『サンプルキティ』は『砂漠に吹く風』『死神の惑星』へと続く長編三部作の第一作ですが、1巻は「壮大な序章」とも言うべきもので、長編としての実質的な物語はこの2巻から始まるとも言えます(でも1巻から読んだほうがいいですよ。もちろん)。
エリー(=シロッコ=マイク・スミス)、フェアリィ(=鈴木エリザベート=リン)の愛の悲劇(?)はここから始まります。また三部作を通したテーマでもある「親(育て親を含む)と子の愛憎劇」もこの巻から本格的に描かれていきます。(1巻では子供が正体不明過ぎて。。)
『砂漠に吹く風』と『死神の惑星』がストーリー上はっきりと続いているのに対して、『サンプルキティ』は後続作品とわかりやすく繋がってはいないので、一読しただけだと「キャラデザイン・設定とおおまかな世界観を流用しただけなんじゃないか」と感じますが、よくよく読むとちゃんと繋がっています。
しかしこの三部作は恐ろしくスケールが大きく、深い作品です。是非、全編を繰り返し読んでみてください。新刊で手に入らないのが残念です。
以下、ネタバレになりますが、本作ラストでフェアリィが(意図的に)エリーのクローン(小さなエリー)を産み、育てて行こうとすることが、後続作品の「生命操作と親子愛憎劇」というテーマのベースになっています(推測ですが、残念ながらフェアリィと小さなエリーの物語は、あまり幸せな結末を迎えなかったのでしょう)。この伏線は『死神の惑星』を最後まで読み通しても、明示的に回収はされないのですが、そこは作者を責めるより、読者に想像を膨らませる余地を残してくれたことに感謝すべきでしょう。
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サンプル・キティ 2 (ソノラマコミック文庫) 文庫 – 2005/12/1
明智 抄
(著)
福島和子は勉強が趣味の高校生。黒い髪の美少女で、父親は金髪の外国人。しかし、周囲の人々の目や写真には二人はカバそっくりの日本人親子に写る。奇妙な現実にとまどう和子だが、クラスメートの沖本香苗にはハーフの美少女に見えていることを知る。衝撃のサイキック・ホームドラマ、待望の文庫化。
- 本の長さ217ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日ソノラマ
- 発売日2005/12/1
- ISBN-104257723254
- ISBN-13978-4257723257
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登録情報
- 出版社 : 朝日ソノラマ (2005/12/1)
- 発売日 : 2005/12/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 217ページ
- ISBN-10 : 4257723254
- ISBN-13 : 978-4257723257
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