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寄生虫館物語: 可愛く奇妙な虫たちの暮らし (文春文庫PLUS 40-3) 文庫 – 2001/2/1
亀谷 了
(著)
- 本の長さ238ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2001/2/1
- ISBN-104167660091
- ISBN-13978-4167660093
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2001/2/1)
- 発売日 : 2001/2/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 238ページ
- ISBN-10 : 4167660091
- ISBN-13 : 978-4167660093
- Amazon 売れ筋ランキング: - 50,721位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年2月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
寄生虫学というとぎょっとされたり、いきなり嫌われたりもあるのですが、この小さな生き物と毎日取り組んでこられた研究者たちの四方山話は、寄生虫学の歴史の軌跡そのものであるとともに、この生物の巧妙さ、ズボラさ、進化したのか退化したのか、うまい具合に他者の力を借りて子孫繁栄に精進する逞しさ・・・、読むほどに世界が広がります。疾病の原因究明に尽くされた人々の話は、教科書にも出てこなかったし、学問の深さを感じるには、必読かと思います。
2020年9月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大学医学部で微生物学の教育と研究をしている教員です。寄生虫は、近年の医師国家試験では出題が少なくなってきていることもある。そこで講義では、寄生虫学の魅力を伝えることによって、医学生の学習のモチベーションをあげるために、よい副読本を紹介している。体系立てて寄生虫が解説されているわけではないが、面白いエピソードが数ページで書かれてあり、通読するのも、興味のある章から読むのにも適している。イラストと明快な白黒写真が内容の理解を助け、興味をひきたてる。1994年の単行本と2001年の文庫本では内容が同じである。単行本の方が写真は大きいが鮮明さは両者に差がないので、どちらを購入してもよい。
本書を読む際に、一般の読者であれば「寄生虫ビジュアル図鑑(誠文堂新光社)」、医療関係者であれば「図説人体寄生虫学(南山堂)」を座右にして、これらの解説やカラー写真を見て本文と照らしあわせると、より理解が深まるので勧めたい。
ユニークな記述は以下。
第1章.“宿主に致命的な害を与えれば、寄生虫は自分の命を縮めるために寄生することになる。だから、基本的には寄生虫は宿主にけっして迷惑をしない。致命的な害を与える時は、本来、寄生すべきでない動物に寄生虫がいってしまった場合がほとんどであるp17-18.
“ ”サナダムシは一日に数センチメートル単位で大きくなるp21.“
第2章.“他家受精の方が生命力が強くなり、生物界でも力を持つ。サナダムシは、それぞれの節が精巣と卵巣を持ち、卵を産める能力があるのに、相手(自分の重なった部分同士)の節から精子をもらって、卵を産んでいくp62.
第3章.カマキリに寄生するハリガネムシp75. 巻末の「解説」では伊藤潤二が漫画入りでカマドウマに寄生するハリガネムシについて記載p237. サザエの寄生虫は綺麗なピンク色p80. 生物学上の分類では虫でなくても、寄生生活をしているのであれば、寄生虫とよぶp84. サワラの胃から採取されたヒルデティネラは綺麗な紫色p91. 条虫は沢山の節を持つのが特徴だが、ギロコチイレ・フィンブリアータGyrocotyle fimbriataはたったひとつの節しかもっていないp96。
第4章.シーラカンスの新寄生虫発見記p112. エラから新寄生虫ネオダクティロディクス・ラチメルスを発見p133.
第5章.サナダムシの幼虫のリグラはフナなどに寄生p146. 本書では、この寄生虫の形態がマカロニに似るため、海のマカロニMaccheroni di mareとして料理のメニューになっているp146.との記載があるが、私はこれをウェブ上では、日本からのひとつのソースからしか確認できなかった(真実かどうかは疑問)。 著者自らが、赤痢アメーバに似た非病原性のヨード・アメーバに寄生されたp148.
第6章.1974年に熊から旋毛虫が発見p184. イヌ回虫は胎盤感染する。母親の胎盤に幼虫がいて、生まれるときに体に入ってくる。終宿主のイヌには何も悪さをしないp186。イヌ糸状虫(フィラリア)の媒介者はヒトスジシマカ、アカイエカなどなので、野外で飼うイヌには感染を防ぐ方法はないp188.
第7章は寄生虫館の歴史。「寄生虫学の研究」の出版の時には、印刷会社の社長が、本来なら一億円はかかる仕事を一銭も払わずにやると言われて出版のスタートがきれたp216.
