氏の小説を読むのは、最初に鬼、次に白樺、そして「かけおちる」は3冊目になります。
どの作品も、主人公と、主人公を取り巻く人々がみんな美しいのです。
この人を切ったら、きっと赤い血が流れるのではなく、
清らかな湧き水が出てくるんじゃないかと思うくらいに皆美しい。
こんな風に美しく生きたいと思うけれど、こんな風に美しく生きるのは辛いのではないかと思います。
こんなに頑張らなくてもいい、もう少し楽に考えてよって、本の中に声をかけたくなるくらい。
それが辛い結末になったり、寂しくなったりするのですが、
本作は幸せに満ちた終わり方で良かったです。
あとがきに、食べるために書いたと書かれていましたが、買いますのでたくさん作品書いてください。
お願いします。
登場人物だけでなく、文章がすごく清潔感にあふれ、とても好きです。
もっともっと、たくさん読ませてください。

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かけおちる (文春文庫 あ 64-2) 文庫 – 2015/3/10
青山 文平
(著)
妻はなぜ逃げたのか。最旬作家の傑作時代長編
藩の執政として秘策を練る重秀はかつて、男と逃げた妻を斬った。二十年後に明らかになる女心の真相とは。松本清張賞作家の傑作。
藩の執政として秘策を練る重秀はかつて、男と逃げた妻を斬った。二十年後に明らかになる女心の真相とは。松本清張賞作家の傑作。
- 本の長さ278ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2015/3/10
- 寸法10.7 x 1.2 x 15.3 cm
- ISBN-104167903342
- ISBN-13978-4167903343
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
妻はなぜ逃げたのか。直木賞受賞作家が贈る傑作時代長編
藩の執政として秘策を練る重秀はかつて、男と逃げた妻を斬った。二十年後に明らかになる女心の真相とは。松本清張賞作家の傑作。
二十二年前、妻と姦夫を成敗した過去を持つ地方藩の執政・阿部重秀。残された娘を育てながら信じる道を進み、窮乏する藩財政を救う秘策をついに編み出した今、“ある事情"ゆえに藩政を退こうとするが―。重秀を襲ういくつもの裏切りと絶望の果て、明らかになる人々の“想い"が胸に響く、感涙の時代長編。
疲弊した藩財政の建て直しのため、ある秘策を実地した藩執政の阿部重秀。男と駆け落ちした妻を切り捨てた過去があるが、順調に出世していた。二十年の時が経ち、今また娘が同じ過ちを犯した時、愕然とする重秀のとった行動は、そして、妻はなぜ逃げたのか――伝わり良く、奥行きのある独自の文章表現、江戸の風俗や生活・経済のあり様が丁寧に描き込まれ、瑞々しい心情描写で絶賛された松本清張賞作家の受賞第二作。 いま最も次作を期待される直木賞候補作家、二冊目の文庫
藩の執政として秘策を練る重秀はかつて、男と逃げた妻を斬った。二十年後に明らかになる女心の真相とは。松本清張賞作家の傑作。
二十二年前、妻と姦夫を成敗した過去を持つ地方藩の執政・阿部重秀。残された娘を育てながら信じる道を進み、窮乏する藩財政を救う秘策をついに編み出した今、“ある事情"ゆえに藩政を退こうとするが―。重秀を襲ういくつもの裏切りと絶望の果て、明らかになる人々の“想い"が胸に響く、感涙の時代長編。
疲弊した藩財政の建て直しのため、ある秘策を実地した藩執政の阿部重秀。男と駆け落ちした妻を切り捨てた過去があるが、順調に出世していた。二十年の時が経ち、今また娘が同じ過ちを犯した時、愕然とする重秀のとった行動は、そして、妻はなぜ逃げたのか――伝わり良く、奥行きのある独自の文章表現、江戸の風俗や生活・経済のあり様が丁寧に描き込まれ、瑞々しい心情描写で絶賛された松本清張賞作家の受賞第二作。 いま最も次作を期待される直木賞候補作家、二冊目の文庫
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2015/3/10)
- 発売日 : 2015/3/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 278ページ
- ISBN-10 : 4167903342
- ISBN-13 : 978-4167903343
- 寸法 : 10.7 x 1.2 x 15.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 126,468位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,757位文春文庫
- - 23,701位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年3月15日に日本でレビュー済み
ネタばれになるので筋は明かしませんが、青山文平さんの丁寧な筆致が良く分かる秀作だと思います。心現れる作品をご希望の方には是非お勧めします。
2018年3月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
初めて読んだこの作者の作品は、「遠縁の女」であったが、そのしっかりとした文章に心地よさを覚えたものだった。久しぶりに読んだこの本も、きちんとした日本文に出会ったと感じて、清新な思いを抱きながら読み進んだ。
