この人のエネルギーは、この生い立ちや経験あってか、と、納得し、理解の進む本でした。
芸においても対人関係においても、
「厳しい、しつこい!!」
と途中から彼女に辟易してきたというのに、最後まで読めたのは、筆者のおかげです。
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杉村春子 女優として、女として (文春文庫) 文庫 – 2005/10/7
中丸 美繪
(著)
「女の一生」誕生秘話、2人の夫との結婚生活、文学座分裂の舞台裏など、新しく発見された事実で甦る名女優の波乱に満ちた生涯
- 本の長さ784ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2005/10/7
- ISBN-104167679701
- ISBN-13978-4167679705
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商品の説明
著者からのコメント
2005年秋、フジテレビ「女の一代記」シリーズで、女優米倉涼子によって、稀代の女優杉村春子が演じられた。
杉村はまだ女性の社会的立場が弱かった時代に、女優となり70年にわたって演じ続けた。彼女の生涯を書くにあたって、私は6年の歳月を要したが、彼女の知られざる前半生について証言してくれた人々は、単行本が文庫になったときには、多くが亡くなられていた。
単行本のために、取材に東奔西走していた頃が、生身の杉村を知る最後のチャンスだったのかもしれない。直接に杉村を知り、いっしょに演じた関係者と出会い、貴重な証言を得られた幸運を心底有難いと思う。
杉村の生涯は女優という「魔」にとりつかれた一生だった。
いまや日本の演劇界、映画界、芸能界はかつてのそれでなく、俳優たちの成り立ちも質も激変した。杉村は伝説の女優となっていくだろうが、そのときこの本が、稀有な女優の生きた道その時代の演劇界を伝える一助となればと考える。
杉村はまだ女性の社会的立場が弱かった時代に、女優となり70年にわたって演じ続けた。彼女の生涯を書くにあたって、私は6年の歳月を要したが、彼女の知られざる前半生について証言してくれた人々は、単行本が文庫になったときには、多くが亡くなられていた。
単行本のために、取材に東奔西走していた頃が、生身の杉村を知る最後のチャンスだったのかもしれない。直接に杉村を知り、いっしょに演じた関係者と出会い、貴重な証言を得られた幸運を心底有難いと思う。
杉村の生涯は女優という「魔」にとりつかれた一生だった。
いまや日本の演劇界、映画界、芸能界はかつてのそれでなく、俳優たちの成り立ちも質も激変した。杉村は伝説の女優となっていくだろうが、そのときこの本が、稀有な女優の生きた道その時代の演劇界を伝える一助となればと考える。
著者について
中丸美繪
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2005/10/7)
- 発売日 : 2005/10/7
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 784ページ
- ISBN-10 : 4167679701
- ISBN-13 : 978-4167679705
- Amazon 売れ筋ランキング: - 765,187位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 4,677位演劇 (本)
- - 8,246位文春文庫
- - 49,805位アート・建築・デザイン (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年11月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
突出した才能を持ち世間に認められた女優は、異常に近い生き方をしていることがわかる本。あんまり、心に残るようなエピソードはなかった、ように思った。
2008年2月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
杉村春子さんは、小津監督などの映画の名脇役として有名でした。
私はそういう映画の中での演技に魅せられ、杉村さんの舞台(ビデオです、舞台姿を生で観られなかったことが、痛恨の極みです;)に関心を持つようになりました。
杉村さんについて書かれた本、何冊も読みましたが、この本ほど、毀誉褒貶に至るまで綿密な取材をして、その一生が描かれているものは、これまで読んだことがありません。
死の床で、杉村さんが「私を降ろさないで」と懇願したとか。
どれほど舞台に立ちたかったことか〜
杉村さんの言葉「死んだらおしまい、おしまいよ」という言葉
最後の最後まで舞台に対する思いを抱いておられたんですね
実に立派な評伝です。
私はそういう映画の中での演技に魅せられ、杉村さんの舞台(ビデオです、舞台姿を生で観られなかったことが、痛恨の極みです;)に関心を持つようになりました。
杉村さんについて書かれた本、何冊も読みましたが、この本ほど、毀誉褒貶に至るまで綿密な取材をして、その一生が描かれているものは、これまで読んだことがありません。
