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テロリストの息子 (TEDブックス) 単行本(ソフトカバー) – 2015/12/5
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購入オプションとあわせ買い
憎しみの中に育っても、「選択」することはできる。
ジハードを唱えるようになった父親が殺人を犯したとき、その息子はまだ7歳だった。
1993年、投獄中の父はNY世界貿易センターの爆破に手を染める。家族を襲う、迫害と差別と分裂の危機。
しかし、狂気と憎悪が連鎖するテロリズムの道を、彼は選ばなかった。
共感と平和と非暴力の道を自ら選択した、テロリストの息子の実話。
ヤングアダルト読者に特に訴える一般書に贈られる全米図書館協会アレックス賞受賞。
訳者は『ヒップな生活革命』の佐久間裕美子。
Small books, big ideas. 未来のビジョンを語る。
人気のTEDトークをもとにした「TEDブックス」シリーズ日本版、創刊!!
「僕はこれまでの人生を、何が父をテロリズムに惹きつけたのかを理解しようとすることに費やしてきた。
そして、自分の体の中に父と同じ血が流れているという事実と格闘してきた。僕が自分のストーリーを語るのは、
希望を与えるような、誰かのためになるようなことをしたいからだ。それは狂信の炎の中で育てられながらも、
代わりに非暴力を受け入れた若者の姿を見せること。自分を崇高な人物として描くことはできないけれど、
僕ら一人ひとりの人生にはテーマがあって、僕の場合はこれまでのところ、たとえば、こんなところだ。
誰にだって選択する権利がある。憎むことを教え込まれても、寛容な生き方を選択することはできる。
共感の道を選ぶことはできるのだ」(本書より)
ジハードを唱えるようになった父親が殺人を犯したとき、その息子はまだ7歳だった。
1993年、投獄中の父はNY世界貿易センターの爆破に手を染める。家族を襲う、迫害と差別と分裂の危機。
しかし、狂気と憎悪が連鎖するテロリズムの道を、彼は選ばなかった。
共感と平和と非暴力の道を自ら選択した、テロリストの息子の実話。
ヤングアダルト読者に特に訴える一般書に贈られる全米図書館協会アレックス賞受賞。
訳者は『ヒップな生活革命』の佐久間裕美子。
Small books, big ideas. 未来のビジョンを語る。
人気のTEDトークをもとにした「TEDブックス」シリーズ日本版、創刊!!
「僕はこれまでの人生を、何が父をテロリズムに惹きつけたのかを理解しようとすることに費やしてきた。
そして、自分の体の中に父と同じ血が流れているという事実と格闘してきた。僕が自分のストーリーを語るのは、
希望を与えるような、誰かのためになるようなことをしたいからだ。それは狂信の炎の中で育てられながらも、
代わりに非暴力を受け入れた若者の姿を見せること。自分を崇高な人物として描くことはできないけれど、
僕ら一人ひとりの人生にはテーマがあって、僕の場合はこれまでのところ、たとえば、こんなところだ。
誰にだって選択する権利がある。憎むことを教え込まれても、寛容な生き方を選択することはできる。
共感の道を選ぶことはできるのだ」(本書より)
- 本の長さ188ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日出版社
- 発売日2015/12/5
- ISBN-104255008957
- ISBN-13978-4255008950
商品の説明
著者について
ザック・エブラヒム(Zak Ebrahim)
1983年3月24日アメリカ・ペンシルべニア州ピッツバーグ生まれ。工業エンジニアのエジプト人を父に、
学校教師のアメリカ人を母に持つ。7歳のとき、父親がユダヤ防衛同盟の創設者であるラビ・メイル・カハネを
銃撃し殺害した。彼の父、エル・サイード・ノサイルは服役中に1993年の世界貿易センターの爆破を仲間とともに
共同で計画する。エブラヒムはその後の少年時代を街から街へと移動して過ごし、彼の父を知る人々からは
自分が何者かを隠して暮らした。彼は現在、テロリズムに反対する立場をとり、平和と非暴力のメッセージを
拡散させることに自分の人生を捧げている。2013年にはニューヨークで開催されたTEDの公募イベントに参加し、
翌年のTEDメインカンファレンスではスピーカーに選出された。本書はそのTEDトークをもとにしている。
ジェフ・ジャイルズ(Jeff Giles)
ニューヨーク在住のジャーナリスト・小説家。『ニューヨーク・タイムズ・ブック・レビュー』『ローリング・ストーン』
『ニューズウィーク』誌に寄稿し、『エンターテインメント・ウィークリー』誌では主席編集者を務める。
ヤング・アダルトを対象とした初の小説が2016年にブルームズベリー社から出版予定。
