言うまでもなく町田康の小説というものは理屈で読解したり語ったりするものではないので、ましてamazonで本のレビューをしたことのない自分が彼の作品についてあれこれ言うのは勘違いも甚だしいのですが、あまりに素晴らしかったので一感想を。
文脈も文意も通常を逸脱している小説は彼の出自になぞらえ音楽(パンク)に喩えられるけれども、たとえば大作「告白」は叙事的・叙情的な物語ゆえに長時間の演奏がプログレの要素を纏い、それは必定であるし、これまでにない絵巻的グルーヴ感が多くの方からの絶賛を得たように思うが、自分にはいまいち残るものがなかった。音楽においても瞬発と構築は馴染まないので。
一方で彼特有の、粉々に砕けた中から形のない音像が立ち上がる作品として、初期作や短編が結構好きだったのだけど、今作にあっては、滲み出る哀切が何より響く。平常運転でのシュールさ、おかしみも勿論良い。ただ、読み物としてのスタンダードを意図的に壊しながらその行間から絶妙な哀しみを鳴らすというのは、これは尋常な才能ではない。そのことをこの作品にあって初めて強烈に感じた。
分かり辛い物言いで恐縮ですが、音楽でも文学でも映画でも笑いでも、浮かび上がる哀切の感覚にひっかかりを感じる人であれば、数ある町田康の作品の中でも間違いなくおすすめの一作です。そして論理性や整合性よりも感性で物事を掴む人なら、きっと気に入ると思います。
今更ながらのレビューですが、これから読もうか考えている方がいらっしゃったら、一度手にとってみてください。収録されている二編、表題作も「人生の聖」も共に、非常によく出来ています。
(ちなみに順序が逆だけど文体や雰囲気は「苦役列車」を彷彿としますね。その類似性や相違性を読んで考えるのも時間があれば一興、かも。)
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
¥627¥627 税込
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
¥627¥627 税込
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
¥63¥63 税込
配送料 ¥240 5月30日-6月1日にお届け
発送元: バリューブックス 【防水梱包で、丁寧に発送します】 販売者: バリューブックス 【防水梱包で、丁寧に発送します】
¥63¥63 税込
配送料 ¥240 5月30日-6月1日にお届け
発送元: バリューブックス 【防水梱包で、丁寧に発送します】
販売者: バリューブックス 【防水梱包で、丁寧に発送します】
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
きれぎれ (文春文庫) 文庫 – 2004/4/7
町田 康
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥627","priceAmount":627.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"627","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"IioDno1sT2OrK411rEuETO9noYxMAYiiBM%2B6emVYFrhjRrbb2%2FyyYzyG2JwqKjWuwSmsRPoms3UohKpf9RFMuhKkNrceQ2WZd9IhJJivI0iggMhhwj7hQVCUFy1a4GYx","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥63","priceAmount":63.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"63","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"IioDno1sT2OrK411rEuETO9noYxMAYii%2Bw0Is%2FRIrmWRd5HMZjFz6oke1rXa1Z5J7EXsRXiB58hutG%2FCwlmIAfEmPp%2ByhSP1WFKJBQIXNR2ZqEGU%2F8VDJ3oTKjxcJd57XqlVHkSfcjMfvjcPSG8XrZ%2BW0jVohPSexOpzxDtMuzfmIoczrkPkkQ%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
時空を超え、乱舞する言語。第123回芥川賞受賞作。
浪費家、酒乱、趣味がランパブ通いの絵描きの俺。高校を中途で廃し、浪費家で夢見がちな性格のうえ、労働が大嫌い。金に困り、自分より劣る絵なのに認められ成功し、自分が好きな女と結婚している幼友達の吉原に借りにいってしまうが……。
無数の吉祥天女が舞い踊っているかのような花吹雪の中、青空に向かって町田ワールドが炸裂する。 現実と想像が交錯し、時空間を超える世界を描いた表題作と、「人生の聖」の計2篇を収録。
解説 「没落者の嘆きの歌」 池澤夏樹