本書を読む際に、一般の読者であれば「寄生虫ビジュアル図鑑(誠文堂新光社)」、医療関係者であれば「図説人体寄生虫学(南山堂)」を座右にして、これらの解説やカラー写真を見て本文と照らしあわせると、より理解が深まるので勧めたい。
ユニークな記述は以下。
第1章.“宿主に致命的な害を与えれば、寄生虫は自分の命を縮めるために寄生することになる。だから、基本的には寄生虫は宿主にけっして迷惑をしない。致命的な害を与える時は、本来、寄生すべきでない動物に寄生虫がいってしまった場合がほとんどであるp17-18.
“ ”サナダムシは一日に数センチメートル単位で大きくなるp21.“
第2章.“他家受精の方が生命力が強くなり、生物界でも力を持つ。サナダムシは、それぞれの節が精巣と卵巣を持ち、卵を産める能力があるのに、相手(自分の重なった部分同士)の節から精子をもらって、卵を産んでいくp62.
第3章.カマキリに寄生するハリガネムシp75. 巻末の「解説」では伊藤潤二が漫画入りでカマドウマに寄生するハリガネムシについて記載p237. サザエの寄生虫は綺麗なピンク色p80. 生物学上の分類では虫でなくても、寄生生活をしているのであれば、寄生虫とよぶp84. サワラの胃から採取されたヒルデティネラは綺麗な紫色p91. 条虫は沢山の節を持つのが特徴だが、ギロコチイレ・フィンブリアータGyrocotyle fimbriataはたったひとつの節しかもっていないp96。
第4章.シーラカンスの新寄生虫発見記p112. エラから新寄生虫ネオダクティロディクス・ラチメルスを発見p133.
第5章.サナダムシの幼虫のリグラはフナなどに寄生p146. 本書では、この寄生虫の形態がマカロニに似るため、海のマカロニMaccheroni di mareとして料理のメニューになっているp146.との記載があるが、私はこれをウェブ上では、日本からのひとつのソースからしか確認できなかった(真実かどうかは疑問)。 著者自らが、赤痢アメーバに似た非病原性のヨード・アメーバに寄生されたp148.
第6章.1974年に熊から旋毛虫が発見p184. イヌ回虫は胎盤感染する。母親の胎盤に幼虫がいて、生まれるときに体に入ってくる。終宿主のイヌには何も悪さをしないp186。イヌ糸状虫(フィラリア)の媒介者はヒトスジシマカ、アカイエカなどなので、野外で飼うイヌには感染を防ぐ方法はないp188.
第7章は寄生虫館の歴史。「寄生虫学の研究」の出版の時には、印刷会社の社長が、本来なら一億円はかかる仕事を一銭も払わずにやると言われて出版のスタートがきれたp216.
2015年3月29日に日本でレビュー済み
今やデートスポットにもなった目黒寄生虫館を設立された故亀谷了先生による、寄生虫についての読み物です。
寄生虫とは何かということから始まり、色々な寄生虫や症例の紹介、寄生虫研究にまつわるエピソード、寄生虫館ができるまでの歩みなど、盛り沢山の内容となっています。
とにかく、どのような意味でも面白い本です。
寄生虫という題材そのものがまず面白い。グロテスクな姿、奇妙な生態。しかもそれを可愛いというちょっと変わった研究者達がいる。
寄生虫にまつわる医のドラマもあります。
「私が死んだら解剖して、この悲しい風土病の源をつきとめてほしい…」そうして明らかになった恐ろしい死病の謎。
人はいつも寄生虫と共存し、あるいは戦いながら生きてきました。寄生虫とほぼ無縁になった現代日本人にとって、この本は「本来傍らにいたモノ」を思い出させる気付け薬のようなものでもあります。
寄生虫とは何かということから始まり、色々な寄生虫や症例の紹介、寄生虫研究にまつわるエピソード、寄生虫館ができるまでの歩みなど、盛り沢山の内容となっています。
とにかく、どのような意味でも面白い本です。
寄生虫という題材そのものがまず面白い。グロテスクな姿、奇妙な生態。しかもそれを可愛いというちょっと変わった研究者達がいる。
寄生虫にまつわる医のドラマもあります。
「私が死んだら解剖して、この悲しい風土病の源をつきとめてほしい…」そうして明らかになった恐ろしい死病の謎。
人はいつも寄生虫と共存し、あるいは戦いながら生きてきました。寄生虫とほぼ無縁になった現代日本人にとって、この本は「本来傍らにいたモノ」を思い出させる気付け薬のようなものでもあります。
