
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
黄蝶の橋 更紗屋おりん雛形帖 (文春文庫 し 56-2) 文庫 – 2015/2/6
篠 綾子
(著)
この商品はセット買いができます
『「更紗屋おりん雛形帖」シリーズ 全6巻セット』 こちらをチェック
五代将軍綱吉のもと、元禄文化が花開く江戸。京の呉服商「更沙屋」の一人娘・おりんは、親も店も失い、浅草今戸に住む叔父夫婦と長屋で通い奉公をしながら細々と暮らしている。いつか更沙屋を再建することを夢見て――。
そんなある日、更沙屋を建て直すために貯めたお金を、叔父の善次郎が黙って持ち出してしまう。理由を問い質すと、江戸を騒がせている犯罪組織「子捕り蝶」に誘拐された飛松という7歳の少年を助けるためだという。飛松は、小僧として働いていた奉公先の大黒屋の息子とともに誘拐されたが、大黒屋の主人は息子の身代金しか支払わなかったため、飛松は帰ってこなかった。飛松の命が危ないと知った善次郎は、飛松救済のために大黒屋に誘拐組織に渡してくれとなけなしのお金を持参して頼み込むが、自分の息子が戻ってきた今となっては飛松の命などどうでもよいとばかりに断られてしまう。
父親は借金を残して死に、姉は吉原に売られるた飛松。そんな飛松をかわいそうに思った善次郎は、かつて更沙屋の江戸店の主人であった時に奉公人として引き取ったという経緯があり、子供のいない善次郎にとってはわが子同然だった。
事実を知ったおりんは、飛松奪還のために奔走する。ところがそこには上州沼田藩主、真田信利の圧政に苦しむ領民の姿と藩政を揺るがす大きな事件が……。
史実にもある沼田藩改易事件をもとに、松尾芭蕉や新井白石、大老・堀田正俊、杉木茂左兵衛門といった実在の人物が重要なストーリーテラーとして登場し、史実とフィクションが入り混じった人間ドラマも読みどころのひとつ。華やかな大名家の生活を描く一方で、増税にあえぐ貧農の悲しい運命にもスポットを当てています。人間の美しさと醜さ、義とは命とは何か――喜怒哀楽のすべての感情を呼び覚ます、清らかな江戸人情時代小説です。
そんなある日、更沙屋を建て直すために貯めたお金を、叔父の善次郎が黙って持ち出してしまう。理由を問い質すと、江戸を騒がせている犯罪組織「子捕り蝶」に誘拐された飛松という7歳の少年を助けるためだという。飛松は、小僧として働いていた奉公先の大黒屋の息子とともに誘拐されたが、大黒屋の主人は息子の身代金しか支払わなかったため、飛松は帰ってこなかった。飛松の命が危ないと知った善次郎は、飛松救済のために大黒屋に誘拐組織に渡してくれとなけなしのお金を持参して頼み込むが、自分の息子が戻ってきた今となっては飛松の命などどうでもよいとばかりに断られてしまう。
父親は借金を残して死に、姉は吉原に売られるた飛松。そんな飛松をかわいそうに思った善次郎は、かつて更沙屋の江戸店の主人であった時に奉公人として引き取ったという経緯があり、子供のいない善次郎にとってはわが子同然だった。
事実を知ったおりんは、飛松奪還のために奔走する。ところがそこには上州沼田藩主、真田信利の圧政に苦しむ領民の姿と藩政を揺るがす大きな事件が……。
史実にもある沼田藩改易事件をもとに、松尾芭蕉や新井白石、大老・堀田正俊、杉木茂左兵衛門といった実在の人物が重要なストーリーテラーとして登場し、史実とフィクションが入り混じった人間ドラマも読みどころのひとつ。華やかな大名家の生活を描く一方で、増税にあえぐ貧農の悲しい運命にもスポットを当てています。人間の美しさと醜さ、義とは命とは何か――喜怒哀楽のすべての感情を呼び覚ます、清らかな江戸人情時代小説です。
- 本の長さ345ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2015/2/6
- ISBN-104167903008
- ISBN-13978-4167903008
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2015/2/6)
- 発売日 : 2015/2/6
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 345ページ
- ISBN-10 : 4167903008
- ISBN-13 : 978-4167903008
