長編物を続けて読むと、中休み的にアンソロジー系を読みたくなる。
そんな中、私の好きな作家さんが3人も入ってるので
早速手に取ってみた。
中々変わった趣向ともいうべきか、ご本人の自薦の作品1編と
推薦の他の作家の1編。
そして最後にご本人のエッセー付という、何とも贅沢な本。
自薦の作品は元より、その作家さんの好きな短編があるというのは
中々面白くて、興味をそそられる。
読み進む内、どちらも作風が似ているような、似ていないような。
作家自身も、私たち同様に「読者」側であったのだと、当然ながらに思いつつ
そういう部分も楽しめた。
普段、読んだことのない方もおり、読んでいる最中は
自分にはちょっと難解な部分もあり、何でこの作品を選ばれたのだろう…と
思うこともしばしばあったけど、読み終えると
どの作品も、どこかしら印象に残る作品だったので
さすがだな…などと、ちょっと感心する。
●一番面白かったのは、乃南アサさんの「かくし味」。
その情景が手に取るように浮かび、オチは想像はつくものの
背筋に1本の汗がスーッとしたたるような、ブラックテイスト。
●柴田よしきさん推薦の、「版画画廊の殺人」は
最初、すごく読みにくかったものの
そのパラレルワールドの世界には、不思議な余韻が残る。
●志水辰夫さんの自・他作品は 凄く男臭くて。
●佐野洋さんや、阿刀田高さんはブラック系で 十分に面白かったし
宮部さんの自薦・他薦は、以前どこかで読んだものの
やっぱり面白い。
夏目漱石さんの作品に、短編(?)があるなんで、知らなかったので
何だか得した気分になれました。
その昔、学校の感想文で「坊ちゃん」しか読んだことしかない私には
文体に不慣れで、正直読みにくかったけれども
幻想的な印象が強く残り、その余韻に浸れました。
阿刀田高さんは、10年以上前に 一時ハマって
ほぼ読みつくした感があったが、何だか新鮮な気持ちになれ
又、再び手に取ってみようと思わせてくれた。
全体的に、面白かったものの
やはり自分の好みとは違う作風もあり
読むのが少々しんどいのもあったのは事実。
ただ、それもアンソロジーの面白みとも言えると思う。
かくも楽しく、面白いアンソロジーです。
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マイ・ベスト・ミステリー1 (文春文庫 編 17-1) 文庫 – 2007/8/3
日本推理作家協会
(編集)
- 本の長さ413ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2007/8/3
- ISBN-10416774001X
- ISBN-13978-4167740016
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2007/8/3)
- 発売日 : 2007/8/3
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 413ページ
- ISBN-10 : 416774001X
- ISBN-13 : 978-4167740016
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,104,198位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年4月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ミステリー作家はどんな作品に刺激を受けたのか? 「最も好きな自作」と「最も好きな他人の作品」に加え、書き下ろしエッセイも収録した面白い企画のアンソロジーです。収録作品は阿刀田高氏「運のいい男」+「替玉計画」( 結城昌治 )、佐野洋氏「お試し下さい」+「葬式紳士」( 結城昌治 )、柴田よしき氏「聖夜の憂鬱」+「版画画廊の殺人」( 荒巻義雄 )、志水辰夫氏「ダチ」+「入れ札」( 菊地寛 )、乃南アサ氏「かくし味」+「夢十夜」( 夏目漱石 )、宮部みゆき氏「決して見えない」+「双頭の影」( 今邑彩 )。永年ミステリーを読んでいますと、特に短編の場合「オチはあれだな」と、ある程度予想がつくものですが、それでもグイグイと読ませてしまうところは、数十年も第一線で活躍されてきたプロフェッショナルならでは! ただ、柴田よしき氏の作品は短編連作の一編なので、単独で読むのはどうもー。それでも本書はなかなか面白いアンソロジーですよ。
2009年7月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
名だたるミステリー作家の方々が「影響を受けた作家の短編」と「自作」を各一編ずつ選んでアンソロジーにしたものです。
『煎じ詰めれば、高校時代に読んだこれらの作品にいまの自分がいかに多くを負うているか、という証明になるだろう。』と志水辰夫さんが本文中でかかれているとおり、「なるほどこれは影響受けそうだな」と思わせる名作ぞろいでした。
菊池寛や夏目漱石などの昔のものから掲載されています。
どの短編も「あっ」といわせるトリック、心情や情景の描写が優れた名作ばかり
「一冊でこんなに面白いなんて」と得した気分になりました。
