週刊文春の2004年1月から2005年2月までのエッセイ集である。いつもながら大変興味深い洞察である。
男でも女でも「他人の目を行動ベースとするナルシシズム」と「自分の欲求を行動ベースとする自己保存欲求」は葛藤しあっているように思う。例えば有名企業に勤めて周囲の羨望を集めたいという人でも、実は他に自分のしたい事を通じて自分を解放して生きていきたいと葛藤しているかもしれない。ナルシシズムの人生というのは、他人が下す評価をベースに価値を高く見せようという人生であり、著者曰く「空っぽな人生」である。一方で、自分の道は自分で決めていくのが楽しいに決まっているが、先に述べたようにナルシシズムとの葛藤が起こることもある。
人は悩みながら生きていく。やはり最後まで新しいものを見つけて試行錯誤で挑戦し感動する人生がよい。道に迷っても良いではないか。結局人が人生に求めているのは他人が評価する「価値」ではなく、自分としての「意味」を見つけるということなのだから。
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さすらいの女王 (文春文庫 な 41-10) 文庫 – 2008/3/7
中村 うさぎ
(著)
豊胸手術でDカップに変身、「巨乳元年」を謳歌する女王様に突然癌の疑いが。その裏では港区滞納整理係の魔の手が忍び寄っていた
- 本の長さ215ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2008/3/7
- ISBN-104167658100
- ISBN-13978-4167658106
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2008/3/7)
- 発売日 : 2008/3/7
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 215ページ
- ISBN-10 : 4167658100
- ISBN-13 : 978-4167658106
- Amazon 売れ筋ランキング: - 568,694位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 6,931位文春文庫
- - 17,064位エッセー・随筆 (本)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2015年7月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2008年5月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中村うさぎさんのアンビリバボーな実生活を赤裸々に綴ったエッセイです。
自らのからだをはったネタのオンパレードです。
だから、本書をきちんと受け止めてあげなければいけないでしょう。
一世を風靡(ローカルに?)したあの「ショッピングの女王」をあらため、これより「さすらいの女王」を名乗るとのことです。
うさぎさん。。。自分で流れて、漂っていき、さすらった挙句、行き着くところはいったいどこなのでしょうか。
自らのからだをはったネタのオンパレードです。
だから、本書をきちんと受け止めてあげなければいけないでしょう。
一世を風靡(ローカルに?)したあの「ショッピングの女王」をあらため、これより「さすらいの女王」を名乗るとのことです。
うさぎさん。。。自分で流れて、漂っていき、さすらった挙句、行き着くところはいったいどこなのでしょうか。
2012年3月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
女王様が子宮筋腫にかかって
色々悩んだり、考えたり病院行ってきたり
いつもにくらべるとアンニュイな感じです
アドバイスをくれる雑誌の読者の声に
女王様が方針を変えるところが
ライブ感あっておもしろかった
色々悩んだり、考えたり病院行ってきたり
いつもにくらべるとアンニュイな感じです
アドバイスをくれる雑誌の読者の声に
女王様が方針を変えるところが
ライブ感あっておもしろかった
2009年1月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
他人の思想を本やテレビで見聞きして、あたかも世の中の全てがわかったような気になっている人が多い中で、彼女は自分で経験し、そしてその経験を(辛くても)逃げずに真っ向から見詰めて文章を書いています。
