■ ジーノの家 <イタリア10景> 内田 洋子
はじめて内田 洋子氏のエッセイを読んだとき、当たり前のように書いてある「バール」の意味が分からずカタカナ語辞典をひいたのも昔(?)の話。
さて、この本のタイトルは「ジーノの家」
当然、別に異論をはさむこともなく読み始め、確かに悪くない一篇なのだが、それも8篇目の
「初めてで、最後のコーヒー」
を読むまで。
ちょっと異次元のエッセイ。
内田 洋子にしか起らない、彼女しか遭遇しない話。そして内田 洋子にしか書けない(掬い取れない)文章、エッセイ。
かって暮したナポリへ向う鉄道の道中、コンパートメントの中でコーヒーを飲む話が出てくる(さりげなく)やがてナポリに着きタクシーを拾い、彼女の様子を見た運転手(ジェンナーロ)が " いいカモ " とばかりに遠回りと周回をはじめる・・・そういう話なのだが、いくつもの人生がこの30ページほどのエッセイに重なり、それぞれが主人公であることを主張し、考えてみたら良くわからない「初めてで、最後のコーヒー」の意味が最後には浮び上がってくる。
もし今後「内田 洋子ベスト・エッセイ集」のような本が企画されたとき、この一篇は絶対に外せない・・・もし外せば編纂者のセンス・感性が疑われるような作品。
文中「一見、混沌を極める町には、しかし、ここだけにしか通じない共存の様子がある。千差万別の要素は、互いに阻害したり否定することなく、絶妙な均衡を保って共存している。」とあるが、きっとこの街 " ナポリ " も主人公なのだ。
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ジーノの家 (文春文庫 う 30-1) 文庫 – 2013/3/8
内田 洋子
(著)
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知られざる、そしてまったく新しいイタリアエッセイ。日本エッセイスト・クラブ賞、講談社エッセイ賞を史上初のダブル受賞した傑作。ミラノの真ん中に存在するという知られざる暗黒街。海沿いの山の上にある小さな家の家主ジーノの人生模様。貴婦人の如き古式帆船に魅いられた男達―イタリア在住30余年の著者が、名もなき人々の暮しに息づく生の輝きを鮮やかに描く。
- 本の長さ306ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2013/3/8
- 寸法10.8 x 1.3 x 15.2 cm
- ISBN-104167838494
- ISBN-13978-4167838492
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
ミラノの町のど真ん中には、「黒いミラノ」と呼ばれる場所がある。悪の樹海で、いったん犯罪者が逃げ込んだら最後、警察でも探し出せないという、犯罪者組織が拠点とする一帯。その怪しげな地区に足を踏み入れ、垣間見たみた、もうひとつのミラノの姿とは――冒頭作「黒いミラノ」 イタリアのどこに暮らすにも日本人は異国からの移民、ならばいっそ各地に巡り住むのも面白いのではないかと思い立ち、海を見下ろす山の上の家に住まう話「ジーノの家」 海から引きあげられたままの木製の帆船とその船に惚れ込んだ人々をめぐる話「船との別れ」 イタリアに溶けこむように生きて三十余年、各地を巡り住んだ著者がふつうの人々の生活のうちに見た真の魅力を描く、珠玉の10篇。
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2013/3/8)
- 発売日 : 2013/3/8
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 306ページ
- ISBN-10 : 4167838494
- ISBN-13 : 978-4167838492
- 寸法 : 10.8 x 1.3 x 15.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 124,325位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,987位文春文庫
- - 27,311位ノンフィクション (本)
- - 35,025位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
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2022年5月27日に日本でレビュー済み
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2017年6月2日に日本でレビュー済み
内田さんは、東京外大のイタリア語卒の人ですが、イタリア在三十数年の経験から、文化を
日本人の感覚ではなく、深い処で理解されています。表題のジーノの家、舟との別れが出色です。10章の短編ですが、とてもよく出来た話の展開です。
なかなかです。
文の上手い方です。
日本人の感覚ではなく、深い処で理解されています。表題のジーノの家、舟との別れが出色です。10章の短編ですが、とてもよく出来た話の展開です。
