話の筋は、大まかに言うと凶悪な不良グループに牛耳られているある学園に主人公が転校していくことで始まります。主人公は月齢によって、生命力や身体能力が大きく左右される人狼ですが、それによって数奇な運命を生きてきており「人間」にも「人生」にも絶望しています。満月時は絶大な不死身性と能力を持っている彼も、新月時は並の人間並みになってしまう、そこがミソです。
彼は人間と関わって悲劇を呼び寄せてしまう自分の運命を呪っており、誰にも関わらないようにしていますが、厄災を呼び寄せてしまう運命を生まれながらに持っており、それを占った占星術師はそれを占った直後に亡くなっている・・という感じのお話です。
小説版ウルフガイは読んだことあるので、期待せず何となく読んだのですがレベルが高く驚きました。キャラデザ、デッサン力、セリフの取捨選択、フキダシの配置と絵の構成のバランス、アクションにおけるスピード感、などなどほとんど文句の付け所が亡くマンガとして非常に高レベルの作品です。好みや主観を排して技術点で採点するなら満点以外つけようがありません。強いて文句を言えば、登場人物が中学生にしてはオッサンすぎか?という点くらいです。
ウルフガイに限らず、多くの小説原作のコミカライズ作品を読んできましたが、成功している作品というと、百に一つくらいの割合ではないでしょうか。その中でも当作品は飛び抜けて高レベルと言える作品です。ウルフガイも古い作品なので、多くのコミカライズ作品を目にしてきましたが、ほとんどが原作のシリアスの世界観を表現し切れるほどの画力が足りていないか、マンガのストーリーテリング能力と構成力が悪くて、別物のように(実際,別物のように変えられていることが多い)つまらなくなっているか、のどちらかでしたが、当作品は違います。
たいていのコミカライズが「原作のおもしろさ」をほとんど表現できていなくて、つまらなくなっているのにたいし、この作品の場合、「これが面白くないなら原作の責任を問える」レベルです。
見覚えのある構成や絵だな、と思ったら、「アクメツ」「コミックマスターJ」の田畑由秋 余湖裕輝のコンビが関わっているのですね。泉谷あゆみって聞き覚え有るけど誰だっけ?と思ったら月光魔術団の挿絵をやっていたイラストレーターさんでした。
たいていコミカライズというと、経験値の低い新人作家や、売れない作家がやることが多いも失敗が多い理由の一つでしょうが、田畑 余湖コンビは、それだけで面白い漫画を描ける二人ですから、レベルが高いのも頷けます。
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ウルフガイ 1 (ヤングチャンピオンコミックス) コミック – 2007/8/21
- 言語日本語
- 出版社秋田書店
- 発売日2007/8/21
- ISBN-104253150519
- ISBN-13978-4253150514
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登録情報
- 出版社 : 秋田書店 (2007/8/21)
- 発売日 : 2007/8/21
- 言語 : 日本語
- ISBN-10 : 4253150519
- ISBN-13 : 978-4253150514
- Amazon 売れ筋ランキング: - 477,701位コミック
- カスタマーレビュー:
著者について
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1968年生まれ。漫画脚本家。
1996年、ヤングキングOURSにて「コミックマスターJ」でデビュー。
作画の余湖裕輝とはデビュー以来、共同で漫画制作をしている。
代表作・「コミックマスターJ」(作画・余湖裕輝)「アクメツ」(作画・余湖裕輝)、「ウルフガイ」(原作・平井和正 作監・余湖裕輝 作画・泉谷あゆみ)、「SAMON 柳生非情剣」(原作・隆慶一郎 作画・余湖裕輝)、「真マジンガーZERO」(原作・永井豪 作画・余湖裕輝)、「ニンジャスレイヤー」(原作・ブラッドレー・ボンド&フィリップ・モーゼズ 作画・余湖裕輝)、「ヤングブラックジャック」(原作・手塚治虫 作画・大熊ゆうご)「トライバルズ」(作画・余湖裕輝)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2012年4月8日に日本でレビュー済み