一話目の「運のいい男」から結末でうならされてしまいました。
とても面白い短編集です。
『煎じ詰めれば、高校時代に読んだこれらの作品にいまの自分がいかに多くを負うているか、という証明になるだろう。』と志水辰夫さんが本文中でかかれているとおり、「なるほどこれは影響受けそうだな」と思わせる名作ぞろいでした。
菊池寛や夏目漱石などの昔のものから掲載されています。
どの短編も「あっ」といわせるトリック、心情や情景の描写が優れた名作ばかり
「一冊でこんなに面白いなんて」と得した気分になりました。
一話目の「運のいい男」から結末でうならされてしまいました。
とても面白い短編集です。
2011年10月19日に日本でレビュー済み
宮部みゆき、乃南アサなど6人の作家の、
自薦"ミステリ(風?)短篇"と、影響を受けた他作家の短篇を並録したアンソロジー。
なかなか多彩な短編集で愉しめるが、全体的には可もなく不可もなく、といった印象。
むしろ各作家の2ページ程度だが書き下ろし解説エッセイが、おもしろい。
自薦"ミステリ(風?)短篇"と、影響を受けた他作家の短篇を並録したアンソロジー。
なかなか多彩な短編集で愉しめるが、全体的には可もなく不可もなく、といった印象。
むしろ各作家の2ページ程度だが書き下ろし解説エッセイが、おもしろい。
2007年8月24日に日本でレビュー済み
6人の人気作家が「最も好きな自分の作品」と「最も好きな他人の作品」を選び、それにエッセーを加えた変わったアンソロジーです。
選ばれた作品は・・・
「運のいい男」(阿刀田高)「替玉計画」(結城昌治)
「お試し下さい」(佐野洋)「葬式紳士」(結城昌治)
「聖夜の憂鬱」(柴田よしき)「版画画廊の殺人」(荒巻義雄)
「ダチ」(志水辰夫)「入れ札」(菊池寛)
「かくし味」(乃南アサ)「夢十夜」(夏目漱石)
「決して見えない」(宮部みゆき)「双頭の影」(今邑彩)
読んでみて先ず感じたのは、選ばれた自分の作品と他人の作品に、どこか似たようなテイストがあるということです。
それと、やはり選ばれた作品は、すべて素晴らしい作品だということです。それぞれ、ウイットに富んだ作品だったり、情感に溢れたものであったり、トリッキーなものであったり、様々なミステリーが楽しめます。
残りがまだ五巻ありますが、楽しみです。
選ばれた作品は・・・
「運のいい男」(阿刀田高)「替玉計画」(結城昌治)
「お試し下さい」(佐野洋)「葬式紳士」(結城昌治)
「聖夜の憂鬱」(柴田よしき)「版画画廊の殺人」(荒巻義雄)
「ダチ」(志水辰夫)「入れ札」(菊池寛)
「かくし味」(乃南アサ)「夢十夜」(夏目漱石)
「決して見えない」(宮部みゆき)「双頭の影」(今邑彩)
読んでみて先ず感じたのは、選ばれた自分の作品と他人の作品に、どこか似たようなテイストがあるということです。
それと、やはり選ばれた作品は、すべて素晴らしい作品だということです。それぞれ、ウイットに富んだ作品だったり、情感に溢れたものであったり、トリッキーなものであったり、様々なミステリーが楽しめます。
残りがまだ五巻ありますが、楽しみです。
2008年2月14日に日本でレビュー済み
日本の第一線で活躍するミステリー作家が、
自薦の短編と、「これぞマイベスト」という短編を
1本ずつ掲載したアンソロジーです。
推理小説以外にも、色々な話が入っているので、
ご参考までに、個人的見解でジャンル分けをしました。
ちなみに、「→」が推薦された作品で、
SSはショートショートの略です。
阿刀田高・自薦「運のいい男」ブラック系SS
→結城昌治「替玉計画」双子系ミステリー
佐野洋・自薦「お試し下さい」殺し屋SS
→結城昌治「葬送紳士」殺し屋SS
柴田よしき・自薦「聖夜の憂鬱」ハートフルミステリー
→荒巻義雄「版画画廊の殺人」異次元ミステリー
志水辰夫・自薦「ダチ」ハードボイルド
→菊池寛「入れ札」時代小説
乃南アサ・自薦「かくし味」ブラック系SS
→夏目漱石「夢十夜」幻想夢小説
宮部みゆき・自薦「決して見えない」現代怪談小説
→今邑彩「双頭の影」怪談ミステリー
正当派の推理小説は少なめだと思いますが、
自薦と推薦の共通点を探すのが楽しいアンソロジーでした。
自薦の短編と、「これぞマイベスト」という短編を
1本ずつ掲載したアンソロジーです。
推理小説以外にも、色々な話が入っているので、
ご参考までに、個人的見解でジャンル分けをしました。
ちなみに、「→」が推薦された作品で、
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阿刀田高・自薦「運のいい男」ブラック系SS
→結城昌治「替玉計画」双子系ミステリー
佐野洋・自薦「お試し下さい」殺し屋SS
→結城昌治「葬送紳士」殺し屋SS
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→荒巻義雄「版画画廊の殺人」異次元ミステリー
志水辰夫・自薦「ダチ」ハードボイルド
→菊池寛「入れ札」時代小説
乃南アサ・自薦「かくし味」ブラック系SS
→夏目漱石「夢十夜」幻想夢小説
宮部みゆき・自薦「決して見えない」現代怪談小説
→今邑彩「双頭の影」怪談ミステリー
正当派の推理小説は少なめだと思いますが、
自薦と推薦の共通点を探すのが楽しいアンソロジーでした。