浪費家、酒乱、趣味がランパブ通いの絵描きの俺。高校を中途で廃し、浪費家で夢見がちな性格のうえ、労働が大嫌い。金に困り、自分より劣る絵なのに認められ成功し、自分が好きな女と結婚している幼友達の吉原に借りにいってしまうが……。
無数の吉祥天女が舞い踊っているかのような花吹雪の中、青空に向かって町田ワールドが炸裂する。 現実と想像が交錯し、時空間を超える世界を描いた表題作と、「人生の聖」の計2篇を収録。
解説 「没落者の嘆きの歌」 池澤夏樹
- 本の長さ213ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2004/4/7
- ISBN-104167653036
- ISBN-13978-4167653033
よく一緒に購入されている商品
¥550¥550
最短で5月28日 火曜日のお届け予定です
残り15点(入荷予定あり)
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2004/4/7)
- 発売日 : 2004/4/7
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 213ページ
- ISBN-10 : 4167653036
- ISBN-13 : 978-4167653033
- Amazon 売れ筋ランキング: - 244,874位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 3,838位文春文庫
- - 6,091位日本文学
- - 47,220位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
作家、ミュージシャン。1962年大阪生まれ。高校時代より町田町蔵の名で音楽活動を始める。97年に処女小説『くっすん大黒』で野間文芸新人賞、 Bunkamuraドゥマゴ文学賞、2000年には「きれぎれ」で芥川賞を受賞する。01年詩集『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、02年「権現の踊り 子」で川端康成文学賞を受賞、05年『告白』で谷崎潤一郎賞、08年『宿屋めぐり』で野間文芸賞を受賞した(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 あなたにあえてよかった―テースト・オブ・苦虫〈8〉 (ISBN-13: 978-4120041235 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2024年4月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本当にガッカリしました。芥川賞作品ですが、私の学生時代に読んだ他の芥川賞作品よりも、格段にレベルが低いです。(ちなみに、今、私は61歳です)
内容はナンセンス漫画のようで、あるいはまた、今どきの漫才のネタのようにも感じられます。この作家さんには一定のコアなファンがいるようなので、私の感覚が古いのかも知れません。しかし、私はこのような作品を文学とは呼びたくありません。これを文学と呼べば、歴代の芥川賞作品は穢されてしまう気がします。
「きれぎれ」の冒頭は最後まで、他の箇所とのつながりが見られません。これは主人公の夢の中の話なのでしょうか?そもそも、大黒天や吉祥天女が何故、無数いるのでしょうか?
確かに、言葉遊びが上手なので、その辺はミュージシャンでもあるこの作家の、言葉に対する独特の感性は感じられます。それが刺さる人には刺さるのでしょう。それで、一定のファンがいるのかも知れません。
細かい指摘で恐縮ですが、本文中、和太鼓を日本ドラムと表現している箇所が見られました。和楽器が好きな私は、この表現に不快感を覚えます。日本ドラムと表現すると、まるで和太鼓は西洋のドラムを真似したような意味合いにもとれます。和太鼓は西洋文化とは関係なしに、日本で独自に発展してきたものです。
「人生の聖」ですが、主人公が小ぶり小体なレストランで無茶苦茶なことをするシーンは、まるで、最近の迷惑系ユーチューバーのような話ですね。読んでいて不快な気分になります。
だいぶ否定的な意見を書きましたが、共感する部分もありました。主人公が会社内の理不尽な仕打ちに憤る箇所ですが、サラリーマンなら誰しも経験することではないでしょうか。
全体的に、漫画のような表現が多く、この作品が日本文学史に新世紀を切り開いたとは全く思えません。しかし、これがこの作家の作風でこれがすごく好きという方も、広い世の中にはいるのでしょうから、まあ、そういう方はこのような作品をどうぞ読み続けて下さい。
内容はナンセンス漫画のようで、あるいはまた、今どきの漫才のネタのようにも感じられます。この作家さんには一定のコアなファンがいるようなので、私の感覚が古いのかも知れません。しかし、私はこのような作品を文学とは呼びたくありません。これを文学と呼べば、歴代の芥川賞作品は穢されてしまう気がします。
「きれぎれ」の冒頭は最後まで、他の箇所とのつながりが見られません。これは主人公の夢の中の話なのでしょうか?そもそも、大黒天や吉祥天女が何故、無数いるのでしょうか?
