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新装版 世に棲む日日 (2) (文春文庫) (文春文庫 し 1-106) 文庫 – 2003/3/10
司馬 遼太郎
(著)
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『新装版 世に棲む日日 1-4巻 セット』 こちらをチェック
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幕末、長州藩は突如、倒幕へと暴走した。その原点に立つ吉田松陰と弟子高杉晋作を中心に、変革期の人物群を鮮やかに描き出す長篇
- 本の長さ311ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2003/3/10
- ISBN-104167663074
- ISBN-13978-4167663070
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2003/3/10)
- 発売日 : 2003/3/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 311ページ
- ISBN-10 : 4167663074
- ISBN-13 : 978-4167663070
- Amazon 売れ筋ランキング: - 31,349位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 155位歴史・時代小説 (本)
- - 676位文春文庫
- - 782位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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1923年大阪市生まれ。大阪外国語学校蒙古語部卒。「ペルシャの幻術師」で講談倶楽部賞、『梟の城』で直木賞を受賞。『竜馬がゆく』『国盗り物語』『坂 の上の雲』『空海の風景』『翔ぶが如く』など構想の雄大さ、自在で明晰な視座による作品を多数発表。この他『街道をゆく』『風塵抄』『この国のかたち』な どの紀行、エッセイも多数。’96年逝去(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 司馬遼太郎と寺社を歩く (ISBN-13: 978-4334747213)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
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2021年9月17日に日本でレビュー済み
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司馬遼太郎の学校観が面白かった。高杉晋作に関してだが,今でも学校について考える時に参考になる考え方である。「本来,学校というのは,平均的な青年にとって十分な意味を持っている。もともと教育という公設機関は,少年や青年という平均像を---あくまでもそれをーーー基準とし,一定の家庭を強制することによって,彼らの平均的成長を期待しうるものとして,その想定のもとに,設置され,運営されている。自然,平均的な学生の成長にとっては,学校ほど,ーーーどのような学校にせよーーー有意義な存在はないかもしれないが,精神と智能の活動の以上に活発すぎる青年ーーー天才と言っていいーーーにとっては,この平均化された教授内容や教育的雰囲気というものほど,多くの場合,有害なものはないかもしれない」。
2019年3月1日に日本でレビュー済み
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海外渡航が失敗に終わり、罪に問われた吉田松陰。郷里の松本村に追いやられ、松下村塾を開く。
安政の大獄により物語序盤で死罪になってしまう松蔭に代わって、松蔭の弟子である高杉晋作が"革命"の志を明らかにしていく。
高杉晋作が上海への洋行を終え、日本革命の大戦略を描くところが非常に面白い。
「攘夷というこの狂気をもって国民的元気を盛りあげ、沸騰させ、それをもって大名を連合させ、その勢いで幕府を倒す」
「長州一藩をほろぼすことによって日本革命を樹立し、死中に活を得よう」
「侵入軍と戦い、山は燃え、野は焦土になり、流民があちこちに発生し、それとともに既成の秩序はまったくこわれ、幕府もなにもあったものでなくなるとき、その攘夷戦争をやってゆく民族的元気のなかから統一がうまれ、新国家が誕生する」
また、司馬遼太郎の革命の初期・中期・後期の説明が実にわかりやすかった。
「松陰は革命のなにものかを知っていたにちがいない。革命の初動期は詩人的な予言者があらわれ、「偏癖」の言動をとって世から追いつめられ、かならず 非業 に死ぬ。松陰がそれにあたるであろう。革命の中期には卓抜な行動家があらわれ、奇策縦横の行動をもって雷電風雨のような行動をとる。高杉晋作、坂本竜馬らがそれに相当し、この危険な事業家もまた多くは死ぬ。それらの果実を採って先駆者の理想を容赦なくすて、処理可能なかたちで革命の世をつくり、大いに栄達するのが、処理家たちのしごとである。伊藤博文がそれにあたる。松陰の松下村塾は世界史的な例からみてもきわめてまれなことに、その三種類の人間群をそなえることができた。」
安政の大獄により物語序盤で死罪になってしまう松蔭に代わって、松蔭の弟子である高杉晋作が"革命"の志を明らかにしていく。
高杉晋作が上海への洋行を終え、日本革命の大戦略を描くところが非常に面白い。
「攘夷というこの狂気をもって国民的元気を盛りあげ、沸騰させ、それをもって大名を連合させ、その勢いで幕府を倒す」
