氏の謀略小説は、スケールの壮大さの割にはあまり派手さを感じないが、地に足のついた安定感のある手練の筆致がストーリーのリアリティを高めていて、本書も同様。
ソ連の陰謀を阻止するための「桂離宮作戦」を描く展開で軽快に進んでいくが、中盤と終盤で鮮やかな捻りをみせる巧みなプロットが冴えている。
氏の謀略物としては、個人的ベストの「密約幻書」に次ぐ、いぶし銀の秀作です。
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イメージ付きのレビュー
上質なミステリ映画を観たときのような読後感
氏の謀略小説は、スケールの壮大さの割にはあまり派手さを感じないが、地に足のついた安定感のある手練の筆致がストーリーのリアリティを高めていて、本書も同様。ソ連の陰謀を阻止するための「桂離宮作戦」を描く展開で軽快に進んでいくが、中盤と終盤で鮮やかな捻りをみせる巧みなプロットが冴えている。氏の謀略物としては、個人的ベストの「密約幻書」に次ぐ、いぶし銀の秀作です。