死の床で、杉村さんが「私を降ろさないで」と懇願したとか。
どれほど舞台に立ちたかったことか〜
杉村さんの言葉「死んだらおしまい、おしまいよ」という言葉
最後の最後まで舞台に対する思いを抱いておられたんですね
実に立派な評伝です。
2010年2月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
テレビで見ていた杉村春子のイメージとはかなり違っていた。女としての女優としての凄愴とも言える生き方が描かれている。
文学座の分裂の模様なども当時の人の証言などが両方の側からあって良い。杉村春子自身についても、一つの方向からだけでなく、別の見方をする人の意見を載せているのが良い。ここまで書いていいのかと思ったところもある。
文学座の分裂の模様なども当時の人の証言などが両方の側からあって良い。杉村春子自身についても、一つの方向からだけでなく、別の見方をする人の意見を載せているのが良い。ここまで書いていいのかと思ったところもある。
2016年4月30日に日本でレビュー済み
最初は少しくどい感じがしました。調べたことを何でも書き込む傾向がある作家なのかと心配しましたが、第三章あたりから文章の流れがよくなって来ました。特に第五章の森本薫を取り上げた記述は誠に読ませます。その調査力には感服しました。おかげで「女の一生」の作者である森本薫という優れた戯曲作家のことがよく解りました。又、文学座分裂騒動の実情、そして三島由紀夫氏のからんだ「喜びの琴事件」の経緯も資料を基によく整理されており、興味をそそられ、一挙に読まされました。
加えて杉村春子という女優の気性の激しさを、様々な人との交わりの中で描いている筆遣いも見事です。ただ、惜しむらくは未だ新人で器量の面でも劣った無名の女優が、他の優秀な女優を押しのけてのし上がった経過がどうももう一つよくわからない。それに当時のライバルとも言えた大女優、水谷八重子と山田五十鈴との人間関係がどうだったのかも書いて欲しかったという気がします。しかし、女優を取り上げた評伝では稀に見る労作であるのは確かで、多くの人に読んで貰いたい一作です。
加えて杉村春子という女優の気性の激しさを、様々な人との交わりの中で描いている筆遣いも見事です。ただ、惜しむらくは未だ新人で器量の面でも劣った無名の女優が、他の優秀な女優を押しのけてのし上がった経過がどうももう一つよくわからない。それに当時のライバルとも言えた大女優、水谷八重子と山田五十鈴との人間関係がどうだったのかも書いて欲しかったという気がします。しかし、女優を取り上げた評伝では稀に見る労作であるのは確かで、多くの人に読んで貰いたい一作です。
2008年3月12日に日本でレビュー済み
以前、米倉涼子さんが演じる杉浦春子自伝のようなドラマをTVで見て、
杉浦さんに興味が沸いて読んだ。
女優としての浮き沈みと女としての恋愛遍歴についてなどが書かれている。
私とは真逆にあるタイプの女性だが、自己主張したいという点では同じなので、
気になったようだ。 それなりに興味を持って読めた。
杉浦さんに興味が沸いて読んだ。
女優としての浮き沈みと女としての恋愛遍歴についてなどが書かれている。
私とは真逆にあるタイプの女性だが、自己主張したいという点では同じなので、
気になったようだ。 それなりに興味を持って読めた。
2005年4月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
北村和夫、江守徹、坂東玉三郎、長岡輝子が、ドキッとする証言をしています。杉村春子のすべて、日本の演劇のすべてが詰まっている本です。遊郭に生きた女性の私生児としての出生の秘密、そして家出をして女優の道へ。戦争後のアメリカ人日系二世との恋。ハワイに生存していたこの男性への取材のところが、いい。森本薫の奥さんが生きていたとは。森本との出会いが杉村春子を女優にしていきます。彼女がこんな男殺しだったとは。女優のどろどろとした生き方。しかし、晩年には透明感が出た女優杉村。いまや女優らしい女優のいない時代。もう女優の味は、こういったノンフィクションで味わうしかない。小津映画はじめ、杉村の出演した映画をもっと見て、杉村の演技を味わってみようと思う。
2005年11月26日に日本でレビュー済み
映画や舞台で偉大な実績を残した大女優の一生を曝け出した一冊。
生前に出版された自伝はもちろん、親類や劇団関係者にも取材してあり、本書は杉村春子の「人」を知るには必読でしょう。とりわけ、スポットライトを浴びる事に全てを賭けた姿は壮絶です。才能と執念が溢れてきます。
それに加えて、私生活も凄い。戦争ですら、彼女が女である事を止められませんでした。それには毀誉褒貶があるでしょうが、人間の強さが出ていると思います。読むと元気になれます。
生前に出版された自伝はもちろん、親類や劇団関係者にも取材してあり、本書は杉村春子の「人」を知るには必読でしょう。とりわけ、スポットライトを浴びる事に全てを賭けた姿は壮絶です。才能と執念が溢れてきます。
それに加えて、私生活も凄い。戦争ですら、彼女が女である事を止められませんでした。それには毀誉褒貶があるでしょうが、人間の強さが出ていると思います。読むと元気になれます。