一度は１巻で完結し、連載誌を変えて再会した期待作の待望の２巻目がついに発売しましたね。
１巻を読んだ時にこの作品はおもしろかったなぁと思った人はぜひ、この２巻を手にとって読んでみてください。１巻の期待を裏切らない仕上がりになっていることと思います。
１巻でもレビューさせていただいた時にも書いたことですが、やはりこの作品で光る物は守月さんのイラストの綺麗さです。とくに女の子の可愛さです。
最近の作品はキャラが良ければウケる時代とも言われていますが、この作品はキャラがいいだけではないのです。この作品の一人一人のキャラ、そしてそのキャラの描き方一つ一つが作品の底を最大限引き出している所がすばらしいなと感じております。
守月さんが普段R-18方面で書かれている方だからなのか、人物の表情の作り方がとてもうまいのです。前のレビューでも書いたことなのですがもう一度書かせてください、表情が素晴らしいのです。女の子がしてはならないような恍惚に満ちた顔や憎悪に満ちた顔がたくさん出てきます。すごいです。
全体的に２巻を読んで一番惹かれたのが、作中に出てくる"冬輝"というキャラのデザインでした。
ネタバレになってしまうかもしれませんが、巷じゃあ○の娘というジャンルが流行っています。流行りの作品には一人必ずいます。
それらのキャラが大抵狙ったように○の娘なのですが、冬輝というキャラの造型が、○の娘ではなく○○男子であるということ。読み始めてすぐこいつは○○だってわかります。個人的に○の娘と○○男子の境界線って難しいことと感じているのですが、この作家さんはちゃんとしっかり○○男子としてはっきりとキャラを書いてるのです。キャラの見た目だけでなくしゃべり方や人格できちっとかつはっきりと"こういうやつです"と描写する真っ直ぐさはすごいなと思いました。
あとは、この作品１話ごとに読者に対して違うアプローチを投げかけているのが印象的だなと思いました。短期連載だからなのかもしれませんが、似たような作品でメジャーな地○少女ですと、依頼者の環境やシチュエーションが異なって少しずつ話が進んで行きます。しかしこの作品は、１話ごとに"アクセント"が変わります。１巻でいうと、最初は"この作品はこういうものです"というプロローグ。２つ目は"対象を消すためではなく救うために呪いを使う"。３つ目は"依頼者が初っ端から心変りして主人公に恋をしてしまう"。という風に物語が変わると作品の要素の趣旨が変わって行きました。この２巻でも３つのストーリーが描かれますが、それぞれまったく異なる展開、終わりを迎えます。といっても３つめは次巻に持ち越しですが。
世間一般には認知されない官能系の漫画ではありますが、とにかくイラストはすごいわ漫画として普通に面白いわで、もっと色んな人に読んでもらいたい作品だなと思いました。
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