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パトリック・ズュースキント

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ある人殺しの物語香水 (文春文庫シ 16-1) 文庫 – 2003/6/10

パトリックジュースキント (著), Patrick S¨uskind (原名), 池内紀 (翻訳)

4.2 120個の評価

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奇想天外! 「鼻男」の一代記
あらゆる匂いをかぎわけ、彼ひとり匂わない。
至高の香りを求めて、異能の男の物語がはじまる──。
18世紀のパリ。孤児のグルヌイユは生まれながらに図抜けた嗅覚を与えられていた。真の闇夜でさえ匂いで自在に歩きまわることができるほどの嗅覚──。異才はやがて香水調合師として、あらゆる人を陶然とさせていく。さらなる芳香を求めた男は、ある日、処女の体臭に我を忘れる。この匂いをわがものに……欲望のほむらが燃えあがり、彼は、馥郁たる芳香を放つ少女を求めて次々に殺人を犯す。稀代の“匂いの魔術師"をめぐる大奇譚。
2007年公開の映画『パフュームある人殺しの物語』(出演:ベン・ウィショー、ダスティン・ホフマンほか)の原作

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本の長さ

351ページ
言語

日本語
出版社

文藝春秋
発売日

2003/6/10
ISBN-10

4167661381
ISBN-13

978-4167661380
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登録情報

出版社 ‏ : ‎ 文藝春秋 (2003/6/10)
発売日 ‏ : ‎ 2003/6/10
言語 ‏ : ‎ 日本語
文庫 ‏ : ‎ 351ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4167661381
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4167661380

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パトリック・ズュースキント

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zzz

本から香りが漂う

2023年8月25日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

言葉だけで香りをここまで表現できることに驚きです。
あらすじだけ読むと荒唐無稽な感じがしますが、香りで本能が突き動かされ、一線を超えて狂って行く様子が異様な説得力で描かれています。
誌面から香りが漂ってくるような、想像力を刺激される作品でした。

3人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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チェリナ

着想にびっくり！

2022年10月2日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

「香り」をめぐる小説ですが、こんな物語思い着くことが凄すぎ。驚きです。

3人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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ひです

奇妙で面白い話 (ややネタバレあり)

2021年11月13日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

これは面白い話ですね。
読んでいる間は、グルヌイユの人生のロードムービーを見ているような感覚です。

普通は殺人を犯す主人公には共感できないものですが、この主人公は境遇もさることながら、人として大事なものが欠け落ちていて、それ故に純粋さが際立つことで共感できる、というギリギリの表現が素晴らしい。むしろグルヌイユを利用するまわりの人物がひどい目に合うと溜飲が下がる、という始末w

淡々とした話の流れが寓話的(バルディーニの最後とか)になっている点も、時代背景とマッチしていて上手いなぁと思いました。主人公の能力が、話の展開における骨子ではあるのですが、出てくる登場人物が醜悪というより滑稽でいい味わいになっています。

多分この作家の最高傑作でしょう。それほど唯一無二感のある作品です。

4人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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sin

決定的なアイデンティティの喪失に絶望し自滅する。

2020年3月14日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

生き物なら当然の利己的な心情を別にして人としての感情を持たない主人公はそれゆえに無垢でかつ冷酷である。比類なき人物像、野生動物が人間の器に移し替えられたと言っても良いであろう。彼は富や権力や名声を欲する事なく、揺るぎなく“匂い”を求める。しかし、己自身が臭いを持たないというその決定的なアイデンティティの喪失に絶望し自滅する。

2021年6月26日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

面白い

2018年4月7日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

奇異な感覚にとらわれる作品ですが、面白く読めました。
匂いに関する小説はそもそも少ないのですが、それを題材にした作者の力量の高さを感じました。
ヨーロッパでの高い評価があるのもうなづけます。

2人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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Afterdawn

香り高き聖人（人殺し）伝説

2019年6月23日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

30年前、本書が評判になったとき、読みたいと思ったのだが、なぜかスルーしてしまっていた。今回、初めて読むことになった。

非常によくできていて面白く、一気に読めた。
しかし、特別に変わった物語とは思わなかった。
匂いに取り憑かれた男が求める究極の香りが処女のものであるというのは、予想される展開であり、アイデアとしてはむしろ陳腐だ。殺人を重ねて処女の香りのコレクションを蓄積し、最後の仕上げにとっておきの美少女の香りをそこに加える。異常なこととはいえ、予想通りの必然の過程をたどる。

主人公グルヌイユの物語は、聖人伝のパターンに沿っている。彼は十八世紀フランスに出現したキリストなのだ。処女（？）懐胎で生まれ（母親はもちろん処女ではなく、すでに何人も嬰児殺しをしているのだが、父親は不明なまま）、調香師の下で修行を積み、荒野（プロン・デュ・カンタル山）での七年間に及ぶ孤独な試練（七年というのはヨーロッパのギルド制で標準的な徒弟奉公期間である）を経て、最後は十字架にかけられる（かけられそうになる）。
汚穢（悪臭）に満ちたこの世に現れた救世主か。
しかし、グルヌイユには使命感など皆無だ。人間への興味なんてまるでない。処女は香水の材料としか思っていないから、無垢な少女たちを次々に手にかけることに、なんの良心のとがめも感じない。そもそも良心とか道徳とかとは無縁だ。だが、彼は、悪魔でも天使でもないけれど、聖別されていることだけは確かだ。超人的な嗅覚を備えた彼なのに、自分自身には匂いがないのである。
十字架上ではないが、彼の死はある種の殉教である。ロバート・Ａ・ハインライン『異星の客』のヴァレンタイン・マイケル＝スミスの場合と同じだ。彼は善悪を越えたもの、というよりも、人間界の彼岸へと昇華する。全ての香水がいずれははかなく消えていくように、彼自身も消えていく。後には何も残らない。

17人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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みー

世界観に浸れる

2020年4月15日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

おどろおどろしい内容ながら、不思議とその世界観にすぅーっと入っていけて、これぞ物語を読む醍醐味だな、と思いながら読みました。
サクサク読めるのですが最後まで読み切るのがもったいなくて、ゆっくり読んだほど。
ラストは予想できない展開で最後まで裏切らない世界観に、映画も見てみたくなりました。
この本を読んでから好きな香水を毎日つけています。

5人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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