- Amazon 売れ筋ランキング: - 344,540位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 4,486位文春文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2022年4月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
書店にも、出版元にも在庫無く、残念ん位思っていたのが、対へ良い状況で配送した頂き、感謝しています。
2015年9月8日に日本でレビュー済み
1作目の存在を知らず、読み始めたら、途中から、若干の消化不良になった。
1巻目に伏線を、2作目で、それとなく解説することなく、
「読んでるよね!」の大前提をもとに書かれている、印象。
高い割に、ページ数が多い割に、不親切な設定と言わざるを得ないが、かといって、
本作を読んで「墨染めの桜」を読みたい(=購入したい=散財したい)と、思わせることは、残念ながら、ない。
根底は、女性が、苦難の末に独り立ちし、商売で成功を収めるであろう、立身出世物語を描くことがあるのだろう。
それにしては、甘いし、皆親切だし、怖い思いもしないし、上手なはずの裁縫の腕前も出て来ない。
堀田正俊や柳沢吉保など、史実の人物も登場するので、次作以降の展開も気にはなるが、
「細腕繁盛記」並の起承転結、苦難とそれを乗り越える知恵を、現代の作家に求めるのは、酷なこと、
なのだろうか。
3時間前後。
和服の着こなし、季節感などの描写は、ほぼ皆無。
呉服好きが、柄や季節感を楽しめる描写も、皆無に等しい。
史実の愉しみは、次作以降のお楽しみか(つまり、本作には、ない)。
1巻目に伏線を、2作目で、それとなく解説することなく、
「読んでるよね!」の大前提をもとに書かれている、印象。
高い割に、ページ数が多い割に、不親切な設定と言わざるを得ないが、かといって、
本作を読んで「墨染めの桜」を読みたい(=購入したい=散財したい)と、思わせることは、残念ながら、ない。
根底は、女性が、苦難の末に独り立ちし、商売で成功を収めるであろう、立身出世物語を描くことがあるのだろう。
それにしては、甘いし、皆親切だし、怖い思いもしないし、上手なはずの裁縫の腕前も出て来ない。
堀田正俊や柳沢吉保など、史実の人物も登場するので、次作以降の展開も気にはなるが、
「細腕繁盛記」並の起承転結、苦難とそれを乗り越える知恵を、現代の作家に求めるのは、酷なこと、
なのだろうか。
3時間前後。
和服の着こなし、季節感などの描写は、ほぼ皆無。
呉服好きが、柄や季節感を楽しめる描写も、皆無に等しい。
史実の愉しみは、次作以降のお楽しみか(つまり、本作には、ない)。
2020年8月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
なぜ早くに篠綾子氏作品に出会わなかったのだろう。もちろん今になって出会えてとてもとても幸せなのですが。
篠さんの作品でとてもうれしいのが、ほとんど必ずと言っていいほどイケメンが出てくること。それが業平のように主役であったり更紗屋おりんのように脇役であったり。婆さんにとっては「お!出てきた!」とワクワクします。
ただ、この作品は少々切ないところもありましてね、人生のどん底ともいえる時から丁稚の立場でおりんを支え続けてきた末續がライバルに苦しむ…まあ最終巻では、その道もありかなと思える表現がありましたが。こういう作品を読んでから日本史を勉強したかったなとしみじみ思います。
篠さんの作品でとてもうれしいのが、ほとんど必ずと言っていいほどイケメンが出てくること。それが業平のように主役であったり更紗屋おりんのように脇役であったり。婆さんにとっては「お!出てきた!」とワクワクします。
ただ、この作品は少々切ないところもありましてね、人生のどん底ともいえる時から丁稚の立場でおりんを支え続けてきた末續がライバルに苦しむ…まあ最終巻では、その道もありかなと思える表現がありましたが。こういう作品を読んでから日本史を勉強したかったなとしみじみ思います。
2018年11月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
シリーズ2巻目も中盤を過ぎたところで、主人公にそれまで影も形もなかった兄がいるという設定になっていて驚愕!