こう書くと「何を平凡な。物書きは全てそうだ!」とのお叱りを受けそうですが、この人は「世間の常識」と、ほぼ全ての人が頭から鵜呑みにしているような事ですら自分で改めて「これは本当に常識か?そしてこれは私にとっての常識だろうか?もしそうなら/そうでないなら それは何故だろうか。そして何故これが常識として流布しているのか」まで考えている人です。彼女ほど誠意のある作家は本当に珍しいと思います。この本を読んでいて、私も自分の至らなさ、また、世間に流されている自分の考えに深く恥じ入りました。
自分から決して目を逸らさずに(それも、自分が信じたい美しいうわつらの自分ではなく、真実の自分の醜さまで含めた全ての自分と)真摯に向い合っている彼女の作品、こちらも心して真摯に受け止めるべきだと思います。
今、信用できるのはこの人だけだと心の底から思う。
こう書くと「何を平凡な。物書きは全てそうだ!」とのお叱りを受けそうですが、この人は「世間の常識」と、ほぼ全ての人が頭から鵜呑みにしているような事ですら自分で改めて「これは本当に常識か?そしてこれは私にとっての常識だろうか?もしそうなら/そうでないなら それは何故だろうか。そして何故これが常識として流布しているのか」まで考えている人です。彼女ほど誠意のある作家は本当に珍しいと思います。この本を読んでいて、私も自分の至らなさ、また、世間に流されている自分の考えに深く恥じ入りました。
自分から決して目を逸らさずに(それも、自分が信じたい美しいうわつらの自分ではなく、真実の自分の醜さまで含めた全ての自分と)真摯に向い合っている彼女の作品、こちらも心して真摯に受け止めるべきだと思います。
今、信用できるのはこの人だけだと心の底から思う。
2008年11月18日に日本でレビュー済み
カレンカーペンター。
世界的なビッグスター。
誰もがその美声を耳にしたことがあるだろう。
人生の勝ち組、
大成功をおさめたように見える彼女だけど、
でも、拒食症で亡くなっている。
中村うさぎは言う。
カレンには常に、
悪夢の女がつきまとっていて
彼女の耳元でこうささやく。
「あんたはいつまでたっても
不全者だ。
いくらお金があっても
才能に恵まれてても、
女として母として愛され祝福されない女は
欠陥品なのだ」
カレンの夢は、
白いエプロンを着た
平凡で、幸福な主婦だったという。
夢ってね、
執着すればするほど、
悪夢に変わるのだ。
きっと誰もが、
不全感を抱きながら生きているのだろう。
特に女性はね、
性的価値
社会的価値
生殖的価値
これらのプライオリティが同等で、
どれが欠落しても
不全感を抱えてしまう、
と、中村うさぎは本書で
語っています。
さるきちも然り。
いつまでも魅力的な女でありたいし、
社会的に認められた自分でもありたい。
そして、母親にもなりたい。
でもすべてを勝ち得る女性って
いるのだろうか。
いないんじゃないの??
好き勝手に、自由奔放に生きている
ように見える中村うさぎだって、
自身をこう称す。
探し当てた「自分」はゴミだった
捨てられないゴミを抱えて、
私は今日も生きている
さるきちもゴミなのだと
いつになったら気づくのだろう。
この本は、
「ショッピングの女王」の第2段。
週刊文集の連載をまとめたもの。
巨乳元年で始まり、
子宮筋腫で子宮を取るかどうか、
悩んでいるココロの内や、
病院めぐりの様子が
いつものうさぎ節で語られています。
患者は医者を真剣に選ぶべきであるし、
納得の行くまで医師とコミュニケーションを取って、
自分の身体に一番いい方法を選択する義務がある
自分の身体に対する「義務」
責任と自負を持たねばならないのだ
結果的に背負うのは
自分の身体。
それは、整形や子宮切除手術に限らない。
さるきちのような
摂食障害だって、うつ病だって、
それを診てもらう医者を
選ぶのは自分であり、
自分の身体に対する義務は
果たさねばならないのね。
中村うさぎのエッセイには、
いつもいろんなコトを考えさせられる。
この本もその中の一冊。
世界的なビッグスター。
誰もがその美声を耳にしたことがあるだろう。
人生の勝ち組、
大成功をおさめたように見える彼女だけど、
でも、拒食症で亡くなっている。
中村うさぎは言う。
カレンには常に、
悪夢の女がつきまとっていて
彼女の耳元でこうささやく。
「あんたはいつまでたっても
不全者だ。
いくらお金があっても
才能に恵まれてても、
女として母として愛され祝福されない女は
欠陥品なのだ」
カレンの夢は、
白いエプロンを着た
平凡で、幸福な主婦だったという。
夢ってね、
執着すればするほど、
悪夢に変わるのだ。
きっと誰もが、
不全感を抱きながら生きているのだろう。
特に女性はね、
性的価値
社会的価値
生殖的価値
これらのプライオリティが同等で、
どれが欠落しても
不全感を抱えてしまう、
と、中村うさぎは本書で
語っています。
さるきちも然り。
いつまでも魅力的な女でありたいし、
社会的に認められた自分でもありたい。
そして、母親にもなりたい。
でもすべてを勝ち得る女性って
いるのだろうか。
いないんじゃないの??