「長州一藩をほろぼすことによって日本革命を樹立し、死中に活を得よう」
「侵入軍と戦い、山は燃え、野は焦土になり、流民があちこちに発生し、それとともに既成の秩序はまったくこわれ、幕府もなにもあったものでなくなるとき、その攘夷戦争をやってゆく民族的元気のなかから統一がうまれ、新国家が誕生する」
また、司馬遼太郎の革命の初期・中期・後期の説明が実にわかりやすかった。
「松陰は革命のなにものかを知っていたにちがいない。革命の初動期は詩人的な予言者があらわれ、「偏癖」の言動をとって世から追いつめられ、かならず 非業 に死ぬ。松陰がそれにあたるであろう。革命の中期には卓抜な行動家があらわれ、奇策縦横の行動をもって雷電風雨のような行動をとる。高杉晋作、坂本竜馬らがそれに相当し、この危険な事業家もまた多くは死ぬ。それらの果実を採って先駆者の理想を容赦なくすて、処理可能なかたちで革命の世をつくり、大いに栄達するのが、処理家たちのしごとである。伊藤博文がそれにあたる。松陰の松下村塾は世界史的な例からみてもきわめてまれなことに、その三種類の人間群をそなえることができた。」
2015年9月16日に日本でレビュー済み
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家柄の良い高杉晋作は何を自分がやりたいのかよくわからなかった。
学問や学校など面白くなかった。ただ、この海の底のようにしずかな萩の町で、
川むこうの松下村塾だけが、日本や世界の像をあきらかにする照明の光源の
ように思われ、松陰のことをなにやらおもしろそうな男と感じた。
松陰の弟子になった高杉だが、革命の志士としては(つまり松陰の思想の
後継者としては)松陰は高杉にはあまり期待していなかった。むしろ、
久坂玄瑞に期待した。高杉のその後の活躍が、
「動けば雷電のごとく、発すれば風雨のごとし」(伊藤博文)
といわれた革命の大親玉になろうとは、さすがの松陰も予想できなかった。
松陰は高杉に俗論との調和を説き、長州藩のなかで順当に出世する道を
指ししめした。だが、上海で西欧列強の強さと傍若無人ぶりに実際に
触れることで、高杉は革命にめざめていくのである。
学問や学校など面白くなかった。ただ、この海の底のようにしずかな萩の町で、
川むこうの松下村塾だけが、日本や世界の像をあきらかにする照明の光源の
ように思われ、松陰のことをなにやらおもしろそうな男と感じた。
松陰の弟子になった高杉だが、革命の志士としては(つまり松陰の思想の
後継者としては)松陰は高杉にはあまり期待していなかった。むしろ、
久坂玄瑞に期待した。高杉のその後の活躍が、
「動けば雷電のごとく、発すれば風雨のごとし」(伊藤博文)
といわれた革命の大親玉になろうとは、さすがの松陰も予想できなかった。
松陰は高杉に俗論との調和を説き、長州藩のなかで順当に出世する道を
指ししめした。だが、上海で西欧列強の強さと傍若無人ぶりに実際に
触れることで、高杉は革命にめざめていくのである。
2015年7月18日に日本でレビュー済み
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吉田松陰 高杉晋作という同郷の英雄(私は松本村出身)についてさらに深く知りえた。
人生後半への教訓も得た、司馬遼太郎先生も英雄と称したい。
人生後半への教訓も得た、司馬遼太郎先生も英雄と称したい。
2017年9月19日に日本でレビュー済み
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高杉晋作が動き出す第二巻。
ここから一気に革命家高杉が主役となり物語が進んで行くはず。
幕末が大きく動き出す予兆が込められている。
ここから一気に革命家高杉が主役となり物語が進んで行くはず。
幕末が大きく動き出す予兆が込められている。
2010年8月26日に日本でレビュー済み
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吉田松陰と高杉晋作。
吉田松陰の不思議な人格はどうやって形成されたのか。なぜ松下村塾で維新の志士が集ったのか。
同じ松下村塾でも、高杉晋作と久坂玄瑞はどうして違ったのか。
どのようにして高杉晋作は上海に行き、倒幕を決意したのか。単なる攘夷家だったのか。
もって生まれた性格と育てられた環境と。
「おもしろきこともなき世をおもしろく」
絶えずそういう意識もあったのでしょうか。
吉田松陰の不思議な人格はどうやって形成されたのか。なぜ松下村塾で維新の志士が集ったのか。
同じ松下村塾でも、高杉晋作と久坂玄瑞はどうして違ったのか。
どのようにして高杉晋作は上海に行き、倒幕を決意したのか。単なる攘夷家だったのか。
もって生まれた性格と育てられた環境と。
「おもしろきこともなき世をおもしろく」
絶えずそういう意識もあったのでしょうか。
2015年2月19日に日本でレビュー済み
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長州が明治維新立役者となったが,その精神的礎を築いた革命家が吉田松陰であるとの話しが始めてわかった.
この革命的思想があってこそ始めて長州の志士たちが活動できたのである.この本の中に書かれているが,最初の革命的礎を作る人物は,
初期に死をとけとの後継者が実際の革命を起し古い世界を破壊し,実務家が新しい世界を作り上げる.この3者の連携によれ世界は生まれ変わっていく.
下手に壊す役割の革命家が革命後も生き残ると悲劇が起こる.その例は,西郷隆盛である.
この革命的思想があってこそ始めて長州の志士たちが活動できたのである.この本の中に書かれているが,最初の革命的礎を作る人物は,
初期に死をとけとの後継者が実際の革命を起し古い世界を破壊し,実務家が新しい世界を作り上げる.この3者の連携によれ世界は生まれ変わっていく.
下手に壊す役割の革命家が革命後も生き残ると悲劇が起こる.その例は,西郷隆盛である.