本書は05年7月刊行の『団塊世代を総括する』の改題文庫化だそうです。また89年4月に月刊アクロス編集室著の形で出た『大いなる迷走−団塊世代さまよいの歴史と現在』のヴァージョンアップ版でもあるそうです。解説は香山リカ。
この著者が『下流社会』で大ブレイクしたのが05年9月ですから、本書の親本は著者がまだ「知る人ぞ知る」状態だった時点の出版。団塊論は著者にとって因縁のあるテーマらしいですから、やはり執着が感じられます。その点、『下流社会』の方は、むしろ団塊論の副産物的な議論でしょうから、「薄い」と言うか、良く言えば肩の力が抜けていると思います(ゴメン、実は未読です。でもちゃんと購入して、最初の数ページは読みましたヨ。そこから先は読めませんでしたが…)。
ただ、いかにも「マーケッターのプレゼン」的なノリの軽さは、この著者の特徴でしょう。とにかくいろんな調査結果を繰り出してきて大胆に断定していくんですが、学術論文だったら根拠になる調査の実施方法とかナントカ、いろいろ証拠固めが必要なところを全部スッ飛ばしてます。しかし「読み物」の爽快さはあるんですよね。「一見すると正しそうだけど、細かく見ると穴だらけ」という批判もあり得るけど、「細部には問題も多々あるが、大枠としては大体において正解ではないか」という擁護も可能なワケで、私は本書については後者の立場を取ります。
でもネー、私は団塊に義理も何もないけど、著者や香山リカの団塊批判はちょっとドーカナー、と思う。団塊だって、何も好き好んでああなったワケじゃないんだし、人間、そう簡単に変われませんって。
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団塊世代の戦後史 (文春文庫 み 30-2) 文庫 – 2007/7/10
三浦 展
(著)
大ベストセラー『下流社会』の著者がデータを駆使して論じる目からウロコの団塊世代論。彼らは何をしてきたか? 何をなすべきか?
- 本の長さ272ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2007/7/10
- ISBN-104167717360
- ISBN-13978-4167717360
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2007/7/10)
- 発売日 : 2007/7/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 272ページ
- ISBN-10 : 4167717360
- ISBN-13 : 978-4167717360
- Amazon 売れ筋ランキング: - 760,816位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2008年3月24日に日本でレビュー済み
2007年9月23日に日本でレビュー済み
「下流社会」の著者が、下流社会を作ったのは団塊の世代だと指摘しています。
様々なデータを挙げては、団塊の世代とはこんなものだと一括りにしていく繰り返しにはやや退屈しますが、戦後の世相(巻末の年表は面白い)が反映されています。
しかし何よりも痛快なのはエピローグ。それまでのパターンを捨てて、著者の好み、経験、団塊の世代への処方箋が開示されます。ここだけ読んでも十分価値がありますが、是非最初から読んで戦後の世相を概観してください。
様々なデータを挙げては、団塊の世代とはこんなものだと一括りにしていく繰り返しにはやや退屈しますが、戦後の世相(巻末の年表は面白い)が反映されています。
しかし何よりも痛快なのはエピローグ。それまでのパターンを捨てて、著者の好み、経験、団塊の世代への処方箋が開示されます。ここだけ読んでも十分価値がありますが、是非最初から読んで戦後の世相を概観してください。