好き勝手に、自由奔放に生きている
ように見える中村うさぎだって、
自身をこう称す。
探し当てた「自分」はゴミだった
捨てられないゴミを抱えて、
私は今日も生きている
さるきちもゴミなのだと
いつになったら気づくのだろう。
この本は、
「ショッピングの女王」の第2段。
週刊文集の連載をまとめたもの。
巨乳元年で始まり、
子宮筋腫で子宮を取るかどうか、
悩んでいるココロの内や、
病院めぐりの様子が
いつものうさぎ節で語られています。
患者は医者を真剣に選ぶべきであるし、
納得の行くまで医師とコミュニケーションを取って、
自分の身体に一番いい方法を選択する義務がある
自分の身体に対する「義務」
責任と自負を持たねばならないのだ
結果的に背負うのは
自分の身体。
それは、整形や子宮切除手術に限らない。
さるきちのような
摂食障害だって、うつ病だって、
それを診てもらう医者を
選ぶのは自分であり、
自分の身体に対する義務は
果たさねばならないのね。
中村うさぎのエッセイには、
いつもいろんなコトを考えさせられる。
この本もその中の一冊。
2008年6月15日に日本でレビュー済み
頭が良すぎるのだろう…。自分の欲求とか、駄目さとかについて分析することができてしまうから、冷静に「次」を追い求めてしまう。大変な生き方だと思います。
でも、頭が良いからこそ「自分にとってのいちばんの幸せ」を理解することができ、その上で腹をくくって整形や豊乳、浪費、恋愛…等々に自分の全てを注ぎ込むことができる。他人にどう言われようと関係ない。「かわいそうな人」みたいな感じで見られることが多い(私もこの本を読む前はそうだった)うさぎさんだが、本当は、とっても幸せな人なんだろうな。
でも、頭が良いからこそ「自分にとってのいちばんの幸せ」を理解することができ、その上で腹をくくって整形や豊乳、浪費、恋愛…等々に自分の全てを注ぎ込むことができる。他人にどう言われようと関係ない。「かわいそうな人」みたいな感じで見られることが多い(私もこの本を読む前はそうだった)うさぎさんだが、本当は、とっても幸せな人なんだろうな。
2007年9月8日に日本でレビュー済み
著者の人生観には、正直引き込まれるものがある。
私はこの本を哲学書として扱われるものではないかと
思います。
中村うさぎさんは、曽野綾子さんに続く存在なのでは?
と勝手に思っています。
私はこの本を哲学書として扱われるものではないかと
思います。
中村うさぎさんは、曽野綾子さんに続く存在なのでは?
と勝手に思っています。
2007年1月8日に日本でレビュー済み
豊胸手術をしてみたり、男に振られたり。はたまた癌疑惑。女王さまの生活に安らぎの日々はない。
週刊文春に連載されていたエッセイをあつめたもの。さて、どんな生活が待っているのか?
またまたやってくれますね。豊胸手術ですか。そのお年(失礼)で冒険ですね。
でも、私けっこう好きです。こういう冒険心というか諦めないところ。何冊も読んでいますが、作者のことは憎めないな〜って思います。でも、滞納して差し押さえのエピソードは「役所は死ねというのか?」とちょっと疑問に思ったり。それにしてもちょっと自分と通じる部分を見つけたような気がするな…。こんなに破天荒に生きられたらあるいは面白いかも。やってる本人はたまらないんだろうけど。
現実逃避にどうぞ。
週刊文春に連載されていたエッセイをあつめたもの。さて、どんな生活が待っているのか?
またまたやってくれますね。豊胸手術ですか。そのお年(失礼)で冒険ですね。
でも、私けっこう好きです。こういう冒険心というか諦めないところ。何冊も読んでいますが、作者のことは憎めないな〜って思います。でも、滞納して差し押さえのエピソードは「役所は死ねというのか?」とちょっと疑問に思ったり。それにしてもちょっと自分と通じる部分を見つけたような気がするな…。こんなに破天荒に生きられたらあるいは面白いかも。やってる本人はたまらないんだろうけど。
現実逃避にどうぞ。