1989年に双葉社から出た単行本『晴れ曇り八丁堀』の改題・文庫化。1991年に双葉文庫から『晴れ曇り八丁堀』としても文庫化されている。
短編６本が収められている。
主人公がはっきりしない。八丁堀同心・稲毛作兵衛の妻のれんが主人公だと思うのだが、作兵衛のようにも思える。まあ、要はこの夫婦を中心に物語が描かれているのだ。
ひねりのある物語で、ストーリーが二転三転していく。多岐川作品の典型的、かつ分かりやすい一冊と思う。
手練れの作家による秀逸な娯楽作品だ。
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