確かに、言葉遊びが上手なので、その辺はミュージシャンでもあるこの作家の、言葉に対する独特の感性は感じられます。それが刺さる人には刺さるのでしょう。それで、一定のファンがいるのかも知れません。
細かい指摘で恐縮ですが、本文中、和太鼓を日本ドラムと表現している箇所が見られました。和楽器が好きな私は、この表現に不快感を覚えます。日本ドラムと表現すると、まるで和太鼓は西洋のドラムを真似したような意味合いにもとれます。和太鼓は西洋文化とは関係なしに、日本で独自に発展してきたものです。
「人生の聖」ですが、主人公が小ぶり小体なレストランで無茶苦茶なことをするシーンは、まるで、最近の迷惑系ユーチューバーのような話ですね。読んでいて不快な気分になります。
だいぶ否定的な意見を書きましたが、共感する部分もありました。主人公が会社内の理不尽な仕打ちに憤る箇所ですが、サラリーマンなら誰しも経験することではないでしょうか。
全体的に、漫画のような表現が多く、この作品が日本文学史に新世紀を切り開いたとは全く思えません。しかし、これがこの作家の作風でこれがすごく好きという方も、広い世の中にはいるのでしょうから、まあ、そういう方はこのような作品をどうぞ読み続けて下さい。
2011年2月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
町田康は、読者を幻惑する。
タイトル作の「きれぎれ」は、幻惑されつつも、どこか魅力があり、もう一度じっくり読んだ方が良いかも・・・なんて、個人的に思ったりした。
「人生の聖」は、もう何が何だか・・・(笑
場面がバンバン切り替わり、よく分からない描写や情景がでてくるので、ついていくのがやっとだった。
もう、町田康の本は10冊以上は読んだが、この芥川賞受賞作の「きれぎれ」は、最も不可思議な一作だったかも。
タイトル作の「きれぎれ」は、幻惑されつつも、どこか魅力があり、もう一度じっくり読んだ方が良いかも・・・なんて、個人的に思ったりした。
「人生の聖」は、もう何が何だか・・・(笑
場面がバンバン切り替わり、よく分からない描写や情景がでてくるので、ついていくのがやっとだった。
もう、町田康の本は10冊以上は読んだが、この芥川賞受賞作の「きれぎれ」は、最も不可思議な一作だったかも。
2006年5月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
週刊誌のコラムで存在を知り、本を読み始めても数ページ読んで「コラムの方が面白いな」と思い、20ページくらいでやめようかと思った。我慢して読んでいくうちになぜか引き込まれ完読。強烈な個性を理解するのに時間がかかったのかもしれません。
2015年2月17日に日本でレビュー済み
噂にはきいていた町田康、最初に手にしたのが本著だったのだがこれが実におもしろい。
偶然にもこれが芥川賞受賞作だったということも分かって納得。こんな文体は今まで接したこともないし、それは新鮮なおどろきでもあった。とにかくこの音楽的なリズム感といい自在な発想で際限なくパラドックスの世界に突入すると、ますますその滑稽さが浮き彫りにされ嬉しくなってくるのだ。読んでいて笑えてくるほどに楽しいのである。
百鬼園先生(内田百けん)のこだわりも相当なものだが、町田康は増殖するように次々と展開されどこまでもどこまでも徹底してズレていくから凄いのである。。
次は『くっすん大黒』を読むことに決めているけど、噂にたがわず最高レベルでおもしろいと思った。
「笑いとは瞬間的な優越感である」と定義づけた人があるけれど、このパラドクシカルな展開は日常とのズレを生み、笑いを誘う。それも裕福な家庭にありながら放蕩のすべてを備えたように浪費家で夢見がちな絵描きの「俺」の趣味はランパブ通い。高校を中途でやめてランパブで出会った女・サトエと結婚するが労働が大嫌いで当然のことのように金に困るという設定。
