝典に出席した彼女は華麗なスピーチを行います。そして、まさにその同時刻に、インド洋を越えた
9600キロの彼方、インドネシアで、マーク・アードマンとアーナズ・メータの新婚夫妻がついにシーラカンスを捕獲します。

   第12章 四億年の歴史を超えて

インドネシア産のシーラカンス、「ラジャ・ラウト」は、60年前の「ラティメリア」と同じ衝撃を学界に与えます。喧々諤々と学者たちが
議論を戦わせる中、フランス人のプーヤールは新説をぶち立てて、「ラジャ・ラウト」の命名権は自分にあると吠えまくります。
そしてなんと、インドネシアにまで我らが日本の魔の手が迫る!!!

「ラジャ・ラウト」を最初に発見した地元の漁師たちに、「日本の五グループが接触して」おり、「シーラカンス捜しの特別遠征隊に
参加してくれれば、今までにも増した金額を進呈しようと言ってきたのだ」!!! ・・・(メ・ん・)? (・3・) アルェー 普通じゃん。
えっ、何ですかこれは?最初に捕獲した漁師に接触するのは手順として当然ですし、捜すのを手伝ってくれれば倍の報酬を
差し上げるって言っているだけじゃないですか。しかもこれ、白人がよく口にする「成功報酬」ではなく、いかにも日本的な
「努力報酬」ですよ。

あれっ、これって何がいけないんですか?何度読んでも日本が学術調査をすること自体を非難しているとしか思えないこの記述。
まさか20年近く前の本で、日本に対するヘイトスピーチを拝むことができるとわ!!それも文春の本で! (((o(*゚▽゚*)o)))

   著者あとがき 日本語版刊行に寄せて

最終章に突如として現れて、悪巧みに失敗したプーヤール(どうでもいいことですが、ヤプール人に名前が似ていますね)は、全く
懲りておらず、コンピュータで画像処理をして作ったニセの写真を使ってまで、シーラカンスを自分の物にしようとしますが、
天網恢恢疎にして漏らさず。あっさりとバレて学界から永久追放されます。21世紀になってからもシーラカンスは次々と発見されて、
これからの研究への期待が膨らむところで物語は終わります。

   訳者あとがき 戸根由紀恵

訳者の戸根さんが、本書を日本で出す際に、著者に対して「金に飽かせてシーラカンスを欲しがるばかりだった」という日本の
イメージは違う、「魚の保護と島の振興に尽くし」ていると伝えたところ、著者から「確認できてうれしい」と返事をもらったそうです。
今までの事例の数々は確認したのでしょうか。そもそもちょっと意見を聞いただけで自論を引っ込めるなんて、どう考えたって、
著者の人生における黄色人種との接触の少なさが生んだ、幼稚な差別意識としか思えないんですがねぇ。

・・・以上です。シーラカンスを巡る、或いはそれに翻弄される人々が大挙して登場する本なので、本書が本来持っていたはずの
内容からは思いっきり外れた部分でムチャクチャ面白かったです。それにしても、著者のサマンサ・ワインバーグはロンドン生まれの
ケンブリッジ大学卒だそうですが、英国人には黄色人種に対して理由のない優越意識でもあるのでしょうか(今、思い出した。知人の
オーストラリア人であるSさんが以前イギリスに行った時に、田舎者扱いされたと言ってた。自国以外全て差別?)。
とにかく面白いです。かなりオススメ。

このレビューが参考になれば幸いです。 (*^ω^*)
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年7月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
保存状態も良く、シーラカンス並みな本
2016年2月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
シーラカンスの発見についてのノンフィクションストーリー。科学者たちの興奮が伝わってきました。インドネシアンシーラカンスの発見も面白い。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2002年3月9日に日本でレビュー済み
 難しい内容ではないので、高校生以上なら大丈夫。文系でも理系でも、興味があれば面白く読める筈です。シーラカンスという化石魚をめぐる学者たちの奮闘や、国々の思惑、様々な論議など、それらが読み物として生き生きと描かれています。これを読めば、「発見」というもののもつ魔力というか、人を夢中にさせる何かが判ります。もっとも、そんな人間たちをよそに、悠然と生息するこの化石魚のコントラストも、皮肉になりすぎずに書き込まれている点もいいですね。金にものをいわせる世界に悪評高き日本人も、ちょっとだけ出てきますが、その発見に生涯をかける人たちと較べて、やはり卑小にみえます。こういう本を読み、もっと志を高く持ちたいですね。
15人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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