2015年1月12日に日本でレビュー済み
今では有名となった「目黒寄生虫館」を設立した著者の寄生虫のはなし。
本業は開業医ということを初めて知った。
いろいろ寄生虫に関する著書を読んできたが、
本書はひとつひとつの話題が短く、かつ豊富で大変読みやすい文章で述べられていて誠に名著。
最終「寄生虫館ができるまで」を読み、多くの人の支援で設立できたことがわかる。
これも著者の人徳によるものが大きいのだろう。
本業は開業医ということを初めて知った。
いろいろ寄生虫に関する著書を読んできたが、
本書はひとつひとつの話題が短く、かつ豊富で大変読みやすい文章で述べられていて誠に名著。
最終「寄生虫館ができるまで」を読み、多くの人の支援で設立できたことがわかる。
これも著者の人徳によるものが大きいのだろう。
2016年5月28日に日本でレビュー済み
内容が濃いのに読みやすく雑談のネタに最良。
本来怖い寄生虫の話なんだけど、あまりグロくないんで安心して読める。
本来怖い寄生虫の話なんだけど、あまりグロくないんで安心して読める。
2012年7月9日に日本でレビュー済み
寄生虫は本来の宿主に対しては原則的には生かさず殺さずであるようです。しかし、それ以外に迷入すると深刻な場合があり、わが国での代表例はエキノコックスです。肝臓や脳を破壊されるのだからたまりません。そこまで劇症でない寄生虫にではあるが、アユ、シラウオ、モクズガニ、イノシシなど食するときには調理が適切でないと一見火を通しているようでも感染の恐れがあります。また、ぺット経由で失明や胎児への悪影響の危険もあるようです。外国まで広げるとマラリヤ、フィラリア、糞線虫、赤痢アメーバ、顎口虫、旋毛虫など本来の宿主であるヒトに対して例外的に致命的な害を与えるものが多く、感染経路、症状を知れるので旅行の際予防、治療に便宜です。ここらあたりが本書の実用的な部分でしょうが、その他カマキリに寄生するハリガネムシなどいろいろおもしろい生態が紹介されています。イタリアではフナの腹腔に寄生する条虫の幼虫を食用とし、わが国の高名な学者はウシの胃袋に寄生する吸虫を佃煮にして賞味(記憶に残るほど美味)したらしく最凶はやはりヒトか。最終章では著者の目黒寄生虫館建設のいきさつが述べられていてすさまじい情熱にうたれます。大方は無理解なわけですが、ホンモノには共鳴する方もでてきて現在の館の内外があるとわかります。HPを見ると著者の意向をうけついでか現在も入場無料のようです。
2014年2月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
寄生虫館の裏話として、大変おもしろく読めました。
半分は著者の自伝のようなものですので、もっとくわしい寄生虫のエピソードを期待する方にはまだものたりないかもしれません。
半分は著者の自伝のようなものですので、もっとくわしい寄生虫のエピソードを期待する方にはまだものたりないかもしれません。
2007年1月3日に日本でレビュー済み
目黒の寄生虫館に行ってみたいなと思いつつ数年が経過し、
この本を見つけ、まずは読んでみようと手にとりました。
背筋が涼しくなるような不気味な写真や記述もありますが、
読み進めるにつれ、先入観として持っていた寄生虫に対する
嫌悪感が薄れ、やがてちょっとカワイイかも、なんて思い
はじめました。
著者の寄生虫に対する並々ならぬ愛情、情熱、夢を感じる
ことができます。
またそれが周りの人を惹きつけ、いまの寄生虫館があるの
だということを知り、寄生虫云々以外にも得るものが多く
ありました。
ぜひ目黒にも足を運んでみたいと思います。
この本を見つけ、まずは読んでみようと手にとりました。
背筋が涼しくなるような不気味な写真や記述もありますが、
読み進めるにつれ、先入観として持っていた寄生虫に対する
嫌悪感が薄れ、やがてちょっとカワイイかも、なんて思い
はじめました。
著者の寄生虫に対する並々ならぬ愛情、情熱、夢を感じる
ことができます。
またそれが周りの人を惹きつけ、いまの寄生虫館があるの
だということを知り、寄生虫云々以外にも得るものが多く
ありました。
ぜひ目黒にも足を運んでみたいと思います。