ホラー系の作品もあるが、やはり印象深いのは、表題作と
その続編である「リセット」だろう。
その2作を含め福島原発事故の影響を強く感じさせるが、
2011年という年を考えればそれも当然だろう。
ケチを付けても仕方ないが、BOOKデータベースの「名うて
のホラー作家がアウトドアをメインの舞台に描く」は逆では
ないのか。
樋口氏は冒険小説、アウトドア小説の方が、むしろ本職だ
と思うのだが・・・。

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標高二八〇〇米 単行本 – 2011/11/26
樋口明雄
(著)
標高3193メートルの南アルプス北岳山頂――高山病に罹ったらしい小学5年生の息子・涼が訴えた頭痛で、早めの下山を決意した滝川。高度が下がるたびに、行き交う登山者たちの口から発せられる「携帯電話不通」「相棒クライマー行方不明」という言葉。そして、まるでデポされたかのように置き残された登山用具、無人状態のテントと山小屋……。標高2800メートル以下で、立て続けに起こる怪異現象に父子は? アウトドアホラーの傑作!
- 本の長さ322ページ
- 言語日本語
- 出版社徳間書店
- 発売日2011/11/26
- ISBN-104198632863
- ISBN-13978-4198632861
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商品の説明
出版社からのコメント
ホラーで名うての作家がアウトドアを舞台に、人間心理を巧みに描く、新感覚ホラーサスペンス! 特別書下し短篇も収録!
著者について
1960年、山口県生まれ。明治学院大学卒。雑誌記者、フリーライターなどを経て作家に。山梨県北杜市在住。『約束の地』で、第27回日本冒険小説協会大賞および第12回大藪春彦賞をダブル受賞。有害鳥獣対策犬ハンドラー資格取得。山梨県自然監視員。
登録情報
- 出版社 : 徳間書店 (2011/11/26)
- 発売日 : 2011/11/26
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 322ページ
- ISBN-10 : 4198632863
- ISBN-13 : 978-4198632861
- Amazon 売れ筋ランキング: - 648,451位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1960年山口県岩国市生まれ。
明治学院大学法学部卒。雑誌記者、フリーライターなどを経て作家に。
山梨県北杜市在住。
97年『頭弾』(講談社)にて、本格冒険小説の書き手として注目される。さらに『狼は瞑らない』『光の山脈』『クライム(男たちの十字架)』(角川春樹事務所)など、山岳冒険小説のジャンルでも活躍。
野生鳥獣保全管理官とベアドッグの活躍を描いた『約束の地』(光文社)で、第27回日本冒険小説協会大賞および第12回大藪春彦賞をダブル受賞。2013年、文庫版『ミッドナイト・ラン!』が、第2回エキナカ書店大賞を受賞。
南アルプス山系を舞台に、山岳救助犬とそのハンドラーである若い女性警察官の活躍を描いた『天空の犬』『ハルカの空』(徳間書店)に始まる『南アルプス山岳救助隊K-9』シリーズが代表作。
小説執筆の傍ら、八ヶ岳、南アルプスのエリアにて、野生鳥獣保全管理活動にも参加。有害鳥獣対策犬のハンドラーとしての資格を持ち、愛犬とともに地域活動に従事。
趣味はトレッキング、渓流釣り、焚火。
山梨県自然監視員。空手初段。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年6月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
さすが樋口昭雄さんです。とてもよかったです。特に最後の標高2800米はよかったです。
2014年2月18日に日本でレビュー済み
ストーリーを作れる方は尊敬するし、本書の内容が
著しく何か不満があるわけではないですが、
結果論として全部読むのに労力を費やした。
短編小説だが、どれも自然の中における人間の
存在について考えさせる内容になっている。
本のタイトルにもなっている「標高ニ八00米」が
恐らく、著者が最も伝えたいことを凝縮している
ような気がしました。
但し、これは個人的な感想になりますが、どのストーリー
も謎の大きさに比べて、結の部分が少し貧弱で
読み終わった後に後味の悪さが残る。
また、福島をテーマにするには、少々強引な
展開にしているので、あまり好きではない
結果となりました。
但し、これは個人的な感想なので、人間とは
そもそも何なのか?果たして自然の一部なのか
それとも、神から与えられたものなのか、など
哲学的に物事を捉える人には、著者の考え方
などと比較しながら、自分の考えをまとめてみたり
すると面白いかもしれません。
ホラーとなっておりましたが、恐怖ものではまったく
なく、タイトルどおり新感覚なホラーとなっております。
著しく何か不満があるわけではないですが、
結果論として全部読むのに労力を費やした。
短編小説だが、どれも自然の中における人間の
存在について考えさせる内容になっている。
本のタイトルにもなっている「標高ニ八00米」が
恐らく、著者が最も伝えたいことを凝縮している
ような気がしました。
但し、これは個人的な感想になりますが、どのストーリー
も謎の大きさに比べて、結の部分が少し貧弱で
読み終わった後に後味の悪さが残る。
また、福島をテーマにするには、少々強引な
展開にしているので、あまり好きではない
結果となりました。
但し、これは個人的な感想なので、人間とは
そもそも何なのか?果たして自然の一部なのか
それとも、神から与えられたものなのか、など
哲学的に物事を捉える人には、著者の考え方
などと比較しながら、自分の考えをまとめてみたり
すると面白いかもしれません。
ホラーとなっておりましたが、恐怖ものではまったく
なく、タイトルどおり新感覚なホラーとなっております。
2018年12月25日に日本でレビュー済み
問題小説に掲載された7短編と書き下ろし1編
僕は樋口さんほどではないがフライフィッシングをちょっとだけ嗜む。
だから、樋口さんの筆で描かれる渓流に溶け込む事ができる。
「渓にて」はまさに、そんな短編だ。
福島の事が出てくるのであるが、2010年12月号が初出だと記載されている。
樋口さんが予言したのか、それとも単行本化で加筆したのだろうか。
本書の中に描かれるいくつかの短編は、放射能という糸で紡がれている。
地球最後の日、そんなテクストが脳裏に浮かぶのだ、人間という愚かな動物を
描きだしている。
勝谷誠彦が10年前に綴り、今年単行本化した「ディアスポラ」と本小説が共鳴し合っているように
思った。
僕は樋口さんほどではないがフライフィッシングをちょっとだけ嗜む。
だから、樋口さんの筆で描かれる渓流に溶け込む事ができる。
「渓にて」はまさに、そんな短編だ。
福島の事が出てくるのであるが、2010年12月号が初出だと記載されている。
樋口さんが予言したのか、それとも単行本化で加筆したのだろうか。
本書の中に描かれるいくつかの短編は、放射能という糸で紡がれている。
地球最後の日、そんなテクストが脳裏に浮かぶのだ、人間という愚かな動物を
描きだしている。
勝谷誠彦が10年前に綴り、今年単行本化した「ディアスポラ」と本小説が共鳴し合っているように
思った。
2013年7月10日に日本でレビュー済み
ホラー、山岳冒険、現実と虚構を行き来するSF的な小品などの計9編。この人のは初めてだが、シンプルで明快な書きぶりが読みやすく、かつ楽しめた。ホラーに分類されるだろう数編は、抒情性こそ窺えるものの、実際は全然怖くなく、やや呆気ない。しかし、題材を諸種違えながらの達者な書き分けなど、ストーリー展開やタッチは新鮮で、面白く読むことができた。印象に残ったのは「闇の底より」。いささか不満が残るのが「最終電車」。