仁木は永年勤めていた会社を早期退職し
念願だった探偵事務所を開く。
しかし、誰も探偵事務所を訪れるものはなく、
開所を知らせるビラをまいたところ
やってきたのは猫を抱えた美少女だった。
その少女は押しかけ助手となり、
これから起こる数々の(小さな、でも依頼人にとっては重大な)仕事を
こなしていく。
時には彼女の見事な推理と行動力で。
全7編からなる連作短編集ですが、
どの事件も殺人やら何やらと物騒なものではなく
(それが仁木には不満だったりもしますが)
日常に起こるちょっとした事件ばかり。
しかし、そこにはやはり人間の業が深く関係していて
悲しくもあり、切なくもあり、そして胸を痛めたり。
「最上階のアリス」に出てくる夫のことを思いやる妻の話が
一番胸にきます。
手放しで褒め称えることは出来ませんが、
良作だと思いますね。
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螺旋階段のアリス (文春文庫) (文春文庫 か 33-1) 文庫 – 2003/11/8
加納 朋子
(著)
早期退職後探偵事務所を開業した仁木と押しかけ助手の美少女安梨沙。人々の心模様を「アリス」のキャラクターに託した七つの物語
- 本の長さ304ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2003/11/8
- ISBN-104167673010
- ISBN-13978-4167673017
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2003/11/8)
- 発売日 : 2003/11/8
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 304ページ
- ISBN-10 : 4167673010
- ISBN-13 : 978-4167673017
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,081,442位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年5月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
加納朋子さんの作品はこれも含めて何作か拝見させて
いただいてますが、共通するのは総てに対して優しい心が
発見されると言うことです。
ミステリーというより、日常の身近に潜むほんの少しの闇、
ほんの少しの謎に焦点をあててゆき、最後にはほのぼのと
した清々しさに集約させる・・・
百聞は一見にしかず、この作品のレビューで購入を判断
しようとしてる方、胸の奥が少し暖かくなりたいのでしたら、
ぜひ一度読んでみて下さい。
いただいてますが、共通するのは総てに対して優しい心が
発見されると言うことです。
ミステリーというより、日常の身近に潜むほんの少しの闇、
ほんの少しの謎に焦点をあててゆき、最後にはほのぼのと
した清々しさに集約させる・・・
百聞は一見にしかず、この作品のレビューで購入を判断
しようとしてる方、胸の奥が少し暖かくなりたいのでしたら、
ぜひ一度読んでみて下さい。
2013年3月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
Bought this book via amazon, the pop up keeps showing up telling me "Before you go..." It is annoying I have to say
2010年4月1日に日本でレビュー済み
日常の謎系ミステリ連作短編集
脱サラ私立探偵・仁木と推し掛け美少女助手・安梨沙のコンビが活躍
タイトルが示す通り「不思議の国のアリス」をモチーフとしている
安梨沙は本当に存在するのか
幻想的に描きつつ、最終話でのこの着地は見事の一言につきる
脱サラ私立探偵・仁木と推し掛け美少女助手・安梨沙のコンビが活躍
タイトルが示す通り「不思議の国のアリス」をモチーフとしている
安梨沙は本当に存在するのか
幻想的に描きつつ、最終話でのこの着地は見事の一言につきる
2004年3月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
仁木は会社のリストラ策(転進退職者支援制度)に乗っかって、探偵事務所を「起業」した。
事務所に現れたのは猫を抱いた美少女、安梨沙。
人妻だという安梨沙はパートタイムで探偵助手をすると決めてしまった。
上質のクラシックなワンピースを身に着けた世慣れしていない美少女と、彼女に所長と呼ばれる脂抜きした50歳の中年男性の組み合わせは素敵。
(しかし、美少女は無垢すぎるし、おじさんは脂抜かれすぎである。)
取り扱う謎は、どれも、世知辛い世の中を切り取った謎ばかりが7つ。
どれもこれも現実的で悲しい真相があるから、童話のような設定とバランスが取れている。