自分より劣る絵なのに認められ成功しそのうえ自分の好きだった女・新田富子と結婚している同級生の吉原に金を借りに行く羽目になる。
ここで持ち前のパラドックスが炸裂。思いがけないきれぎれのエピソードがフル回転となるのである。この一文だけで充分イメージしていただけると思います。
…俺はおまえの恵んだ金で絵具を買い、傑作をものにしておまえのいまの地位を脅かすのだ。そうなるとおまえの自慢の美人妻はもともとが計算高い女だけにおまえを見限るよ。わはは。その後、誰の元に走るのかは云わぬが花でしょう。これをみたか。これが俺の悪意だ。光にぬめる鎌草の復讐。鎌草少将の智謀によって吉原は結果的に終わるのである。(p100)
アドリブ演奏のように自らをおとしめ「現実がなんだ、現実とは…」と問うように自分の日常を異化するのだ。だから、必然として“笑い”を生じるのかもしれない。
これは病み付きになりそうな不思議で稀有な名作と云っていい。
偶然にもこれが芥川賞受賞作だったということも分かって納得。こんな文体は今まで接したこともないし、それは新鮮なおどろきでもあった。とにかくこの音楽的なリズム感といい自在な発想で際限なくパラドックスの世界に突入すると、ますますその滑稽さが浮き彫りにされ嬉しくなってくるのだ。読んでいて笑えてくるほどに楽しいのである。
百鬼園先生(内田百けん)のこだわりも相当なものだが、町田康は増殖するように次々と展開されどこまでもどこまでも徹底してズレていくから凄いのである。。
次は『くっすん大黒』を読むことに決めているけど、噂にたがわず最高レベルでおもしろいと思った。
「笑いとは瞬間的な優越感である」と定義づけた人があるけれど、このパラドクシカルな展開は日常とのズレを生み、笑いを誘う。それも裕福な家庭にありながら放蕩のすべてを備えたように浪費家で夢見がちな絵描きの「俺」の趣味はランパブ通い。高校を中途でやめてランパブで出会った女・サトエと結婚するが労働が大嫌いで当然のことのように金に困るという設定。
自分より劣る絵なのに認められ成功しそのうえ自分の好きだった女・新田富子と結婚している同級生の吉原に金を借りに行く羽目になる。
ここで持ち前のパラドックスが炸裂。思いがけないきれぎれのエピソードがフル回転となるのである。この一文だけで充分イメージしていただけると思います。
…俺はおまえの恵んだ金で絵具を買い、傑作をものにしておまえのいまの地位を脅かすのだ。そうなるとおまえの自慢の美人妻はもともとが計算高い女だけにおまえを見限るよ。わはは。その後、誰の元に走るのかは云わぬが花でしょう。これをみたか。これが俺の悪意だ。光にぬめる鎌草の復讐。鎌草少将の智謀によって吉原は結果的に終わるのである。(p100)
アドリブ演奏のように自らをおとしめ「現実がなんだ、現実とは…」と問うように自分の日常を異化するのだ。だから、必然として“笑い”を生じるのかもしれない。
これは病み付きになりそうな不思議で稀有な名作と云っていい。
2018年4月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
えっとぉ••• 何でしょうか。あまりの意味不明さ、理解できなさに、私、頭がおかしくなったんじゃなかろうかと思い、そうか、私寝不足だ! と思って本を閉じ、よく眠った爽やかな午後にもう一度読み始めて、••• ん? ん? 数ページ読み始めてから、ん? ん? んんんんんん???? もう一度最初に戻って、町田康を勧めてくれた友人に、すみません、全く理解できんのですが! と、助けを求めたところ、【 きれぎれは正に幻覚なのか妄想なのか現実なのか、その境が曖昧で読んでいてかなり混乱する小説ですね。芥川賞受賞作ですが、町田康の小説の中でもかなり読みにくい部類だと思いますw 併録の人生の聖の方がまだ物語は追いやすいかな。小さな物語の連作ですし 町田康には色んなタイプの小説があるので、合わなかったら次に行っちゃってもいいと思いますよw 天才というか、天才なんでしょうけど、同じことしたくないんでしょうねえ…】 と教えて貰い、そうか、そういうことか! と思って、理解しようとしない、という姿勢で観念して読んだら、読んでる最中にクスっと笑えたり、主人公がライバルにお金を借りに行くのに必死に自分の気持ちを誤魔化し、偽ってる心情だったり、自然と共感もできたりして、いつの間にやら読み終えてました。