なかなかです。
文の上手い方です。
2022年2月20日に日本でレビュー済み
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注文後すぐに、とても綺麗な状態の本が届きました。
2019年6月9日に日本でレビュー済み
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この人は生来の引き寄せ体質なのだろう。家から一歩出るだけで、いや出なくても、面白い人、面白い事件、面白い話が向こうから近づいてくる。そしてイタリアの風景はどこをとっても絵になる。人々が身に着けているもので人物描写があらかたできてしまうというのもどの年齢、階級、職業でもそれなりにファッションコンシャスなイタリアならではだろう。とはいえ、いかに素晴らしい舞台、役者、小道具がそろっていても、そこに命を吹き込む物語がなければ誰かにとってのただの日常でしかない。
内田洋子さんは引き寄せ体質なうえに、注意深い、それこそ探偵のような眼をもった観察者であり、役者の魅力を引き出す名監督であり、しかも天才的な脚本家ということだ。よくよく読んでみると、どんな人でも途中まではありそうな話である。暗黒街といわれているところがあるらしいが、ちょっと見てみたいな、とか。ボヤが出たことで近所の人と言葉を交わすようになる、とか。すごく変わった芸術家や商売人に紹介される、とか。タクシーの運転手に騙されそうになる、とか。見知らぬ人に車に乗せてくれと頼まれる、とか。あるいは、田舎に引っ越そうと思い立って家を探す、とか。
そこから先が内田さんならではである。舞い込んでくるものは、チャンスであれ、誘惑であれ、へんてこな依頼であれ、見知らぬ尼さんであれ、なんでも引き受ける。開放的というか、包容力があるというか。そこに覚悟や気負いといったものは感じられない。自然体である。しかも海外もののエッセイにありがちな説教じみた調子は微塵もないし、あなたの知らない本当のイタリアを教えてあげましょう、というような啓蒙者風でもない。ただ、イタリアとイタリア人、というか人生と人間が大好きな一人の女性が「そういえばこの前こんな面白いことがあってね」とおいしいコーヒーとお菓子を前に早口で、あるいは「ここだけの話なんだけどね」とワイン片手にまったりと語ってくれているような、そんな気分になる随筆集だ。
誰もがブログで文章を書く時代、「エッセイ」というジャンルの相対的価値が落ちたようにも思っていたが、やはり面白いものは面白い。
内田洋子さんは引き寄せ体質なうえに、注意深い、それこそ探偵のような眼をもった観察者であり、役者の魅力を引き出す名監督であり、しかも天才的な脚本家ということだ。よくよく読んでみると、どんな人でも途中まではありそうな話である。暗黒街といわれているところがあるらしいが、ちょっと見てみたいな、とか。ボヤが出たことで近所の人と言葉を交わすようになる、とか。すごく変わった芸術家や商売人に紹介される、とか。タクシーの運転手に騙されそうになる、とか。見知らぬ人に車に乗せてくれと頼まれる、とか。あるいは、田舎に引っ越そうと思い立って家を探す、とか。
そこから先が内田さんならではである。舞い込んでくるものは、チャンスであれ、誘惑であれ、へんてこな依頼であれ、見知らぬ尼さんであれ、なんでも引き受ける。開放的というか、包容力があるというか。そこに覚悟や気負いといったものは感じられない。自然体である。しかも海外もののエッセイにありがちな説教じみた調子は微塵もないし、あなたの知らない本当のイタリアを教えてあげましょう、というような啓蒙者風でもない。ただ、イタリアとイタリア人、というか人生と人間が大好きな一人の女性が「そういえばこの前こんな面白いことがあってね」とおいしいコーヒーとお菓子を前に早口で、あるいは「ここだけの話なんだけどね」とワイン片手にまったりと語ってくれているような、そんな気分になる随筆集だ。
誰もがブログで文章を書く時代、「エッセイ」というジャンルの相対的価値が落ちたようにも思っていたが、やはり面白いものは面白い。
2019年11月25日に日本でレビュー済み
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イタリア旅行のための情報収集で読んだが、文章がよく面白かった。エッセイだが小説のようにも読め、作者の文章力に感心した。
2018年9月28日に日本でレビュー済み
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あっという間に読んでしまいました。何度も涙が出そうになりました。
2018年7月2日に日本でレビュー済み
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イタリアの風景が目の前に浮かぶような本です。ノンフィクション?かと思うくらい、いろいろなことが起こります。イタリア好きなら必読です。
2013年6月8日に日本でレビュー済み
賞を取ったからといって、内容が伴わない作品は多々ありますが、その一例だと思います。
読んだ時間と労力の無駄遣いでした。
読んだ時間と労力の無駄遣いでした。