肩の力を抜いて、飲み物でも飲みながら(やはり紅茶だろうな)、1篇ずつ読みたい本だ。
事務所に現れたのは猫を抱いた美少女、安梨沙。
人妻だという安梨沙はパートタイムで探偵助手をすると決めてしまった。
上質のクラシックなワンピースを身に着けた世慣れしていない美少女と、彼女に所長と呼ばれる脂抜きした50歳の中年男性の組み合わせは素敵。
(しかし、美少女は無垢すぎるし、おじさんは脂抜かれすぎである。)
取り扱う謎は、どれも、世知辛い世の中を切り取った謎ばかりが7つ。
どれもこれも現実的で悲しい真相があるから、童話のような設定とバランスが取れている。
肩の力を抜いて、飲み物でも飲みながら(やはり紅茶だろうな)、1篇ずつ読みたい本だ。
2006年11月8日に日本でレビュー済み
加納朋子さんの作品はデビュー作の「ななつのこ」から、こういった連作短編小説の形で発表された作品に良作が多いように感じられる。
「螺旋階段のアリス」は会社を辞め(正確には休職扱いだが)憧れの私立探偵になった中年のおじさんの元に、子猫を抱えたアリスならぬ安梨沙がやってきて二人でちょっとした(たまにちょっと大きめの)謎を解決していくお話。タイトルどおり「不思議の国のアリス」とその続編をモチーフにした台詞や設定が心地よいアクセントになっている。
一方でアリスにこだわりすぎたかなぁという感じもして、個人的には「ななつのこ」「魔法飛行」の方が連作短編ミステリとしては好きです。まぁ、この辺りは好みが分かれるところだと思いますが……
既に続編の「虹の家のアリス」が出版されているので近く読むつもり。
「螺旋階段のアリス」は会社を辞め(正確には休職扱いだが)憧れの私立探偵になった中年のおじさんの元に、子猫を抱えたアリスならぬ安梨沙がやってきて二人でちょっとした(たまにちょっと大きめの)謎を解決していくお話。タイトルどおり「不思議の国のアリス」とその続編をモチーフにした台詞や設定が心地よいアクセントになっている。
一方でアリスにこだわりすぎたかなぁという感じもして、個人的には「ななつのこ」「魔法飛行」の方が連作短編ミステリとしては好きです。まぁ、この辺りは好みが分かれるところだと思いますが……
既に続編の「虹の家のアリス」が出版されているので近く読むつもり。
2007年12月11日に日本でレビュー済み
題名のインパクトのみで買ってみたのであまり期待してませんでした。
しかし、これがなかなか面白い。
心にちょっと苦い後味が残ったり、ほんわかさせられたり。
この中で一番の話は「最上階のアリス」です。
「お使い」をさせる妻の秘密。
そして、最後には「知って」いながらも「お使い」をする夫が浮き彫りになる。
比喩なども効果的で良いです。
善と悪の境が一体どこなのか・・・考えさせられます。
しかし、最後の安梨紗の話はいただけない。
あれは見なかったことに・・・しよう・・・。
しかし、これがなかなか面白い。
心にちょっと苦い後味が残ったり、ほんわかさせられたり。
この中で一番の話は「最上階のアリス」です。
「お使い」をさせる妻の秘密。
そして、最後には「知って」いながらも「お使い」をする夫が浮き彫りになる。
比喩なども効果的で良いです。
善と悪の境が一体どこなのか・・・考えさせられます。
しかし、最後の安梨紗の話はいただけない。
あれは見なかったことに・・・しよう・・・。
2003年4月3日に日本でレビュー済み
主人公の仁木順平は、仕事をやめて私立探偵になり、事務所を構えたばかりの所。
チラシを配って3日目、事務所の前に市村安梨紗という美少女が現れ、
「パートならできるから探偵の助手にして欲しい」と、半ば強引に助手に納まってしまう
……という話です。
主人公の安梨紗は「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」が大好きらしく、
飼い猫の名前もダイナ、会話の中にも「アリス」の事が語られたりして楽しいです。
これも、日常の謎っていうか、殺人の起こらないミステリです。
全体的にほのぼのしてて、切ないお話もあるんですけど、文章が凄く優しい感じで、
柔らかい雰囲気のお話でした。
事務所所長の仁木さんも優しくていい人だし。
ミステリなのに和めるっていう、貴重な本です。
チラシを配って3日目、事務所の前に市村安梨紗という美少女が現れ、
「パートならできるから探偵の助手にして欲しい」と、半ば強引に助手に納まってしまう
……という話です。
主人公の安梨紗は「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」が大好きらしく、
飼い猫の名前もダイナ、会話の中にも「アリス」の事が語られたりして楽しいです。
これも、日常の謎っていうか、殺人の起こらないミステリです。
全体的にほのぼのしてて、切ないお話もあるんですけど、文章が凄く優しい感じで、
柔らかい雰囲気のお話でした。
事務所所長の仁木さんも優しくていい人だし。
ミステリなのに和めるっていう、貴重な本です。