手に取ったのは三十年ほど昔になります。
小学生か中学生の夏休み、近所の図書館で借りて
読んだので、本書が手元にあったのは
2週間に充たない期間だった筈。何故買わなかった!
これだからガキはイヤなのよ。自分だけれども。
忘れたことはなかった筈なのに、数年前に
「タイトルが思い出せない!作者も思い出せない!」と
「思い出せない」ことを思い出しました。
根性でタイトルを思い出し、表紙絵を思い出し、
どうにか辿り着くことができました。
菊地秀行氏だったのですね…。
すべてのモノが透き通っていく感じ、と云うと、
J.G.バラードの「結晶世界」みたいですが
「インベーダー・サマー」の最大の魅力は、
常套的SFの看板を下ろして(思わず忘れて?)
形あるものもないものも、夏の日差しに惑わされ、
結果的に「この作品」となった危うさにありました。
「この夏は奇妙な姿でやって来た。白い少女の装いで」
(本文「プロローグ」より)。たまたま夏休みに読んだ
作用かも知れませんが、読者の私も女性でありながら、
本作に登場する少年たちと同じように、
白い服の少女に恋をしました。
私にとっても、充分すぎるほど奇妙な夏でした(笑)。
「やよい」さん、私はずっと、貴方が好きでした。
そして、それ以上に貴方になりたかったのだと思います。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
インベーダー・サマー (ソノラマ文庫 10-D) 文庫 – 1983/8/1
- 本の長さ282ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日ソノラマ
- 発売日1983/8/1
- ISBN-104257762438
- ISBN-13978-4257762430
この著者の人気タイトル
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 朝日ソノラマ (1983/8/1)
- 発売日 : 1983/8/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 282ページ
- ISBN-10 : 4257762438
- ISBN-13 : 978-4257762430
- Amazon 売れ筋ランキング: - 289,139位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 28,738位絵本・児童書 (本)
- - 67,376位文庫
- - 83,601位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
1949年、千葉県に生まれる。青山学院大学卒業。1982年「魔界都市“新宿”」でデビュー(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『牙一族の狩人 魔界都市〈新宿〉 (ISBN-13: 978-4022739445 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
星5つ中4.8つ
5つのうち4.8つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
11グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2020年4月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昭和の終わり頃、高校生の時に読みました。紛失していたのでAmazonさんで見つかってよかったです。当時、吸血鬼ハンターDを読んで、エイリアンシリーズを読んで、読むモノがなくなったので本書を手に取りました。高校生の時に訪れた奇跡の読書体験でした。社会人になっていたら、あまりシンクロできなかったかもしれないです。そういうタイプの本です。あと「風の名はアムネジア」同じ時期の同じ傾向の作品ですね。天野喜孝の表紙と挿絵がすばらしい。菊地秀行(伝奇&バイオレンスだけでない)のベストにこの二冊を推したい。
2015年12月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
個人的に、菊池秀行作品の中で一番好きな作品です。
誰しもが、一度しか巡り逢えない大切な時間。
未熟だが夢と希望で溢れ、可能性だけを信じ、必至に自分の居場所を探していたあの頃。
思春期の特権でも有る、理不尽なまでの純粋で一途な想い。
忘れえぬ記憶の中の微笑み。
青春と言う、残酷な程眩しく熱い季節が、叙情的で感涙豊か、且つ、リズムカルな文章で綴られ、世界が儚げな美しさで、奏でられています。
ソノラマ文庫版は、なかなか見つからず、約30年ぶりの再会です。
誰しもが、一度しか巡り逢えない大切な時間。
未熟だが夢と希望で溢れ、可能性だけを信じ、必至に自分の居場所を探していたあの頃。
思春期の特権でも有る、理不尽なまでの純粋で一途な想い。
忘れえぬ記憶の中の微笑み。
青春と言う、残酷な程眩しく熱い季節が、叙情的で感涙豊か、且つ、リズムカルな文章で綴られ、世界が儚げな美しさで、奏でられています。
ソノラマ文庫版は、なかなか見つからず、約30年ぶりの再会です。
2006年6月1日に日本でレビュー済み
FMでラジオドラマ化されたのを聴き、改めて文庫本を買ったのがきっかけで一時菊地秀行に傾倒したことがある。美しい物語だ。舞台である信州の夕笛市を始め、ヒロインの東やよいも魅力的だ。ブン屋の大友さんも光ってた。なにより泰然たる片桐学の存在感。
売れっ子ゆえに仕方ないのかもしれないが、菊地氏は恐らく綿密にプロットを立てず執筆するのだろう。作品によって時折行き当たりばったりな展開、ご都合主義の泣き落としが少なくない。それが嫌で僕はファンをやめた。悲しいかな、僕にとって菊地氏の作品の中ではこれ以上のものはない。