ピカソのゲルニカだな。何の説明も無しにいきなりこんな調子で始まる小説、ありなんですか! ありなんだなぁ はぁ、驚いた。
ピカソのゲルニカだな。何の説明も無しにいきなりこんな調子で始まる小説、ありなんですか! ありなんだなぁ はぁ、驚いた。
2013年5月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
はっきりいってどこまでが現実でどこからが空想なのかその境目が自分にはよくわからなかったし
読みにくいし読んでいても面白みにかけた
解説者は「洒落」とか「粋」とか言うけれど
私にはとてもこの出鱈目な文章が実は予定調和で文学とはとても理解できない
そもそもこんな文章は売れないだろう・・・・
読みにくいし読んでいても面白みにかけた
解説者は「洒落」とか「粋」とか言うけれど
私にはとてもこの出鱈目な文章が実は予定調和で文学とはとても理解できない
そもそもこんな文章は売れないだろう・・・・
2011年11月5日に日本でレビュー済み
表題作は放蕩息子っぽいプーが適当に生きていて、金策に走りながら、暴走したり踏みとどまったり、見合いでピンサロがよいが趣味ですといってしまうとか、そういうのが町田市特有の文体で書かれています。
結婚式で
「私は心の亀
孤独な心の亀
ヤクーツクの空
銀色の空の下
ツンドラに鶴が立っている」
みたいなシュールな歌がかかっているとか、微笑を誘うノリ。
金策に奔走するが友人はどいつもこいつもカネにこまってボロ屋に住んでいるなど頼りになりません。
イヤミな画家にカネをかりにいくと「君みたいのにはピッタリの仕事があるよ。海外青年協力隊で地雷撤去とか」
俺にカネを貸すなんて、わが策略にはまったり、お前なんかせいぜいが軍曹だ、俺は少尉だとか。
借金して買ってきた画材で、青空をベースに、腐った目を書くとか、デカダンふうです。
遺産はなくなり、「穴の前で振り返ると、青空。きれぎれになって腐敗していて」という、金欠でどうなるのかよくわからないオチなど。
帰りに暴漢か何かに襲われ、空港の職員に声をかけられる
てめえ、バカ野郎、てめえ乞食じゃねえか。泥棒じゃねえか。裸で。かっ、裸で泥まみれで。なにぬかしてやがるんだばかやろう。てめえみたいな乞食がグランドリッチホテルの客なわけねえだろっつうの。あんなホテル、俺だってとまれねえっつうの。
結婚式で
「私は心の亀
孤独な心の亀
ヤクーツクの空
銀色の空の下
ツンドラに鶴が立っている」
みたいなシュールな歌がかかっているとか、微笑を誘うノリ。
金策に奔走するが友人はどいつもこいつもカネにこまってボロ屋に住んでいるなど頼りになりません。
イヤミな画家にカネをかりにいくと「君みたいのにはピッタリの仕事があるよ。海外青年協力隊で地雷撤去とか」
俺にカネを貸すなんて、わが策略にはまったり、お前なんかせいぜいが軍曹だ、俺は少尉だとか。
借金して買ってきた画材で、青空をベースに、腐った目を書くとか、デカダンふうです。
遺産はなくなり、「穴の前で振り返ると、青空。きれぎれになって腐敗していて」という、金欠でどうなるのかよくわからないオチなど。
帰りに暴漢か何かに襲われ、空港の職員に声をかけられる
てめえ、バカ野郎、てめえ乞食じゃねえか。泥棒じゃねえか。裸で。かっ、裸で泥まみれで。なにぬかしてやがるんだばかやろう。てめえみたいな乞食がグランドリッチホテルの客なわけねえだろっつうの。あんなホテル、俺だってとまれねえっつうの。