訳者:佐久間裕美子(さくま・ゆみこ)
1973年生まれのライター。慶應義塾大学を卒業後、イェール大学大学院で修士号を取得。1998年からニューヨーク在住。
新聞社のニューヨーク支局、出版社、通信社勤務を経て2003年に独立。これまで、アル・ゴア元アメリカ副大統領から
ウディ・アレン、ショーン・ペンまで、多数の有名人や知識人にインタビューした。
翻訳書に『日本はこうしてオリンピックを勝ち取った! 世界を動かすプレゼン力』(NHK出版)、著書に『ヒップな生活革命』(朝日出版社)。
1983年3月24日アメリカ・ペンシルべニア州ピッツバーグ生まれ。工業エンジニアのエジプト人を父に、
学校教師のアメリカ人を母に持つ。7歳のとき、父親がユダヤ防衛同盟の創設者であるラビ・メイル・カハネを
銃撃し殺害した。彼の父、エル・サイード・ノサイルは服役中に1993年の世界貿易センターの爆破を仲間とともに
共同で計画する。エブラヒムはその後の少年時代を街から街へと移動して過ごし、彼の父を知る人々からは
自分が何者かを隠して暮らした。彼は現在、テロリズムに反対する立場をとり、平和と非暴力のメッセージを
拡散させることに自分の人生を捧げている。2013年にはニューヨークで開催されたTEDの公募イベントに参加し、
翌年のTEDメインカンファレンスではスピーカーに選出された。本書はそのTEDトークをもとにしている。
ジェフ・ジャイルズ(Jeff Giles)
ニューヨーク在住のジャーナリスト・小説家。『ニューヨーク・タイムズ・ブック・レビュー』『ローリング・ストーン』
『ニューズウィーク』誌に寄稿し、『エンターテインメント・ウィークリー』誌では主席編集者を務める。
ヤング・アダルトを対象とした初の小説が2016年にブルームズベリー社から出版予定。
訳者:佐久間裕美子(さくま・ゆみこ)
1973年生まれのライター。慶應義塾大学を卒業後、イェール大学大学院で修士号を取得。1998年からニューヨーク在住。
新聞社のニューヨーク支局、出版社、通信社勤務を経て2003年に独立。これまで、アル・ゴア元アメリカ副大統領から
ウディ・アレン、ショーン・ペンまで、多数の有名人や知識人にインタビューした。
翻訳書に『日本はこうしてオリンピックを勝ち取った! 世界を動かすプレゼン力』(NHK出版)、著書に『ヒップな生活革命』(朝日出版社)。
登録情報
- 出版社 : 朝日出版社 (2015/12/5)
- 発売日 : 2015/12/5
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 188ページ
- ISBN-10 : 4255008957
- ISBN-13 : 978-4255008950
- Amazon 売れ筋ランキング: - 897,520位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 6,466位外交・国際関係 (本)
- - 111,112位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年12月16日に日本でレビュー済み
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相手を、思いやる大切さを考えさせられましたし、テロがなくなる世の中、人がテロに走る必要のない教育、衣食住、仕事が行きわたるようになってほしいと、考えさせられます。読んでよかったです。
2016年3月11日に日本でレビュー済み
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TEDで著者の動画を見て、興味を持ったので本書を読んでみました
著者の父親はエジプトからの移民でアメリカ人女性と結婚して、アメリカに定住していたのですが、ちょっとしたつまづきからイスラム過激思想へと傾倒していくことになります
似たような過激思想を持つ仲間たちと懇意になるにつれ、ついに爆破テロ事件へと関わるようになってしまいました
これは、昨今よく言われてるホームグロウンテロではないかと思います
移民したもののその国へ上手く適応することができずにふとしたきっかけで過激思想へと傾倒していく・・・・
パリのテロ事件を起こしたのもイスラム圏から移住した移民たちです
著者はテロリストの息子として、過酷な人生を歩むことになってしまったわけですが、大勢の人々と関わることによって
父親に吹き込まれた過激思想に疑問を持ち、父親とは別の人生を歩むことができました
「偏見はバカバカしい。偏見が機能するのは扉の外に出ないときだけだ。」と著者は言いますが、過激思想への傾倒を防ぐには
自分とは違った思想を持つ人々といかに関わっていくかにあるのではないかと思います。
