自分の気持ちに「まじめ」になってしまったら、「不まじめ」な恋愛になってしまった･･･
素直な気持ち。
あなたに恋をしたいという欲望
誰かに恋をしたいという欲望
あなたと肌を合わせたいという欲望
誰かと肌を合わせたいという欲望
「恋愛」という決して綺麗事で始まることはできたとしても、綺麗事では終われないもの。
それを綺麗に書くのではなく、ぶちまけてしまうところに潔さと切なさを垣間見ました。
･･･だって好きなんだもの･･･
そして、
･･･でも淋しいから･･･
人の気持ちは一筋縄では行かず、それが絡まってしまう。
薬物依存症でも離れられない･･･
別れた元妻と比べられても･･･
一歩離れて見ればゆがんでいるしずかの感情にさえも、ゆがんでいることを忘れてしまう引き込まれ方でした。
そして、終わりがわからない。
読み手を最後に突き放してしまう感が、この本を読んでいるときの自分に心地よかった。
恋愛なんてどこにでもあって、特別なことじゃなくて、という考えを捨ててしまいたくなるくらい、読み進める内に、胸の奥に眠っていたものをえぐられる、突き刺さる様な感覚がした作品でした。
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