恋愛について研究してきた小谷野氏の研究の集大成といっていいように思う
近代に入ってから書かれた、今では忘れ去られてしまった流行恋愛小説をたどって、恋愛観の変遷や現状について論じて行く
文芸史としても恋愛論としてもすぐれた1冊
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
恋愛の昭和史 (文春文庫 こ 41-1) 文庫 – 2008/3/7
小谷野 敦
(著)
ヒロインの婚前交渉は是か非か、男の貞操、姦通のモラルとは? 男と女の機微に真正面から切り込んだ、真摯かつ骨太の恋愛論
- 本の長さ350ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2008/3/7
- ISBN-104167717697
- ISBN-13978-4167717698
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2008/3/7)
- 発売日 : 2008/3/7
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 350ページ
- ISBN-10 : 4167717697
- ISBN-13 : 978-4167717698
- Amazon 売れ筋ランキング: - 841,091位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 8,663位文春文庫
- - 126,532位ノンフィクション (本)
- - 223,221位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
作家、比較文学者。1962年茨城県生まれ、埼玉県育ち。海城高校卒、東大文学部英文科卒、同大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了、学術博士。大阪大学言語文化部講師、助教授(英語)、国際日本文化研究センター客員助教授、現在は文筆家。博士論文は『<男の恋>の文学史』、1999年『もてない男』がベストセラーに。2002年『聖母のいない国』でサントリー学芸賞。2011年『母子寮前』で芥川賞候補、2014年「ヌエのいた家」で同。
カスタマーレビュー
星5つ中4.2つ
5つのうち4.2つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
9グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2023年2月21日に日本でレビュー済み
明治以降昭和までの恋愛小説を渉猟博捜し、目配りよく論を立てる。それを当方も追っかけていたら、まだ積読状態の書物がネタバレの被害を被った。それはともかく、最後に触れた夫婦別姓は戸籍制度の解消が筋というお説はその通りで、だから似非保守の政治屋たちは反対するのであろう。ところで、かねがね同じ東大比較文化でも芳賀徹氏には冷淡なのに平川祐弘氏とは好誼を結んでいる著者には今後とも注視したい。
2008年3月30日に日本でレビュー済み
小谷野さんのブログのファンで、実は毎日チェックしている。ブログはねちねちとした毒舌で満ちており、爽快感はないが、興味深く読めるテーマが多い。特に禁煙ファシズム反対運動についての議論は文章にも力が入っているし(「ねちねち感」も含む)、説得力がある。
本書は、昭和の文芸分野での恋愛描写の変遷を追い、日本人の恋愛感について扱った一冊。売春、婚前交渉、自由恋愛、精神的/肉体的恋愛、避妊の是非、などが主要テーマである。
おもしろかったのは、福永武彦らのキリスト教文化を持ち込んだ作家ら、さらには影響元であるジッドを鋭く批判した箇所。曰く、彼らキリスト教かぶれ作家が、むやみと「精神的恋愛」の価値を強調したために当時の日本の青少年・少女が無駄に苦しむ結果になったという。「武士は食わねど高楊枝」的態度が称揚される国では、日本人たるものはセックスしなくても精神的に満ち足りていればそれでよしとせよ、という態度が支持されやすかったのだろう。実際には男子の楊枝は、常に高くなったまま解決の捌け口をいつも探していたのではないかと想像する。不健全である。
雑誌に載せられる小谷野さんの写真や氏の陰湿で攻撃的な文章からは、失礼ながら健全で健康的なイメージは受けない。また、意図的にそのようなイメージを与えるように振舞っているようにも感じられる。しかし、実のところ氏は健全な社会の在り方(禁煙ファシズム反対論)や健全な男女のあり方について非常に意識的な、「健全論者」であるように思われるし、その内容には、建前ばかりの皮相的な議論に比べると示唆的な部分が多く含まれるように思う。