著者の父親はエジプトからの移民でアメリカ人女性と結婚して、アメリカに定住していたのですが、ちょっとしたつまづきからイスラム過激思想へと傾倒していくことになります
似たような過激思想を持つ仲間たちと懇意になるにつれ、ついに爆破テロ事件へと関わるようになってしまいました
これは、昨今よく言われてるホームグロウンテロではないかと思います
移民したもののその国へ上手く適応することができずにふとしたきっかけで過激思想へと傾倒していく・・・・
パリのテロ事件を起こしたのもイスラム圏から移住した移民たちです
著者はテロリストの息子として、過酷な人生を歩むことになってしまったわけですが、大勢の人々と関わることによって
父親に吹き込まれた過激思想に疑問を持ち、父親とは別の人生を歩むことができました
「偏見はバカバカしい。偏見が機能するのは扉の外に出ないときだけだ。」と著者は言いますが、過激思想への傾倒を防ぐには
自分とは違った思想を持つ人々といかに関わっていくかにあるのではないかと思います。
2018年6月29日に日本でレビュー済み
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人が善き選択をするためには、知と経験が必要である。そしてそれらを善き判断に結び付ける思考が必要である。全人類に彼の声を聞いてほしい。
2016年4月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ある状況に追い込まれた時にテロリストにもなってしまう可能性を、人は誰もが持っているのかもしれない。
テロリストの息子という特別な立ち位置の著者が、一番乗りやすい波だったであろうものに乗らない選択をした。
憎しみや破壊という上っ面の、だけれども強力な流れに引きずり込まれない人間力がある。
テロリストの息子という特別な立ち位置の著者が、一番乗りやすい波だったであろうものに乗らない選択をした。
憎しみや破壊という上っ面の、だけれども強力な流れに引きずり込まれない人間力がある。
2019年1月27日に日本でレビュー済み
純朴で敬虔なイスラム教徒の父親が過激派に堕ちていく様から、誰にでも過激派に感化されてしまう可能性があることが伝わってくる。また、テロリストの息子としていじめられ続ける筆者が、世間への憎しみや諦めを克服していく様など多くの事を考えさせられる本だった。
翻訳はなかなか悪くない。非常に読みやすくあっという間に読める。刺激的な本だった。
大変オススメ。
翻訳はなかなか悪くない。非常に読みやすくあっという間に読める。刺激的な本だった。
大変オススメ。
2016年1月5日に日本でレビュー済み
エンターテインメントのような書名だが、フィクションではない。本書に詳しく記されているが、著者の父サイード・ノサイルは、現実のテロリストである。本書は、そういった父を持ったことによって、著者が歩むことになった苦難の日々、その日々の中で、なぜ父とは異なった道、平和と非暴力を訴える道を選ぶようになったのかを語っている。
エジプト人のサイード・ノサイルによるユダヤ人のラビ、カハネの殺害事件が冒頭に描かれる。著者はその時7歳だが、人生は一変する。それまでは、父母、姉(父は違う)、弟の家族5人で、少なくとも不幸とは言えない暮らしを送っていた。アメリカ人の母は再婚だったが、イスラムに改宗したのちに出会ったサイードと深く愛しあっていた。ただ、あるトラブルがきっかけとなりサイードは変わっていく。ゆっくりとだがアメリカやユダヤ人に対して気持ちを硬化させ、モスクで知り合った過激な原理主義者たちの影響を受けていき、冒頭の事件を起こすことになる。殺害そのものでは目撃者がなく無罪になるものの、銃の不法所持などで刑務所に収監される。著者たち4人は、犯罪者の家族として嫌がらせを受けたり、殺害を予告されたりもする。幾度となく転校し、いじめにもあう。殺害事件から2年後、世界貿易センタービル爆破事件が起きる。サイードは獄中にありながら、その事件にも関与していたことが発覚。母は父との離婚を決断し、別のイスラム教徒の男性と結婚。しかし、著者はその継父から虐待を受けることになる。学校でのいじめ、家庭での虐待が著者の心を蝕んでいく。
これら本書に書かれたことを読んでみると、サイードがトラブルに巻き込まれたことは不運で同情の余地はある。しかし、心を蝕まれた著者が、自身がいじめる側に回ったときにいじめられる側の気持ちに共感したこと、父が犯罪者であることを気にせずに著者自身を愛してくれる友人たちを得たこと、アルバイト先で知り合ったゲイに優しくされたこと(それまで著者はゲイを嫌っていた)などを経験し、自分の外側にある世界への見方を変え、憎しみを放棄するに至ったことと比較すると、サイードが選択したテロという手段にはひとかけらの正当性さえ見出すことはできない。
