最もシンプルな内容説明は「近来稀有の大密教行者と博覧強記の奇人の対談」でしょうか。
ほとんど何の説明もなく話が始まるので、テレビの対談番組を途中から見たような気にもなるのですが、会話の端々から真相を探るように“根源”を“視て”行く必要があります。（明石語録）
どうやら恵観氏が凄い行を成し遂げた人ということは分かるのですが、個人的に密教そのものに懐疑的なので、全面的に賛成しがたいものはあります。ただ、仏教系の凄い行をした人ということで奇跡的（奇跡ってのもキリスト教的な発想でしょ、明石先生）な念力があるというのは分からないではありません。
あと、本書は編集に問題ありです。
誰の台詞なのか［］で示してある所と抜けている所がある、「──」で始まる部分は司会者あるいは編集者だと思われますが、完全に確定しがたいですし、太字の部分も強調なのか司会なのか判然としません。先に挙げたそれぞれのプロフィールがないことも問題です。
脚注が多いのはまあ親切といえるのかもしれませんが、それよりはちゃんとしたカタチの本を作ってほしいところです。
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