この時代の、英国のお話が大好きです。
物語の背景、衣装、風俗、登場する人々の考え方生き方、それぞれに
その描写力が素晴らしくて、まるで映画を見ているように次々とシーンが頭の中に浮かんできます。
思わずぐいぐいと引き込まれていって、あっという間に読んでしまいました。
最後に勧善懲悪とならないところが、やはりあちらの作品らしい。
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その歌声は天にあふれる 単行本 – 2005/12/1
舞台は十八世紀の英国。望まれない赤ん坊をロンドンにある「コーラム養育院」に連れていく、慈善の仲買人として知られていた行商人オーティスには、実は恐ろしい裏の顔があった。残忍な仲買人の父と汚れなき魂を持つ息子ミーシャク、彼が天使と慕う少女メリッサ、過酷な運命の下、夢を追う少年たち…
様々な人物が織りなす愛と友情、絆と葛藤。物語を彩る音楽の描写が美しい余韻を残す、痛ましくも力強い群像劇!
様々な人物が織りなす愛と友情、絆と葛藤。物語を彩る音楽の描写が美しい余韻を残す、痛ましくも力強い群像劇!
- 本の長さ427ページ
- 言語日本語
- 出版社徳間書店
- 発売日2005/12/1
- ISBN-104198621136
- ISBN-13978-4198621131
商品の説明
出版社からのコメント
★十八世紀の英国社会における、貧困や奴隷売買などの暗部や音楽の世界を背景に、少年たちの友情や親子の葛藤、自己犠牲などを描き、文豪ディケンズを彷彿とさせる本書は、2000年に英国で刊行され、同年ウィットブレッド児童文学賞受賞、カーネギー賞ノミネート。2005年には、ロンドンのナショナルシアターで舞台化されました。
★訳者:野の水生(幸田敦子の名でR.ゴダード『千尋の闇』、L.サッカーの『穴』他、訳書多数)
★装画:酒井駒子
★訳者:野の水生(幸田敦子の名でR.ゴダード『千尋の闇』、L.サッカーの『穴』他、訳書多数)
★装画:酒井駒子
登録情報
- 出版社 : 徳間書店 (2005/12/1)
- 発売日 : 2005/12/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 427ページ
- ISBN-10 : 4198621136
- ISBN-13 : 978-4198621131
- Amazon 売れ筋ランキング: - 655,645位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2007年7月2日に日本でレビュー済み
酒井駒子の表紙が美しい。
舞台は18世紀英国。様々な視点から語られる物語が、やがて一本の本流になってゆく。
行商人オーティスに殴られながら、生きる息子のミーシャク、
グロースター聖歌隊員の小学生のトマスとアレクサンダー、
そして孤児のアーロンとトビー。
18世紀英国の光と影。子どもが捨てられ死んで行く、過酷な世界に、聖歌隊の歌声、音楽への情熱。
訳が堅く児童文学ぽくないので、最後まで、この物語が悲劇へ向かっているのか、
そうでないのか判断がつかずハラハラした。
おきまりと言えばおきまりのパターンとも言えるのだが…
映画で観たい作品。
舞台は18世紀英国。様々な視点から語られる物語が、やがて一本の本流になってゆく。
行商人オーティスに殴られながら、生きる息子のミーシャク、
グロースター聖歌隊員の小学生のトマスとアレクサンダー、
そして孤児のアーロンとトビー。
18世紀英国の光と影。子どもが捨てられ死んで行く、過酷な世界に、聖歌隊の歌声、音楽への情熱。
訳が堅く児童文学ぽくないので、最後まで、この物語が悲劇へ向かっているのか、
そうでないのか判断がつかずハラハラした。
おきまりと言えばおきまりのパターンとも言えるのだが…
映画で観たい作品。
2005年12月18日に日本でレビュー済み
美しい表紙とタイトルに惹かれて手にした本だったが、おそらくは児童書の範疇なのであろう。
最近の児童書は、極めてやさしい言葉でつづられているものが多いように思えるのだが、本書はおとな向けの本と大差ない端正な言葉遣いで物語がかたられていく。
よい人間だからといってしあわせになるわけではない。悪い人間だからといって、罰を受けるわけではない。世の条理も不条理も、ともにこの世界の真実の姿である。正史が目を向けようとしない歴史の暗部のなかでも、人々は生き、そして死んでいくのだ。
18世紀英国の社会的常識は力弱い者にとって惨いものであるが、それを作者は「悪」とさえ規定していないように思える。
昨今、児童書に限らず、関心が「自分自身」へばかり向いている枠組みの小さな話が多いように思える。そのなかでは稀に見る、物語そのものを語る、大きな円を描く物語であろう。
最近の児童書は、極めてやさしい言葉でつづられているものが多いように思えるのだが、本書はおとな向けの本と大差ない端正な言葉遣いで物語がかたられていく。
よい人間だからといってしあわせになるわけではない。悪い人間だからといって、罰を受けるわけではない。世の条理も不条理も、ともにこの世界の真実の姿である。正史が目を向けようとしない歴史の暗部のなかでも、人々は生き、そして死んでいくのだ。
18世紀英国の社会的常識は力弱い者にとって惨いものであるが、それを作者は「悪」とさえ規定していないように思える。
昨今、児童書に限らず、関心が「自分自身」へばかり向いている枠組みの小さな話が多いように思える。そのなかでは稀に見る、物語そのものを語る、大きな円を描く物語であろう。