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日々是作文 (文春文庫 や 35-3) 文庫 – 2007/4/10
山本 文緒
(著)
離婚してお金もなかった31歳から直木賞受賞&再婚してしまった41歳まで。『プラナリア』『恋愛中毒』の作者の心に沁みるエッセイ集
- 本の長さ365ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2007/4/10
- ISBN-104167708035
- ISBN-13978-4167708030
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2007/4/10)
- 発売日 : 2007/4/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 365ページ
- ISBN-10 : 4167708035
- ISBN-13 : 978-4167708030
- Amazon 売れ筋ランキング: - 496,798位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 6,392位文春文庫
- - 15,210位エッセー・随筆 (本)
- - 49,328位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1962年神奈川県生まれ。OL生活を経て、人間関係の繊細なずれから生じる喪失、慈しみをテーマに作家活動を続け、現在に至る。『恋愛中毒』で第20回吉川英治文学新人賞を、『プラナリア』で第124回直木賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 再婚生活 私のうつ闘病日記 (ISBN-13: 978-4041970164)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年11月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
妻の依頼で購入しました。一気に読んでいました。
2006年12月31日に日本でレビュー済み
今となっては若い女性の誰もが羨む境遇に達した山本だが、その姿には林真理子のような明るさはない。「お金」「恋愛」「夫」「子供」と、素直に手を差し延べ、享受してきた林とは、あまりにも違う。
山本文緒は、なぜだか「前科者」のような態度で生きている。「恋愛中毒」では、実際に主人公を「前科者」にしたわけだが、彼女のエッセイからも、常に「前科者」の自己評価が感じられる。
「結婚願望」や「ファーストプライオリティー」のラストでも語られた前夫との結婚生活でも、「結婚してもらった」「どうあっても生活費を折半しなければ」「夫に迷惑をかけるから実家で執筆する」など、「あなたは、なにか負い目でもあるのですか?」と言いたくなる態度に終始していたようだ。山本に言わせれば、それは「結婚してもらった立場だから」なのであろうが、発想を変えれば「結婚したらこっちのもの」という考え方だってあるのだ。
おそらく山本文緒の特徴は「他人に要求できない」ことである。
「要求できるほどの自分じゃない」と思っているからだ。なにも悪さをしないうちから「負い目」を感じているみたいだ。
山本は、人生において「ゴネる」「ごまかす」「すねる」「甘える」「とぼける」などを使ったことがないだろう。そりゃあ、生きにくいはずだ。
でも、使ったっていいのだ。誰にでも使う権利がある。世の中にはコレの達人もいっぱい居る。
ラストで再婚したことを告白するが、私には、「初めて助手席で眠ってもいいといわれ」喜んでいる山本がちょっと心配である。そんなことで喜んでいてどうするのだ。相手が付け上がるぞ。他人の助手席なら眠らないのが礼儀だが、夫や恋人だからこそ、遠慮なく眠るのが当然ではないか。別居婚というのも、山本の例の腰が引けた性格を思わせてなお心配になる。
山本文緒は、なぜだか「前科者」のような態度で生きている。「恋愛中毒」では、実際に主人公を「前科者」にしたわけだが、彼女のエッセイからも、常に「前科者」の自己評価が感じられる。
「結婚願望」や「ファーストプライオリティー」のラストでも語られた前夫との結婚生活でも、「結婚してもらった」「どうあっても生活費を折半しなければ」「夫に迷惑をかけるから実家で執筆する」など、「あなたは、なにか負い目でもあるのですか?」と言いたくなる態度に終始していたようだ。山本に言わせれば、それは「結婚してもらった立場だから」なのであろうが、発想を変えれば「結婚したらこっちのもの」という考え方だってあるのだ。
おそらく山本文緒の特徴は「他人に要求できない」ことである。
「要求できるほどの自分じゃない」と思っているからだ。なにも悪さをしないうちから「負い目」を感じているみたいだ。
山本は、人生において「ゴネる」「ごまかす」「すねる」「甘える」「とぼける」などを使ったことがないだろう。そりゃあ、生きにくいはずだ。
でも、使ったっていいのだ。誰にでも使う権利がある。世の中にはコレの達人もいっぱい居る。
ラストで再婚したことを告白するが、私には、「初めて助手席で眠ってもいいといわれ」喜んでいる山本がちょっと心配である。そんなことで喜んでいてどうするのだ。相手が付け上がるぞ。他人の助手席なら眠らないのが礼儀だが、夫や恋人だからこそ、遠慮なく眠るのが当然ではないか。別居婚というのも、山本の例の腰が引けた性格を思わせてなお心配になる。
2022年2月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昨年亡くなられた山本文緒さんのエッセイ集です。初期の頃から直木賞を受賞する頃までかな。
2005年2月15日に日本でレビュー済み
軽いノリで手に取ったものの、読み終えるまで意外と時間がかかってしまいました。
多くのテーマがいろんな文体で書かれているためでしょうか。
中でも恋愛に関するものは鋭く、面白かったです。
多くのテーマがいろんな文体で書かれているためでしょうか。
中でも恋愛に関するものは鋭く、面白かったです。