もし初めからそういう設定なら、それまで何度も子供の頃を回想している中に兄の存在が全くないのはあまりにも不自然で、話を進める都合上兄がいることに設定変更したとしか思えず、作者または編集のあまりのご都合主義に興ざめしました。
もし初めからそういう設定なら、それまで何度も子供の頃を回想している中に兄の存在が全くないのはあまりにも不自然で、話を進める都合上兄がいることに設定変更したとしか思えず、作者または編集のあまりのご都合主義に興ざめしました。
2016年11月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
星五つというほどでもないかもしれないものの、先のレビュアーの方ほど酷いとは思わない。
黄蝶というのはタイトル通り象徴的に冒頭から終幕まで素材として出て来る。解説の葉室麟によると「京から江戸に向かった女人たち」を象徴しているのかもしれない。日本で蝶と云えばモンシロチョウだろうが、モンキチョウは少し特別。でも、モンシロ程度にはメジャーである。ウィキによるとモンシロは東北までいるがモンキは関東までらしい。鳥以上に身近で農民にとっては害虫でも都市民にとっては詩や音楽などに扱われていてもよいのに、そう云えば案外少ない。
沼田藩改易事件という史実を主題にしている。これは戦国三代からするとその後の真田氏の悲劇である。昌幸、幸村の代では家康に真っ向対抗し続けていても幸村の実兄信之だけは家康側に付いていて真田家は存続できた。普通は弱小でも勇者、智者であった武家の話として描かれて終わるところである。これが結局はこういう形で台無しになっていくという史話にしかなっていないということになるのかもしれないが、それがおりんの大きな物語の一つに含まれるということである。
芭蕉を実際に描くのは難しいしあまりないが、本品はその珍しいもののなかの一つでもある。松尾芭蕉は後半に登場し、思い入れ強く描かれている。「まだ若いが隠居者のように老成した感じが漂っている」、「山奥を流れる清水の音を聞くような、深みのある声」、「静かな声音に、・・・凄みが感じられた」、「穏やかな風貌の男であるというのに、人に乗じる隙を与えぬ緊張感が、芭蕉という俳人にはある」、「どこまでも冷静な声」、・・・・・・。漱石の声も残っていないが、芭蕉の声が録音できていたらどうだったろう。食べ物には苦労したろうから、随一の書かれた言葉の魅力に対して、声は案外高く弱かったかもしれない。
葉室は「作者が伝えたかったのは何なのか」と振り被って問い、歴史を俯瞰した後「ひとの生き方とは何なのか」、義侠とは、と答えている。おりんというのは「尾形光琳が若い娘に変成(へんじょう)して江戸に向かった物語かもしれない」という指摘も面白い。
黄蝶というのはタイトル通り象徴的に冒頭から終幕まで素材として出て来る。解説の葉室麟によると「京から江戸に向かった女人たち」を象徴しているのかもしれない。日本で蝶と云えばモンシロチョウだろうが、モンキチョウは少し特別。でも、モンシロ程度にはメジャーである。ウィキによるとモンシロは東北までいるがモンキは関東までらしい。鳥以上に身近で農民にとっては害虫でも都市民にとっては詩や音楽などに扱われていてもよいのに、そう云えば案外少ない。
沼田藩改易事件という史実を主題にしている。これは戦国三代からするとその後の真田氏の悲劇である。昌幸、幸村の代では家康に真っ向対抗し続けていても幸村の実兄信之だけは家康側に付いていて真田家は存続できた。普通は弱小でも勇者、智者であった武家の話として描かれて終わるところである。これが結局はこういう形で台無しになっていくという史話にしかなっていないということになるのかもしれないが、それがおりんの大きな物語の一つに含まれるということである。
芭蕉を実際に描くのは難しいしあまりないが、本品はその珍しいもののなかの一つでもある。松尾芭蕉は後半に登場し、思い入れ強く描かれている。「まだ若いが隠居者のように老成した感じが漂っている」、「山奥を流れる清水の音を聞くような、深みのある声」、「静かな声音に、・・・凄みが感じられた」、「穏やかな風貌の男であるというのに、人に乗じる隙を与えぬ緊張感が、芭蕉という俳人にはある」、「どこまでも冷静な声」、・・・・・・。漱石の声も残っていないが、芭蕉の声が録音できていたらどうだったろう。食べ物には苦労したろうから、随一の書かれた言葉の魅力に対して、声は案外高く弱かったかもしれない。
葉室は「作者が伝えたかったのは何なのか」と振り被って問い、歴史を俯瞰した後「ひとの生き方とは何なのか」、義侠とは、と答えている。おりんというのは「尾形光琳が若い娘に変成(へんじょう)して江戸に向かった物語かもしれない」という指摘も面白い。