姉を後宮に奪われて体制の打倒を誓い、著しく社会的公正を欠く社会の民主的変革を行い、1万5000光年に広がる人類社会をほぼ統一した獅子帝ラインハルト(しかし、非常に可愛く、人間くさい。類を絶する美貌の所有者でありながら淡白なまでに性愛欲求の少ないのだ《ヤンも同じ》。読了後10年経つ《14,5歳のときに読了した》が、今となってはあれほど自身を投影しえたヤンよりも、可愛く思える《笑》。ヒルダ嬢と一夜を共にする直前の落ち込みようなど、私が慰められてあげられたら…と思ったほど《ちなみに私は男性です(笑)》。ヤンと同じくらい、あるいは今ではそれを上回るくらい、友人になりたいキャラクターである。ラインハルトという人は…)と、その巨大な波頭から民主主義をたとえいくら小さくとも良い、民主政治の体制と建前を残そうとして、自らを、戦乱のなかで巨大な業績を上げえた-=大量の殺人を犯した-罪人と見なしながらなお、「硬直した思考」として本人は、少なくとも軍事戦略から徹底排除した「信念」に殉じたヤン・ウェンリー、二人の男の命の燃焼(何と輝かしい命か!!)を中心に織り成す銀河系ドラマは、ワーグナーの「指輪」のような壮大さで読むものを圧倒する。
ぜひ、ご一読願いたい作品である。
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銀河英雄伝説 VOL.20 落日篇 下 (徳間デュアル文庫 た 1-23) 単行本 – 2002/1/1
- 本の長さ227ページ
- 言語日本語
- 出版社徳間書店
- 発売日2002/1/1
- ISBN-104199050957
- ISBN-13978-4199050954
登録情報
- 出版社 : 徳間書店 (2002/1/1)
- 発売日 : 2002/1/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 227ページ
- ISBN-10 : 4199050957
- ISBN-13 : 978-4199050954
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,247,871位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 108位デュアル文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
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1952年10月22日、熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。1978年在学中に「緑の草原に…」で、幻影城新人賞受賞。1988年「銀河英雄伝説」にて第19回星雲賞受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 野望円舞曲〈9〉 (ISBN-13: 978-4199052019 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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5つのうち4.7つ
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2004年2月14日に日本でレビュー済み
長かった銀英伝シリーズもついに終わりです。
『伝説が終わり歴史が始まる』
ラストを飾った言葉ですが、本当にその通りだなぁと思いました。帝国軍と同盟軍の長い抗争と、2人の天才の生死、数々の英雄たちの活躍・・・。本当に伝説となる激動の時代が終わりを告げ、次世代の子供達に引き継がれていきます。生まれたばかりの王朝と芽吹いたばかりの民主主義の思想はどう発展を遂げるのか。読者の想像の幅が広がって楽しみですね。銀英伝は長いお話ですが、読みきったときの感動は大きいです。登場人物それぞれが生きて戦って人生を歩んでいる、そう実感できる作品です。この『落日篇』を読んで改めて思いました。
『伝説が終わり歴史が始まる』
ラストを飾った言葉ですが、本当にその通りだなぁと思いました。帝国軍と同盟軍の長い抗争と、2人の天才の生死、数々の英雄たちの活躍・・・。本当に伝説となる激動の時代が終わりを告げ、次世代の子供達に引き継がれていきます。生まれたばかりの王朝と芽吹いたばかりの民主主義の思想はどう発展を遂げるのか。読者の想像の幅が広がって楽しみですね。銀英伝は長いお話ですが、読みきったときの感動は大きいです。登場人物それぞれが生きて戦って人生を歩んでいる、そう実感できる作品です。この『落日篇』を読んで改めて思いました。
2006年1月28日に日本でレビュー済み
アニメから興味を持って、原作を外伝と本伝をいっきに、購入して読んでしまいました。
良かった・・・。
三国志の要素とSFの要素が、ミックスしていて最高でした。
良かった・・・。
三国志の要素とSFの要素が、ミックスしていて最高でした。
2003年3月22日に日本でレビュー済み
ラインハルトがまさに死に向かっていく中で、今まで活躍してきた全ての登場人物たちの伝説の中での役割が帰結していきます。ある人には名誉ある死、ある人には栄光ある生。その姿が描かれていきます。
当然、物語である以上終わりが無ければいけないのですが、紡いで来た物語が素晴らしければ素晴らしいほど終わらせるのが難しい中、作者が非常に荘厳に終わらせています。全ての銀河の戦乱と混乱がラインハルトという一人の英雄の死を悼むように終わっていきます。
惜しむらくは終わってしまうという点でしょうか
当然、物語である以上終わりが無ければいけないのですが、紡いで来た物語が素晴らしければ素晴らしいほど終わらせるのが難しい中、作者が非常に荘厳に終わらせています。全ての銀河の戦乱と混乱がラインハルトという一人の英雄の死を悼むように終わっていきます。
惜しむらくは終わってしまうという点でしょうか