結構長い小説だったが、挫けることなく読み終えることができた。それには、帯にある〈三度読み推奨〉のミステリという謳い文句が引っかかっていたせいもある。しかも13編が適度な頁数で飽きさせない。各編が、サスペンスあり、ロマンスあり、はたまた初恋あり、還暦の恋あり、また国際的な恋ありと幅広く、バラエティに富んでいる。うーん、さすがは歌野晶午。ここまでで最初の満足感は得られる。
しかし、「錦の袋はタイムカプセル」でこの物語は1人の男の大河物語であることが判明する。快い騙され感である。これで二番目の満足感。しかして三番目は、以下の如く時系列順に読み直すことによってわかる。ネタバレもほどほどにではないが、ここまで記しても真の意味でネタバレにはならないところが歌野晶午の真骨頂か。
三番目の満足感が得られなかった方へのお節介として、文庫版解説より引用する。是非ともおためしあれ。それにしても文庫版のカバーイラストは、まったくの人寄せパンダ?
では、96頁をお開き下さい。以下は番号順にて。
①「遠い初恋」
小学5年生、小樽
②「ずっとあなたが好きでした」
中学3年生、神戸
③「マドンナと王子のキューピッド
高校2年生、広島
④「別れの刃」
大学1年生、東京
⑤「まどろみ」
大学4年生、東京
⑥「女!」
大学4年生、東京
⑦「舞姫」
就職1年目、パリ
⑧「匿名で恋をして」
30歳過ぎ、東京
⑨「ドレスと留袖」
40代、名古屋
⑩「黄泉路より」
50代、東京
⑪「幻の女」
50代、熊本
⑫「錦の袋はタイムカプセル」
60歳、小樽
⑬「散る花、咲く花」
60〜61歳、小樽
此処までの長駄文の読了に感謝致します。
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ずっとあなたが好きでした (文春文庫 う 20-3) 文庫 – 2017/12/5
歌野 晶午
(著)
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- 本の長さ669ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2017/12/5
- ISBN-10416790974X
- ISBN-13978-4167909741
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登録情報
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- 発売日 : 2017/12/5
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 669ページ
- ISBN-10 : 416790974X
- ISBN-13 : 978-4167909741
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上位レビュー、対象国: 日本
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2017年12月17日に日本でレビュー済み
2021年4月3日に日本でレビュー済み
いやぁ、これは。
読み出して半分近くの時点では、
「連作短編でもないし、独立した話ひとつひとつがオチがあるようなないような微妙な話を読まされてるだけであまり楽しめないなぁ、歌野晶午の作品というだけで読み始めたけど、これはちょっと外れかもしれない…」と思いながら読み進め、途中で読み飛ばす話もあったりするほどでした。
ところが、終盤2つの話を読むにつけ、ある事実が判明し、おおー?こ、これは!なるほどそういうことか!となりました。
それは、ともすれば荒唐無稽なだけで終わりそうな仕掛けであり、実際人によってはなんだそういうことか、で終わってもおかしくないんですが、僕にとってはそこはさすがの歌野晶午と思わされました。巧いし、ただの仕掛け重視ではなく、仕掛けが分かった後に読むとそれなりの深みがあります。唸りました。ネタバレできないのがもどかしい。
とにかくイチから再読したくなり、たいして興味なく読み飛ばした話も、吟味して読み直したくなりました。
星5つでも良いくらいなのですが、まだ全体像をはっきりとらえきれていない部分があるので、今の時点ではちょっと抑えめにしました。
読み出して半分近くの時点では、
「連作短編でもないし、独立した話ひとつひとつがオチがあるようなないような微妙な話を読まされてるだけであまり楽しめないなぁ、歌野晶午の作品というだけで読み始めたけど、これはちょっと外れかもしれない…」と思いながら読み進め、途中で読み飛ばす話もあったりするほどでした。
ところが、終盤2つの話を読むにつけ、ある事実が判明し、おおー?こ、これは!なるほどそういうことか!となりました。
それは、ともすれば荒唐無稽なだけで終わりそうな仕掛けであり、実際人によってはなんだそういうことか、で終わってもおかしくないんですが、僕にとってはそこはさすがの歌野晶午と思わされました。巧いし、ただの仕掛け重視ではなく、仕掛けが分かった後に読むとそれなりの深みがあります。唸りました。ネタバレできないのがもどかしい。
とにかくイチから再読したくなり、たいして興味なく読み飛ばした話も、吟味して読み直したくなりました。
星5つでも良いくらいなのですが、まだ全体像をはっきりとらえきれていない部分があるので、今の時点ではちょっと抑えめにしました。
2020年1月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
小学生~還暦過ぎ、北海道、広島、神戸~パリなど、年齢・場所も様々。バラエティに富んだ恋愛ミステリー短編 x13篇。なのですが、仕掛けがあります。
<ネタバレ>
あおり文句<三度読み推奨>ミステリー:普通に連作かな?と思ったのですが、それにしては主人公の名前が…とミスリードに嵌って。明かされるトリックは、まぁ、ちょっと強引な気もしますが、全体の流れはナルホドと納得。
ですが、題名とは違って恋にフラフラする主人公、感情移入出来ないこともあって、内容はあまり楽しめませんでした。
イヤミス好きなら、良いのかな。
<ネタバレ>
あおり文句<三度読み推奨>ミステリー:普通に連作かな?と思ったのですが、それにしては主人公の名前が…とミスリードに嵌って。明かされるトリックは、まぁ、ちょっと強引な気もしますが、全体の流れはナルホドと納得。
ですが、題名とは違って恋にフラフラする主人公、感情移入出来ないこともあって、内容はあまり楽しめませんでした。
イヤミス好きなら、良いのかな。
2015年6月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
普通の恋愛小説としても十分楽しめましたが、このような仕掛けがあったとは!!
