「信長の棺」の続編にあたる作品でぜひ前作品を読んだ上で本書を読むと一層おもしろい。
秀吉の信長を恐れる心情がやがて信長を超える自信となっていく様子が見事。
しかし生涯信長の遺骸行方に翻弄させるところはこれまでに無かった展開で読み応えがある。
一般文学通算546作品目の感想。通算844冊目の作品。2010/02/06
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秀吉の枷 中 (文春文庫 か 39-4) 文庫 – 2009/6/10
加藤 廣
(著)
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『「本能寺三部作」秀吉の枷 上中下巻セット』 こちらをチェック
- 本の長さ348ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2009/6/10
- 寸法10.8 x 1.4 x 15 cm
- ISBN-104167754045
- ISBN-13978-4167754044
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2009/6/10)
- 発売日 : 2009/6/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 348ページ
- ISBN-10 : 4167754045
- ISBN-13 : 978-4167754044
- 寸法 : 10.8 x 1.4 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 214,380位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,916位文春文庫
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年3月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
多くの作家が豊臣秀吉の実像を描くことを試みています。
司馬遼太郎、吉川英治、山岡荘八、津本陽。
どの秀吉も魅力たっぷりですが、この秀吉もう〜ん、そうかな、と思わせられます。
それぞれにタイプが多少異なるのですが、逆に人間の多面性を感じさせられ自分なりの秀吉像を拵えるのに役立ちます。
中巻では、山崎の合戦から九州征伐までとなります。
歴史に残った事実と事実の間の空白に最も合理的な線を引っ張ろうとしているように思えました。
なぜ、秀吉は中国大返しが可能であったのか。
それを成り立たせるための材料、条件を求め、逆に時間を遡って推理を働かせていきます。
そこから、秀吉は信長との関係を洗い直していきます。
なぜ秀吉は武家の頭領である征夷大将軍ではなく、関白となったのか。
秀吉の織田家へのこだわりは何であったのか。
著者は、コンサルティングをするように分析を進めてゆきます。
司馬遼太郎、吉川英治、山岡荘八、津本陽。
どの秀吉も魅力たっぷりですが、この秀吉もう〜ん、そうかな、と思わせられます。
それぞれにタイプが多少異なるのですが、逆に人間の多面性を感じさせられ自分なりの秀吉像を拵えるのに役立ちます。
中巻では、山崎の合戦から九州征伐までとなります。
歴史に残った事実と事実の間の空白に最も合理的な線を引っ張ろうとしているように思えました。
なぜ、秀吉は中国大返しが可能であったのか。
それを成り立たせるための材料、条件を求め、逆に時間を遡って推理を働かせていきます。
そこから、秀吉は信長との関係を洗い直していきます。
なぜ秀吉は武家の頭領である征夷大将軍ではなく、関白となったのか。
秀吉の織田家へのこだわりは何であったのか。
著者は、コンサルティングをするように分析を進めてゆきます。
2019年9月20日に日本でレビュー済み
本書は、2006年4月に日本経済新聞社から刊行されたものを、
2009年6月の文庫化にあたり、上・中・下巻に分冊したものです。
秀吉の天下取りを描いた内容で、中巻は中国大返しの途中で姫路城に立ち寄った話から始まり、
関白となって九州仕置きを終えた辺りで終わります。
加藤氏の奇をてらった仮説と信長像を受け入れることが出来ず、
本書の内容も素直に受けいれられません。
2009年6月の文庫化にあたり、上・中・下巻に分冊したものです。
秀吉の天下取りを描いた内容で、中巻は中国大返しの途中で姫路城に立ち寄った話から始まり、
関白となって九州仕置きを終えた辺りで終わります。
加藤氏の奇をてらった仮説と信長像を受け入れることが出来ず、
本書の内容も素直に受けいれられません。
2013年6月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まだ途中なのですが、秀吉がどうしてこんなに早く、信長の死を知ったのか?
そしてどうしてその用意ができていたのか。そして秀吉の死の前の信長の幻影の意味とは?
またどうして秀吉だけが信長のようにこき使われる人に、光秀とは異なりうまく生き延びることができたのか?
作者の推測の域でありますが、一通り話されている歴史小説とは違った視点で、
なにか別の推理小説を読むようで興味を持ちながら読んでいます。
そしてどうしてその用意ができていたのか。そして秀吉の死の前の信長の幻影の意味とは?
またどうして秀吉だけが信長のようにこき使われる人に、光秀とは異なりうまく生き延びることができたのか?