題名となった「かけおちる」とは、現代語で言うところの、男女による「かけおち」のことである。読み進めていくときに、「かけおち」と筋書きとがどこで重なるのかといぶかるような中味である。題名を間違えたのではないかと思うくらいに重厚な話で、しかも中味の面白さが読者をぐいぐいと引っ張っていく。しかし、要所要所にさりげなく伏せられた言葉の一言づつが、最後にこの物語を完成させるのである。
小説家として見事な手法であり、更なる作品を期待させるのだった。
著者は、「後書き」で、小説家になった経緯と、その後の生活について触れている。こんなことを「後書き」に書く小説家には初めて出会った。厭味になりがちな内容がそうではなく、作者の意見に同意したので、これまでに作者が発表した作品をすべてキンドルで購入した。海外出張時の友としてもって行く積りである。
題名となった「かけおちる」とは、現代語で言うところの、男女による「かけおち」のことである。読み進めていくときに、「かけおち」と筋書きとがどこで重なるのかといぶかるような中味である。題名を間違えたのではないかと思うくらいに重厚な話で、しかも中味の面白さが読者をぐいぐいと引っ張っていく。しかし、要所要所にさりげなく伏せられた言葉の一言づつが、最後にこの物語を完成させるのである。
小説家として見事な手法であり、更なる作品を期待させるのだった。
著者は、「後書き」で、小説家になった経緯と、その後の生活について触れている。こんなことを「後書き」に書く小説家には初めて出会った。厭味になりがちな内容がそうではなく、作者の意見に同意したので、これまでに作者が発表した作品をすべてキンドルで購入した。海外出張時の友としてもって行く積りである。
2019年2月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本作を読みました、重いテーマでしたが、最後のページで
「この人は重いことを軽く言う」で、、、私の肩の力も気持ち良くストンと抜けた、傑作です。
「この人は重いことを軽く言う」で、、、私の肩の力も気持ち良くストンと抜けた、傑作です。
2016年2月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
言葉を生業とする小説家が言葉にならない思いをテーマに書いた作品であることがおもしろい!と思う。人工的に鮭の産卵場を作る策や誰でも本を読める文庫を作って人材を集めたり、人が集まることによって地方を経済的に潤そうとするなどの興産の工夫や努力は、現代の地方起こしなどを想像させて興味深い。後半はストーリー展開のテンポが速く、一気に読んだ。作者は男性なので、理津や民江は自分の理想の女性象なのでは?リアルな女性は男性よりしたたかで、民江や理津のように自分の身を捨てても男の恩と愛情に報おうとはしない。が、言葉ではなく、言葉に出来ないがゆえになおさら真摯に自分の思いを貫こうとする心のありようは同じ女という性に生まれた者として共感できる。直木賞作家の書いた本という興味で読んでみたが、思いのほか(失礼)おもしろく、とても得をした気分。
2018年10月22日に日本でレビュー済み
中盤、序盤の背景説明がすんだあたりから、グイグイ読ます、面白さ、このようなドラマも、この時代背景なら、面白い、小説一冊に出来る。著者の文章力が、冴える。
2015年3月24日に日本でレビュー済み
藤沢周平の亜流っぽい匂い。だか、それでも、亜流と言い切れるなら大したもの。新潟、山形方面の話で鮭の人口遡上を促す取り組みの結果の成功から始まっている。藤沢周平が、もっぱらコメの話だったので、これは少し新しい。本草学、荻生徂徠などの名の下に村上鮭に迫る産業を起こそうとする。干物を作る手順の試行錯誤が描写される。思わず、荻生徂徠の著作を帰りの書店で探してしまう。そのような、畳み掛けるリアリティーがある。とりわけ、興産の場所に芭蕉碑のある地域を選択するというのは、キット作者苦労の発見だろう。
しかし、後半、問題の駆け落ちの場面、やはり女は、話し方や内容が現代的すぎる。裏表紙の惹き区をみて危惧していたことだ。いくら、時代を借りて今を語る小説と言っても、これでは、興産の部分がぶち壊しではないだろうか?それでも、一度生かした老いた妻を切る場面で、ともにかけおちるという展開は、映像であれば、思わぬどんでん返しと映るだろう。
そして、最後に本当のどんでん返しがやってくる。ちょっと出来過ぎとも読めるが、ユーモア感を残すまとめは、誰かが映像化したくなるだろう。また、映像作品になる場合、あまりキャストを選り好みせずとも魅せるものになると確信する。
この小説というか、文庫本に一つの難点があるとすれば、解説氏が欠け落ち問題しか、語っていない事だ。時代小説としては、そこはどうでも良いことだ。中心は、興産の話にある。ネタバレを気にしているのか?そうも思えないが。
しかし、後半、問題の駆け落ちの場面、やはり女は、話し方や内容が現代的すぎる。裏表紙の惹き区をみて危惧していたことだ。いくら、時代を借りて今を語る小説と言っても、これでは、興産の部分がぶち壊しではないだろうか?それでも、一度生かした老いた妻を切る場面で、ともにかけおちるという展開は、映像であれば、思わぬどんでん返しと映るだろう。
そして、最後に本当のどんでん返しがやってくる。ちょっと出来過ぎとも読めるが、ユーモア感を残すまとめは、誰かが映像化したくなるだろう。また、映像作品になる場合、あまりキャストを選り好みせずとも魅せるものになると確信する。
この小説というか、文庫本に一つの難点があるとすれば、解説氏が欠け落ち問題しか、語っていない事だ。時代小説としては、そこはどうでも良いことだ。中心は、興産の話にある。ネタバレを気にしているのか?そうも思えないが。