2011年11月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
筆者の31歳から10年間、直木賞受賞までの76編のエッセイです。
そのなかで特に注目したのが「愛憎のイナズマ」の次の一節に筆者
の作家としての姿勢が感じられます。
「私は人間の心の動きを愛している。それを文字で表現し続けたい。
それが今一番欲していることだ。最後にまた素直じゃないことを書くが、
愛しているということは、憎んでもいるということだ。」
そのなかで特に注目したのが「愛憎のイナズマ」の次の一節に筆者
の作家としての姿勢が感じられます。
「私は人間の心の動きを愛している。それを文字で表現し続けたい。
それが今一番欲していることだ。最後にまた素直じゃないことを書くが、
愛しているということは、憎んでもいるということだ。」
2007年11月9日に日本でレビュー済み
ひとりひとりの人間のものごとにたいする温度差。
たまの智久さんが『ひまのつぶしかた』の中で「ぼくの中には、暇を潰そうなんて乱暴な発想はないみたいです。
レックラー夫人の言葉を借りれば、私に買わすほどラルフローレンは金に困っていない。
私は夫のために夕飯を作った。それは私の仕事ではなかったけれど、愛情表現のひとつだと思っていたのだ。
創作というのは人間に与えられた大きな喜びである。何かを作り上げるというのは、とても楽しいことだ。
特にそれが仕事ではなく、一銭にもにもならないものこそ、その喜びはおおきい。
書き物がお金になるようになってから、私は一銭にもならない”楽しい趣味の時間”をもてなくなってしまった。
編み物の本というのは、真剣に編もうと思って買うのではなく、編んだら楽しいだろうなという妄想のために買うのだ。
本能のままに一銭にもならないものをつくりたい。そして自己満足でつくったものを
迷惑がられても人にプレゼントしたいと思う。「創作の喜び」の笑顔。
なぜなら、物事を決め付けたいときは心が弱っている時だからだ。こうしなくっちゃ、
と思いつめたときこそ、無理にでも休みを取って南の島にでも旅行をすることをお勧めしたい。
なるほどなあ〜〜と思った作中の文章であります。
たまの智久さんが『ひまのつぶしかた』の中で「ぼくの中には、暇を潰そうなんて乱暴な発想はないみたいです。
レックラー夫人の言葉を借りれば、私に買わすほどラルフローレンは金に困っていない。
私は夫のために夕飯を作った。それは私の仕事ではなかったけれど、愛情表現のひとつだと思っていたのだ。
創作というのは人間に与えられた大きな喜びである。何かを作り上げるというのは、とても楽しいことだ。
特にそれが仕事ではなく、一銭にもにもならないものこそ、その喜びはおおきい。
書き物がお金になるようになってから、私は一銭にもならない”楽しい趣味の時間”をもてなくなってしまった。
編み物の本というのは、真剣に編もうと思って買うのではなく、編んだら楽しいだろうなという妄想のために買うのだ。
本能のままに一銭にもならないものをつくりたい。そして自己満足でつくったものを
迷惑がられても人にプレゼントしたいと思う。「創作の喜び」の笑顔。
なぜなら、物事を決め付けたいときは心が弱っている時だからだ。こうしなくっちゃ、
と思いつめたときこそ、無理にでも休みを取って南の島にでも旅行をすることをお勧めしたい。
なるほどなあ〜〜と思った作中の文章であります。
2007年5月3日に日本でレビュー済み
作者の直木賞受賞までの10年ほどのエッセー集です。
個人的には、論理的で理屈ぽくなる後期のものよりも、作者31歳の時に書かれた「今宵の枕友だち」の章に収められた作品が気に入りました。
それぞれ、本を読んで書かれたもののようですが、個々の本の論評ではなく、そこから触発されて思ったことどもが書き連ねられています。
若さなのでしょうか、そこには後期の作品のような計算されつくしたようなものはなく、思うがままに叩き付けるような心情の吐息があって、強いインパクトを受けました。
最後の章に書かれていますが、「楽しいこと」より「楽なこと」に、心ならずも軸足がややずれたのかも知れません。
作者の作風、心情の変化も読み取れ、全体的にユーモア溢れる楽しいエッセー集でした。
個人的には、論理的で理屈ぽくなる後期のものよりも、作者31歳の時に書かれた「今宵の枕友だち」の章に収められた作品が気に入りました。
それぞれ、本を読んで書かれたもののようですが、個々の本の論評ではなく、そこから触発されて思ったことどもが書き連ねられています。
若さなのでしょうか、そこには後期の作品のような計算されつくしたようなものはなく、思うがままに叩き付けるような心情の吐息があって、強いインパクトを受けました。
最後の章に書かれていますが、「楽しいこと」より「楽なこと」に、心ならずも軸足がややずれたのかも知れません。
作者の作風、心情の変化も読み取れ、全体的にユーモア溢れる楽しいエッセー集でした。
2006年4月27日に日本でレビュー済み
1993年〜2004年までの間に様々な雑誌等に発表したエッセイをまとめた本です。
10年という時間は長く、山本さんの置かれている状況も変化していますし、
いろいろな種類の文章が載っているので統一感のなさは否めませんが、
ここに書いてあるのは、飾らない一人の女の本音、現実です。
作家なんて特殊な職業についているとは思えないような
“どこにでもいるような女の生活”がのぞけます。
ちょっとめんどくさがりだし、
服も欲しいし、ファミレスにも行くし、コンプレックスもある。
けっして珍しくない女性に見えるけど、
前半の恋愛エッセイの観察力・洞察力はタダモノじゃあない!
作家としての鋭さには感服いたしました。
10年という時間は長く、山本さんの置かれている状況も変化していますし、
いろいろな種類の文章が載っているので統一感のなさは否めませんが、
ここに書いてあるのは、飾らない一人の女の本音、現実です。
作家なんて特殊な職業についているとは思えないような
“どこにでもいるような女の生活”がのぞけます。
ちょっとめんどくさがりだし、
服も欲しいし、ファミレスにも行くし、コンプレックスもある。
けっして珍しくない女性に見えるけど、
前半の恋愛エッセイの観察力・洞察力はタダモノじゃあない!
作家としての鋭さには感服いたしました。