2021年10月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
主人公がまったく・ぜんぜん中学生には見えない。高校生という設定にでもすればよかったのに。
あと、話の進行具合もよろしくない。
ウルフガイは名前だけ知ってましたが、コミック化は素直に嬉しいですけどね。
もう少し読んではみますが、エロシーンもだいぶ抑え気味ですし(まったくエロくない)、そういうところもノレないし、印象にも残りにくいかな、という気がします。
大ゴマをむやみに使いすぎている気もしますし。
あと、話の進行具合もよろしくない。
ウルフガイは名前だけ知ってましたが、コミック化は素直に嬉しいですけどね。
もう少し読んではみますが、エロシーンもだいぶ抑え気味ですし(まったくエロくない)、そういうところもノレないし、印象にも残りにくいかな、という気がします。
大ゴマをむやみに使いすぎている気もしますし。
2021年12月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
全巻通しての感想。
この犬神という人類を超越した人狼の考えなしの行動(幼稚ともいえる)が、ヤサグレ共の感情を必要以上に逆撫でし、とんでもない暴走行為を誘発させます。
一般人はほぼ例外なくそれに巻き込まれ人生を狂わされてしまいす。
(ま、早い話、コイツ(犬神)にビビらされても、芯まで怯えきらず、却って反発心が燃えるあがるってことは、犬神なんざぁ大した野郎じゃねーってこってすよ。「お前はバカ丸出しだー!」とか康一くんが居たら言われそうでんな)
また、この漫画は現在に設定がシフトしているので、より陰湿な表現もあり、気分が悪く胸がムカムカします。
ただ評価すべきは絵柄でしょうか。
連載当初であるこの巻などは、どのコマも野性的で躍動感のあるイラストのようで素晴らしいです。
(まぁ巻が進むごとに、こなれて行って雑になっていきますが、迫力は失われません)
泉谷先生ですか?ゲーメストのKOF94攻略ムックのイラスト見た時から「うぉ!カッコいいこの絵」と思っていましたが。
この犬神という人類を超越した人狼の考えなしの行動(幼稚ともいえる)が、ヤサグレ共の感情を必要以上に逆撫でし、とんでもない暴走行為を誘発させます。
一般人はほぼ例外なくそれに巻き込まれ人生を狂わされてしまいす。
(ま、早い話、コイツ(犬神)にビビらされても、芯まで怯えきらず、却って反発心が燃えるあがるってことは、犬神なんざぁ大した野郎じゃねーってこってすよ。「お前はバカ丸出しだー!」とか康一くんが居たら言われそうでんな)
また、この漫画は現在に設定がシフトしているので、より陰湿な表現もあり、気分が悪く胸がムカムカします。
ただ評価すべきは絵柄でしょうか。
連載当初であるこの巻などは、どのコマも野性的で躍動感のあるイラストのようで素晴らしいです。
(まぁ巻が進むごとに、こなれて行って雑になっていきますが、迫力は失われません)
泉谷先生ですか?ゲーメストのKOF94攻略ムックのイラスト見た時から「うぉ!カッコいいこの絵」と思っていましたが。
2015年11月13日に日本でレビュー済み
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そもそも漫画が苦手なので星が少ないですが、原作が大好きなので買ってみました。原作は高校生のころに読み、一文字ずつ書き写したほどに好きで好きで・・・原作の平井先生に手紙を書き、それから何年も文通をさせていただいた、思い出深い作品です。そのころの思いを、思い出させてくれた漫画でした。結局、漫画も全作買ってしまいましたとさ。
2010年6月10日に日本でレビュー済み