最後のほうで気が付くのですが、途中で分かる人はほとんどいないと思いますよ。
最初のお話から順番に読んでください。
最後のほうで気が付くのですが、途中で分かる人はほとんどいないと思いますよ。
最初のお話から順番に読んでください。
2020年2月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これだけの分厚い本で、この程度か。。。と飼って読んで損した、その程度のどんでん返しでした。
2018年6月3日に日本でレビュー済み
「それ」に気づいた時の「あっ」の声色は、『葉桜の季節に君を想うということ』の時のものとよく似ていた。「声のカラー」が同系色だったのだ。声そのものの大きさは『葉桜~』の方が上だが、そのアイディア、タクラミの深さは本作に軍配が上かる。この個性豊かな登場人物たちが織り成す「一大恋愛絵巻」を完成させるに至った作者の根気と努力には脱帽だ。
全部読むと結構長い。一つ読んではしばらく休憩ということも何度かあった(一気読みさせられていたら☆マーク5)。まあ、人それぞれ感覚は千差万別で文体の好みもあるだろうが、長い道のり、あきらめなければそれだけの対価が支払われる可能性は大だと思う。
個人的に特に好きな作品は、淡い夢のような郷愁感に包まれる『遠い初恋』、潜在的イメージを巧みに利用したオチに吹き出してしまう『舞姫』、そして、「書き下ろし」だということに意義深さを感じる『錦の袋はタイムカプセル』あたりか。『錦の袋はタイムカプセル』は、もし実写化されたら誰が演じるのが「相応しい」のか? 歌野作品は映像困難なものが多いだろうが(安易にしてほしくない)、このお話ではそんな想像を膨らませてしまった。
ちなみに私のイメージとしては、文庫本の表紙よりも自分が手に取って読んだ単行本の少年の表紙のイメージがシックリくる・・・かな。読後から時間が経ったので、もう一度読み返してみたい。
さて、「あっ」という間に(?)舞い散ったそれぞれの花びらたちは、一体どこに流れ着くのだろうか?
全部読むと結構長い。一つ読んではしばらく休憩ということも何度かあった(一気読みさせられていたら☆マーク5)。まあ、人それぞれ感覚は千差万別で文体の好みもあるだろうが、長い道のり、あきらめなければそれだけの対価が支払われる可能性は大だと思う。
個人的に特に好きな作品は、淡い夢のような郷愁感に包まれる『遠い初恋』、潜在的イメージを巧みに利用したオチに吹き出してしまう『舞姫』、そして、「書き下ろし」だということに意義深さを感じる『錦の袋はタイムカプセル』あたりか。『錦の袋はタイムカプセル』は、もし実写化されたら誰が演じるのが「相応しい」のか? 歌野作品は映像困難なものが多いだろうが(安易にしてほしくない)、このお話ではそんな想像を膨らませてしまった。
ちなみに私のイメージとしては、文庫本の表紙よりも自分が手に取って読んだ単行本の少年の表紙のイメージがシックリくる・・・かな。読後から時間が経ったので、もう一度読み返してみたい。
さて、「あっ」という間に(?)舞い散ったそれぞれの花びらたちは、一体どこに流れ着くのだろうか?
2015年10月19日に日本でレビュー済み
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「好き」がテーマの短編集。歌野さんのことだから、普通のお話では終わらない、とは思っていましたが、やっぱり!という感じです。珍しく恋愛モノ?と思いきや…です。期待通りの作品。裏切りませんね。一つひとつのお話もそれぞれ面白いのに、さらなる仕掛けがあるとは…。いやはやさすがです。
2018年4月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
何で買ってしまったのかわからないが、兎に角対して面白くもなく、そもそも自分が嫌いな文体だった。高評価が多かったせいか期待し過ぎたかな…