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ガセネッタ&シモネッタ (文春文庫 よ 21-1) 文庫 – 2003/6/10
- 本の長さ315ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2003/6/10
- ISBN-104167671018
- ISBN-13978-4167671013
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2003/6/10)
- 発売日 : 2003/6/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 315ページ
- ISBN-10 : 4167671018
- ISBN-13 : 978-4167671013
- Amazon 売れ筋ランキング: - 251,719位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 3,400位文春文庫
- - 7,956位エッセー・随筆 (本)
- - 17,611位語学・辞事典・年鑑 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
1950年生まれ。元ロシア語会議通訳、作家。
59~64年、在プラハ・ソビエト学校に学ぶ。東京外国語大学ロシア語学科卒業、東京大学大学院露語露文学修士課程修了。80年設立のロシア語通訳協会の初代事務局長を務め、95~97年、03~06年会長。92年、報道の速報性に貢献したとして、日本女性放送者懇談会賞を受賞した。著書『不実な美女か貞淑な醜女か』(徳間書店、新潮文庫)で読売文学賞、『魔女の1ダース』(読売新聞社、新潮文庫)で講談社エッセイ賞、『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(角川書店、角川文庫)で大宅壮一ノンフィクション賞、『オリガ・モリソヴナの反語法』(集英社、集英社文庫)でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。2006年5月、逝去
(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 終生ヒトのオスは飼わず (ISBN-13: 978-4167671051 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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「『中庸』とか『中道』と言うと、まず何はさておき、『極論を排し』と思われがちだが、本来は、むしろ極限の偏りをことごとく取り込んだ過酷にして懐の深いスケールの大きいものではないだろうか。それが、『中途半端』との本質的な違いだと思う・・。」
ある政治家が立場を明確にしない中途半端な発言を、自ら「中庸」「中道」という言葉を用いてプラス・イメージに我田引水しているのを評してのコメント。素晴らしい。中道(中庸)というと仏教が説く悟りの概念としても知られるが、単に偏らないということではなく、本来こういうことではないだろうか。
ところで、米原女史は「1日に7冊本を読む」とどこかで発言していた記憶がある。もちろん毎日ではないだろうが。この本の中でも「最近は通訳以外にも原稿執筆の仕事が増えて月に20冊くらいしか本を読めなくなった」と嘆じている。いやはや。「時間が無い」と口にすることは何事に於いても単なる言い訳だと深く恥じ入る次第。
(ガセネッタさんとシモネッタさんによると)
・・あ~ら、米原さんて、最近はもっぱら通訳業の産業廃棄物を
チョコチョコっとリサイクルして出版部門に流し、甘い汁を
吸っているっていう評判だわよ。・・
つまり同時通訳という特殊職業のこぼれ話を書いた痛快エッセー群。面白い。
はたから見ていると、同時通訳ってシンドイ仕事だと思うんだけど、
米倉万里によると、通訳の仕事には喜劇の条件が全部揃っていて抱腹絶倒の
エピソードにことかかないらしい。時間はタイトだし、テーマはくるくると
目まぐるしく変わるし、登場人物(話し手、聴き手、通訳者)は真剣そのもので
役を演じているし、異なる文化を背景にさまざまな意見や立場が絶えず火花を
散らして、素っ頓狂な耳目を疑うような話がゴロゴロしている。
この本ではとりわけ下ネタやダジャレが頻発するが、そのなかに米原万里
ではのするどい考察がキラッと光る。
一例をあげれば、米原は日本の漢字かな交じり文を使えば同じ内容を他の
欧米言語に比較して7倍のスピードで黙読理解できるらしい。私たちが学校で
長い時間をかけて苦労して覚えた漢字も、人生トータルで見るとおつりが
くるくらい実は役立っているのである。たしかに。
米原万里は、2006年に逝去。彼女の本を読むようになったのは、それからだった。
モテる作家は小説のページ数が少ない、と書いている。「戦争と平和」のトルストイも、「罪と罰」のドストエフスキーも、もてないブ男だったという。チェーホフやツルゲーネフは、(ツルゲーネフは殆ど読んでいないけど)美男だった。「黒衣の僧」を書いたチェーホフは、モテただろう。自分も16歳のときに新潮文庫本を読んだ。うなされた。
この本で初めて知ったのだが、野茂英雄投手はもともと無口だけど、ロサンゼルスタイムス紙によれば野茂が大リーグのオールスター戦でやたらと喋っていたのは、通訳が勝手に付け加えた部分が多いのだという。一般人にはわからない裏話がたくさん書かれていて、面白い本である。このレビューを見ればわかるけど、私は文章を書くのが下手だ。これを外国語に訳す人がいたら(いるわけないが)、その人は災難だと思う。
神西清の他に、自分は鼓直と池内紀を尊敬している。カフカ、ガルシアマルケス等の翻訳を今でも読んでいる。彼らと米原万里に共通するのは、日本語を書かせても上手いということだ。小中学生から本を読んでいても一向に日本語が上達しない私とは雲泥の差だ。ひたすら彼女ら彼らには敬意を示すしかない。
この本は性欲にまみれた十代の人間が読むといいと思う。十代の欲望にまみれた時期、読書の振りをして欲望を発散させていた人間は多いと思う。新型肺炎で自宅に居ないとならない時期、これを読んでみては。
なるほどなあ!と思わせられる場面が多いですねえ。
早速米原さんのほかの本も買って読み始めました!
創価学会礼賛路線を敬遠してこれまで手をつけなかった佐藤優氏の対談モノの中で触れられていて、初めて興味を持って読み始めた。
通訳者、翻訳者業界の楽屋オチが繰り返されるのはやや冗漫であり、「言葉の職人」としてのプライドが鼻につくところもあるにはあるが、彼女のシモネタの扱いはサッパリしており、技法として学ぶべきところがある。「嘘つきアーニャ」や「オリガ・モリソブナ」にこそ本領が発揮されており、優先して読んだ方がよいと思う。