本書は、昭和の文芸分野での恋愛描写の変遷を追い、日本人の恋愛感について扱った一冊。売春、婚前交渉、自由恋愛、精神的/肉体的恋愛、避妊の是非、などが主要テーマである。
おもしろかったのは、福永武彦らのキリスト教文化を持ち込んだ作家ら、さらには影響元であるジッドを鋭く批判した箇所。曰く、彼らキリスト教かぶれ作家が、むやみと「精神的恋愛」の価値を強調したために当時の日本の青少年・少女が無駄に苦しむ結果になったという。「武士は食わねど高楊枝」的態度が称揚される国では、日本人たるものはセックスしなくても精神的に満ち足りていればそれでよしとせよ、という態度が支持されやすかったのだろう。実際には男子の楊枝は、常に高くなったまま解決の捌け口をいつも探していたのではないかと想像する。不健全である。
雑誌に載せられる小谷野さんの写真や氏の陰湿で攻撃的な文章からは、失礼ながら健全で健康的なイメージは受けない。また、意図的にそのようなイメージを与えるように振舞っているようにも感じられる。しかし、実のところ氏は健全な社会の在り方(禁煙ファシズム反対論)や健全な男女のあり方について非常に意識的な、「健全論者」であるように思われるし、その内容には、建前ばかりの皮相的な議論に比べると示唆的な部分が多く含まれるように思う。
2005年8月2日に日本でレビュー済み
年表が6頁索引が23頁というさすが大家の近著。学者の本と力まずに読めるのは第18章の「自由恋愛の中の不自由」。負け犬もでてきます。
著者の読書量に脱帽。さわり本としても大いに役に立ってくれる。
「ノルウェーの森」’87のベストセラーで400万部を売ったそうだ。
読んでいない小生に「あたかも当然のごとくに高校生や...のセックスが描かれていて...」と内容のさわりを教えてくれる貴重な本。
売れた部数がすごいだけあって、髙島屋の屋上の鯉の池がつぶされたのを見て
ここは村上の「...の森」にでてきたんですよ、と見ず知らずのサラリーマンが感慨深げに、おしえてくれたのは2ヶ月くらい前のこと。
ねぇ、恋愛がだめでも見合いがあるさ。
著者の読書量に脱帽。さわり本としても大いに役に立ってくれる。
「ノルウェーの森」’87のベストセラーで400万部を売ったそうだ。
読んでいない小生に「あたかも当然のごとくに高校生や...のセックスが描かれていて...」と内容のさわりを教えてくれる貴重な本。
売れた部数がすごいだけあって、髙島屋の屋上の鯉の池がつぶされたのを見て
ここは村上の「...の森」にでてきたんですよ、と見ず知らずのサラリーマンが感慨深げに、おしえてくれたのは2ヶ月くらい前のこと。
ねぇ、恋愛がだめでも見合いがあるさ。
2014年8月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
全体的にキレイです。もちろん 新本には見えませんが。もちろんそれなりの劣化が随所に見られますが。
2008年3月20日に日本でレビュー済み
2005年3月発行のものが文庫化されました。
その当時のもののレビューに概ね納得します。
例えば、膨大な資料に目を通した筆者の力量、そして巻末の年表といった付録。
個人的に楽しめたのは、私と同時代性が強い、昭和後期からのものでありました。「学歴と恋愛」、「歌謡曲の時代」、「自由恋愛の中の不自由」といった章が該当すると思われます。
「歌謡曲の時代」では、歌詞というテクスト?を使用しつつ、例えば、「男の片思い」を歌ったものは、この「歌謡曲の時代」まではほとんど見当たらないなどというあたりなどは、最近のJ-POPなどと照らし合わせれば異論もあるでしょうが、筆者の広範囲な調査に脱帽しました。
筆者の本は初めて読みましたが、『もてない男』の時代と筆者の考えが変わった箇所と変わっていない箇所も明瞭であると思います。
その当時のもののレビューに概ね納得します。
例えば、膨大な資料に目を通した筆者の力量、そして巻末の年表といった付録。
個人的に楽しめたのは、私と同時代性が強い、昭和後期からのものでありました。「学歴と恋愛」、「歌謡曲の時代」、「自由恋愛の中の不自由」といった章が該当すると思われます。
「歌謡曲の時代」では、歌詞というテクスト?を使用しつつ、例えば、「男の片思い」を歌ったものは、この「歌謡曲の時代」まではほとんど見当たらないなどというあたりなどは、最近のJ-POPなどと照らし合わせれば異論もあるでしょうが、筆者の広範囲な調査に脱帽しました。
筆者の本は初めて読みましたが、『もてない男』の時代と筆者の考えが変わった箇所と変わっていない箇所も明瞭であると思います。