一冊の名作小説を元にした作品です。この巻については、再現への努力として、悪くない出来です。ジャンルで言えば、ハードバイオレンスヒーローアクションといったところだと思います。狼男ものの、リアリティあるシリアスなストーリーです。激しい殺陣シーンなどに耐性のある方ならば、充分楽しめると思います。
2007年9月16日に日本でレビュー済み
もう今から30数年前の小説『狼の紋章』が原作です。
作画の泉谷あゆみさんは、『月光魔術團』のイラスト描いていた人です。
時代のアレンジも良く、狼男の不死身、ナイフの話など、これから楽しみな作品です。
作画の泉谷あゆみさんは、『月光魔術團』のイラスト描いていた人です。
時代のアレンジも良く、狼男の不死身、ナイフの話など、これから楽しみな作品です。
2015年3月8日に日本でレビュー済み
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とある事情で途中から見たのですが、やはり気になって最初から購入しました。序盤は犬神と青鹿先生そして羽黒、千葉、竜子らとの出会いです。さっそく犬神は不良の黒田らに絡まれますが無傷で切り抜けます。しかしそれがさらに彼らをエスカレートさせて・・・
2020年4月28日に日本でレビュー済み
こてこての劇画タッチながら作画は十分に描き込まれていて、構図や引きなど含め完成度は高い。
15歳の中学生という設定ながら、同級生達は20歳ぐらいにしか見えないのは難点。
問題はテーマの方で、原作が古いのもあってやたら人類の愚かしさや警鐘に満ちているのは構わないのだけれど、論理的な部分では自己矛盾というか支離滅裂な部分すら散見されて、納得も共感もしにくい。
主人公は人狼という別種の立場でどや顔しながら上から目線で「人類など矮小で愚か、興味ない」などと断罪しまくるのだが、どの場合も最初から明らかに喧嘩を売っているし、(自分はそりゃ不死身で構わないのだろうが)周囲に目を覆う様な被害を出しまくりである。
不死身レベルで怪我が治るのは主人公の振る舞いから誰でも容易に察しが付くのに、本人はいたって真面目に人狼であることを隠してるなんてもう噴飯レベルに頭が悪い。
この馬鹿な主人公がわざわざ不良やヤクザの息子を過剰に煽ったその結果として、無関係な在校生が爆破で無駄に死亡しまくったり、下半身不随だの過剰な陵辱で自我崩壊に至るだのさんざんな有様。
そのくせ本人は最終的に愛と人類の為に戦うとか生き甲斐を見いだしてるのだから、救いが無い。
【そもそも人狼の際には街の不良や暴力団抗争のヒットマン達を一方的に殺戮しまくり】
ギャグ漫画でもないシリアスな作品なのに主人公だけが飛び抜けて頭が悪いというのは、ある意味で希有なものかも知れない。
15歳の中学生という設定ながら、同級生達は20歳ぐらいにしか見えないのは難点。
問題はテーマの方で、原作が古いのもあってやたら人類の愚かしさや警鐘に満ちているのは構わないのだけれど、論理的な部分では自己矛盾というか支離滅裂な部分すら散見されて、納得も共感もしにくい。
主人公は人狼という別種の立場でどや顔しながら上から目線で「人類など矮小で愚か、興味ない」などと断罪しまくるのだが、どの場合も最初から明らかに喧嘩を売っているし、(自分はそりゃ不死身で構わないのだろうが)周囲に目を覆う様な被害を出しまくりである。
不死身レベルで怪我が治るのは主人公の振る舞いから誰でも容易に察しが付くのに、本人はいたって真面目に人狼であることを隠してるなんてもう噴飯レベルに頭が悪い。
この馬鹿な主人公がわざわざ不良やヤクザの息子を過剰に煽ったその結果として、無関係な在校生が爆破で無駄に死亡しまくったり、下半身不随だの過剰な陵辱で自我崩壊に至るだのさんざんな有様。
そのくせ本人は最終的に愛と人類の為に戦うとか生き甲斐を見いだしてるのだから、救いが無い。
【そもそも人狼の際には街の不良や暴力団抗争のヒットマン達を一方的に殺戮しまくり】
ギャグ漫画でもないシリアスな作品なのに主人公だけが飛び抜けて頭が悪いというのは、ある意味で希有なものかも知れない。