意を決して父に関する真実を語った後の友人たちの対応や言葉には胸が熱くなる。また、159ページで、著者に「世界を信用しようと思う」と告げられた母がその後に言った言葉も強く印象に残る。この言葉を著者は「残りの人生の基盤」と考えている。
本書を読みながら『 それでも、私は憎まない――あるガザの医師が払った平和への代償 』を思い出した。同書の著者はパレスチナ人で、イスラエル軍に家族を殺されている。本書の著者は上にも書いたようにエジプト人とアメリカ人のハーフで、父はテロリストである。被害者の家族と加害者の家族という対極にある二人だが、ともに世界を愛し、平和を希求し、憎しむに染まることを拒否し、“寛容”を選択している。たしかに“寛容”という道は平坦ではない。それでも、未来を開くのは、この道にこそあると思わざるを得ない。
エジプト人のサイード・ノサイルによるユダヤ人のラビ、カハネの殺害事件が冒頭に描かれる。著者はその時7歳だが、人生は一変する。それまでは、父母、姉(父は違う)、弟の家族5人で、少なくとも不幸とは言えない暮らしを送っていた。アメリカ人の母は再婚だったが、イスラムに改宗したのちに出会ったサイードと深く愛しあっていた。ただ、あるトラブルがきっかけとなりサイードは変わっていく。ゆっくりとだがアメリカやユダヤ人に対して気持ちを硬化させ、モスクで知り合った過激な原理主義者たちの影響を受けていき、冒頭の事件を起こすことになる。殺害そのものでは目撃者がなく無罪になるものの、銃の不法所持などで刑務所に収監される。著者たち4人は、犯罪者の家族として嫌がらせを受けたり、殺害を予告されたりもする。幾度となく転校し、いじめにもあう。殺害事件から2年後、世界貿易センタービル爆破事件が起きる。サイードは獄中にありながら、その事件にも関与していたことが発覚。母は父との離婚を決断し、別のイスラム教徒の男性と結婚。しかし、著者はその継父から虐待を受けることになる。学校でのいじめ、家庭での虐待が著者の心を蝕んでいく。
これら本書に書かれたことを読んでみると、サイードがトラブルに巻き込まれたことは不運で同情の余地はある。しかし、心を蝕まれた著者が、自身がいじめる側に回ったときにいじめられる側の気持ちに共感したこと、父が犯罪者であることを気にせずに著者自身を愛してくれる友人たちを得たこと、アルバイト先で知り合ったゲイに優しくされたこと(それまで著者はゲイを嫌っていた)などを経験し、自分の外側にある世界への見方を変え、憎しみを放棄するに至ったことと比較すると、サイードが選択したテロという手段にはひとかけらの正当性さえ見出すことはできない。
意を決して父に関する真実を語った後の友人たちの対応や言葉には胸が熱くなる。また、159ページで、著者に「世界を信用しようと思う」と告げられた母がその後に言った言葉も強く印象に残る。この言葉を著者は「残りの人生の基盤」と考えている。
本書を読みながら『 それでも、私は憎まない――あるガザの医師が払った平和への代償 』を思い出した。同書の著者はパレスチナ人で、イスラエル軍に家族を殺されている。本書の著者は上にも書いたようにエジプト人とアメリカ人のハーフで、父はテロリストである。被害者の家族と加害者の家族という対極にある二人だが、ともに世界を愛し、平和を希求し、憎しむに染まることを拒否し、“寛容”を選択している。たしかに“寛容”という道は平坦ではない。それでも、未来を開くのは、この道にこそあると思わざるを得ない。
2016年2月10日に日本でレビュー済み
「誰かに偏見を植え付けることは、テロリストを生み出すプロセスの第一歩だ」弱い人間、自信やプライドや主体性を失った人間、屈辱を感じている人間、その人間を孤立させ、恐怖と怒りで満たし、自分と違う人間を、ひとりの人間としてではなく、顔のない標的と見なすようにお膳立てすればよい・・・。確かにテロリストへの道はそのように敷かれているのかも。だが、テロリストの息子の著者は、こうも言う。「被害者になった人間は、これ以上の被害者が世界に必要ないことを誰よりも深く理解している」また「けれど共感は憎しみよりもパワーフルで、それを拡散することに捧げるべきだ」、文中の「拡散」は不正確で、「拡張」か単に「広げる」というべきだろうが、まず何よりも、著者自身が、屈辱と孤立から立ち上がれたことを祝福したい。連鎖は正であれ、負であれ続いてしまうから。どこかで負の連鎖は止めなくてはいけない。
私たちの周りにも負の連鎖で苦しんでいる人が少なからずいる。けれど私たちには見えなかったり、見なかったりする。ささやかな一つの共感、思いを向けること、その気持ちは忘れないでいたい。どんなに理屈をつけようと、戦争、それこそが子供たちに対する最大のテロであろう。
私たちの周りにも負の連鎖で苦しんでいる人が少なからずいる。けれど私たちには見えなかったり、見なかったりする。ささやかな一つの共感、思いを向けること、その気持ちは忘れないでいたい。どんなに理屈をつけようと、戦争、それこそが子供たちに対する最大のテロであろう。