作者の推測の域でありますが、一通り話されている歴史小説とは違った視点で、
なにか別の推理小説を読むようで興味を持ちながら読んでいます。
2015年5月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
加藤廣本能寺三部作の第2作。文庫本中巻は本能寺の変後から九州遠征までを秀吉の視点で描かれる。本能寺の変戦後処理では、天下を取るための秀吉の打ち手がギリギリのところで功を奏し天下を手に入れる。結果として中国大返しが天下取りの起点となるものの、本能寺の変後明智、柴田を退けることは容易なことではなかったことがわかる。実質的に天下を取った後秀吉の人格が変質していく。
信長は天下を取る前に壊れて結果的に光秀に討たれてしまったが、秀吉は信長を超えて関白、太閤へと権力を上り詰める。あれほど大きな権力と富を手に入れてしまうとさすがの秀吉も壊れてしまうようだ。本作で秀吉は権力を手に入れる過程で武力や謀略で競争相手を蹴落としていく。その中には信長も含まれているが、自分の犯した禁が露呈してしまうのではという懸念が秀吉の枷(かせ)となってのしかかっていく。自分の罪と権力により次第に秀吉が孤独になってくる。同時に後継者問題が大きな枷となって秀吉にのしかかってくる。
信長は天下を取る前に壊れて結果的に光秀に討たれてしまったが、秀吉は信長を超えて関白、太閤へと権力を上り詰める。あれほど大きな権力と富を手に入れてしまうとさすがの秀吉も壊れてしまうようだ。本作で秀吉は権力を手に入れる過程で武力や謀略で競争相手を蹴落としていく。その中には信長も含まれているが、自分の犯した禁が露呈してしまうのではという懸念が秀吉の枷(かせ)となってのしかかっていく。自分の罪と権力により次第に秀吉が孤独になってくる。同時に後継者問題が大きな枷となって秀吉にのしかかってくる。
2013年4月1日に日本でレビュー済み
成り上がり天下人秀吉がその後半生に、信長の死に加担した罪の意識に追われ、自身の世継ぎを巡る疑念と苦悩に絡め取られる姿がよく描かれている。この二つの疑惑を鍵として展開するから「ミステリー」的な面白さが続く一方で、このミステリーの探求に捕らわれていないから文庫本三冊の物語に軽薄感が残ることもない。
世間的な大成功を収めても、その過程で犯した罪の意識から逃れることは容易ではない。何が幸せで何が不幸なのかをよく考えさせられる物語でもあった。
世間的な大成功を収めても、その過程で犯した罪の意識から逃れることは容易ではない。何が幸せで何が不幸なのかをよく考えさせられる物語でもあった。
2009年6月24日に日本でレビュー済み
この(中)は、秀吉が明智光秀、柴田勝家、そして織田家を蹴落とし、家康を臣従させ、大坂城を築いて関白となり、九州を平定するまでの物語。秀吉の天下人にならんがためのなりふりかまわぬ行動と、どんなに明るく振舞っても消えることのない心の闇を描く。一つは子供に恵まれないこと。子作りに必死の秀吉が滑稽ですらある。もう一つの闇は、(上)や「信長の棺」を読んだ人にはわかることだが、未知の人にとっての読んでのお楽しみとしておこう。
ところで、本書では山崎の合戦の後、六月十五日に秀吉が安土城の天主に入って、部屋や調度品が自分のものとなることを確信する場面がある。そして清洲会議の後で、安土城の大部分が炎上・消失したとしている。しかし、私の知る限り、少なくとも安土城の天主は十五日に消失しているはずだ。私は一次資料を調べた訳ではないが 織田信長と本能寺の変―戦国最大の謎光秀諜反の真相に迫る! は十五日未明、 逆説の日本史(11)戦国乱世編 朝鮮出兵と秀吉の謎 では十四日に消失したと書いてある。そうであれば、本書の十五日の光景はあり得ないはず。また、 本能寺の変―光秀の野望と勝算 は十五日に消失したとするから、十五日早朝の光景が仮にあったとしても、消失は清洲会議よりずっと早い。異説があるとしても、遅くとも十五日には消失したとするのが多数説と思われる現状では、なぜ消失時期がもっと遅いと判断したのか、わき道にそれてもいいから説明してほしかった。折角光秀の最後を感慨深く描写する等、読ませる筆力はあるのに、いくら小説とはいえ、史実を曲げているとしたら問題だ。些細なことかもしれないが、どうも著者の物語の組み立ては無理が多いと私は感じており、この安土城消失時期がその一例だ。
ところで、本書では山崎の合戦の後、六月十五日に秀吉が安土城の天主に入って、部屋や調度品が自分のものとなることを確信する場面がある。そして清洲会議の後で、安土城の大部分が炎上・消失したとしている。しかし、私の知る限り、少なくとも安土城の天主は十五日に消失しているはずだ。私は一次資料を調べた訳ではないが 織田信長と本能寺の変―戦国最大の謎光秀諜反の真相に迫る! は十五日未明、 逆説の日本史(11)戦国乱世編 朝鮮出兵と秀吉の謎 では十四日に消失したと書いてある。そうであれば、本書の十五日の光景はあり得ないはず。また、 本能寺の変―光秀の野望と勝算 は十五日に消失したとするから、十五日早朝の光景が仮にあったとしても、消失は清洲会議よりずっと早い。異説があるとしても、遅くとも十五日には消失したとするのが多数説と思われる現状では、なぜ消失時期がもっと遅いと判断したのか、わき道にそれてもいいから説明してほしかった。折角光秀の最後を感慨深く描写する等、読ませる筆力はあるのに、いくら小説とはいえ、史実を曲げているとしたら問題だ。些細なことかもしれないが、どうも著者の物語の組み立ては無理が多いと私は感じており、この安土城消失時期がその一例だ。