この本に4話が収録されているというレビューがあり、申し訳ないのですが、違うのではないかと思って書いてみることにしました。何か他の版と勘違いして書いていらっしゃるのではないでしょうか。こちらに納められているのは9話で、「月琴諷話」「お譲様のお好み」「鴉屋敷」「むさし野」「翡色の石」「更紗夢模様」「通り悪魔」「鬼の灯」「午後の清香」です。
「お嬢様のお好み」勝気できりっとした良家のお嬢様が、いつも女性を見下す兄に対抗して、骨董に目が利くことを証明しようとします。蓮に同行してもらった骨董市で不思議な老人と出会って・・・。お嬢様の純粋な気持ちに胸がきゅんとします。そして小さな不思議なお爺さんがとてもかわいいです。
「鴉屋敷」このシリーズにはめずらしい、純粋なホラーともいうべき作品です。鴉(カラス)の血を絞って取るという占い婆が住むお屋敷にはいつも鴉がたかっているため、鴉屋敷と呼ばれて気味悪がられています。柚月が知り合った女の子が行方不明になってしまい、探しに入った柚月までが・・・。
「むさし野」季節は秋、ススキが波打つ野原で、明るい月に照らされてお茶の野点を開く2人の老人。おとぎ話めいた美しいお話。
「翡色の石」本妻、お妾さん、風流な芸者の3人が、旦那さんがくれたという翡翠の指輪をめぐって争います。ユーモアある楽しい一編。
「鬼の鬼灯」当時まだめずらしかった女性のお茶のお師匠さんにはわけのある過去がありました。弟子入りした年下の青年と恋仲になりますが、過去の屈託から彼を受け入れられない悲しさ。ほの暗い鬼灯市が幻想的です。
「午後の清香」中国の茶器をめぐる物語。中国茶を入れるものと知らずに購入した英国人の先生。それは政情不安のため本国から仕送りが途絶えた中国人留学生が仕方なく売ったものでした。茶器の精がかわいいです。これもユーモラスで味のある作品です。
6巻目にして不動の質の高さと美しさ。本当にいいシリーズです。
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雨柳堂夢咄(6) (ソノラマコミック文庫) 文庫 – 2006/2/18
波津 彬子
(著)
大人気の骨董不思議シリーズ、読者待望の文庫版第6巻いよいよ発売! 美少年・蓮が商う骨董屋に集まるいわくつきの品々が映し出す、切なく美しい人の世の不思議と感動を描きだす幻想譚。
- 本の長さ311ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日ソノラマ
- 発売日2006/2/18
- ISBN-104257723351
- ISBN-13978-4257723356
商品の説明
出版社からのコメント
大人気の骨董不思議シリーズ、読者待望の文庫版第6巻いよいよ発売! 美少年・蓮が商う骨董屋に集まるいわくつきの品々が映し出す、切なく美しい人の世の不思議と感動を描きだす幻想譚。
登録情報
- 出版社 : 朝日ソノラマ (2006/2/18)
- 発売日 : 2006/2/18
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 311ページ
- ISBN-10 : 4257723351
- ISBN-13 : 978-4257723356
- カスタマーレビュー:
著者について
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