売れっ子ゆえに仕方ないのかもしれないが、菊地氏は恐らく綿密にプロットを立てず執筆するのだろう。作品によって時折行き当たりばったりな展開、ご都合主義の泣き落としが少なくない。それが嫌で僕はファンをやめた。悲しいかな、僕にとって菊地氏の作品の中ではこれ以上のものはない。
2022年11月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ふと思い出したときに読み返したくなる一冊。
菊地秀行のソノラマ文庫作品の中で、これと「風の名はアムネジア」は、なんども買い直している。
なぜなら電子書籍化されていないから。
なくすたび、さすがにもうと思っていたのだが、また購入してしまった。
初版1983年。購入品は奥付を見ると1993年第20刷発行。
当時500円だった文庫本が、ページが赤茶けた古本で本体948円、送料込1,280円。
手に入るだけマシだが、なんでこれがいまだに電子書籍化されないのかわからない。
この作者が当時としては革新的なキャラクター小説のシリーズ物で大ヒットを飛ばしてゆくすこし前、キャラクター性より物語性を重視して「緻密かつ破綻なくまとめられた」という点で菊地作品としては貴重な長編作品。
その意味で名作と言える。
(超売れっ子作家となって以後、構成もクソもないノリとハッタリだけの書き飛ばし作品が増えてゆくが、それはそれで面白かった)
また、これ以後も同様な「抗いえない何者かに強制される世界の変容」をテーマにした作品は、菊地SFの一つの大きな流れとして何作か(「夢なりしD」「夢幻舞踏会」「魔人学園シリーズ」など)書かれたが、初期のこの作品を超える完成度のものはついに出なかった。と思う。
ともかく、侵略してくる異次元世界の不気味で美しいイメージ。
平凡な地方都市で一夏を過ごす、大人になりかけの高校生たちの日常。
かれらの一途な青春の日々と愛する人への真摯な思いが、理不尽な人外の力によってすこしづつ蝕まれてゆく。
その現実と非現実の絡み合いを、作者独特の詩的な文体によって情緒豊かに描きあげた、いつまでも胸に残る名作。
菊地秀行のソノラマ文庫作品の中で、これと「風の名はアムネジア」は、なんども買い直している。
なぜなら電子書籍化されていないから。
なくすたび、さすがにもうと思っていたのだが、また購入してしまった。
初版1983年。購入品は奥付を見ると1993年第20刷発行。
当時500円だった文庫本が、ページが赤茶けた古本で本体948円、送料込1,280円。
手に入るだけマシだが、なんでこれがいまだに電子書籍化されないのかわからない。
この作者が当時としては革新的なキャラクター小説のシリーズ物で大ヒットを飛ばしてゆくすこし前、キャラクター性より物語性を重視して「緻密かつ破綻なくまとめられた」という点で菊地作品としては貴重な長編作品。
その意味で名作と言える。
(超売れっ子作家となって以後、構成もクソもないノリとハッタリだけの書き飛ばし作品が増えてゆくが、それはそれで面白かった)
また、これ以後も同様な「抗いえない何者かに強制される世界の変容」をテーマにした作品は、菊地SFの一つの大きな流れとして何作か(「夢なりしD」「夢幻舞踏会」「魔人学園シリーズ」など)書かれたが、初期のこの作品を超える完成度のものはついに出なかった。と思う。
ともかく、侵略してくる異次元世界の不気味で美しいイメージ。
平凡な地方都市で一夏を過ごす、大人になりかけの高校生たちの日常。
かれらの一途な青春の日々と愛する人への真摯な思いが、理不尽な人外の力によってすこしづつ蝕まれてゆく。
その現実と非現実の絡み合いを、作者独特の詩的な文体によって情緒豊かに描きあげた、いつまでも胸に残る名作。
ふと思い出したときに読み返したくなる一冊。
菊地秀行のソノラマ文庫作品の中で、これと「風の名はアムネジア」は、なんども買い直している。
なぜなら電子書籍化されていないから。
なくすたび、さすがにもうと思っていたのだが、また購入してしまった。
初版1983年。購入品は奥付を見ると1993年第20刷発行。
当時500円だった文庫本が、ページが赤茶けた古本で本体948円、送料込1,280円。
手に入るだけマシだが、なんでこれがいまだに電子書籍化されないのかわからない。
この作者が当時としては革新的なキャラクター小説のシリーズ物で大ヒットを飛ばしてゆくすこし前、キャラクター性より物語性を重視して「緻密かつ破綻なくまとめられた」という点で菊地作品としては貴重な長編作品。
その意味で名作と言える。
(超売れっ子作家となって以後、構成もクソもないノリとハッタリだけの書き飛ばし作品が増えてゆくが、それはそれで面白かった)
また、これ以後も同様な「抗いえない何者かに強制される世界の変容」をテーマにした作品は、菊地SFの一つの大きな流れとして何作か(「夢なりしD」「夢幻舞踏会」「魔人学園シリーズ」など)書かれたが、初期のこの作品を超える完成度のものはついに出なかった。と思う。
ともかく、侵略してくる異次元世界の不気味で美しいイメージ。
平凡な地方都市で一夏を過ごす、大人になりかけの高校生たちの日常。
かれらの一途な青春の日々と愛する人への真摯な思いが、理不尽な人外の力によってすこしづつ蝕まれてゆく。
その現実と非現実の絡み合いを、作者独特の詩的な文体によって情緒豊かに描きあげた、いつまでも胸に残る名作。
菊地秀行のソノラマ文庫作品の中で、これと「風の名はアムネジア」は、なんども買い直している。
なぜなら電子書籍化されていないから。
なくすたび、さすがにもうと思っていたのだが、また購入してしまった。
初版1983年。購入品は奥付を見ると1993年第20刷発行。
当時500円だった文庫本が、ページが赤茶けた古本で本体948円、送料込1,280円。
手に入るだけマシだが、なんでこれがいまだに電子書籍化されないのかわからない。
この作者が当時としては革新的なキャラクター小説のシリーズ物で大ヒットを飛ばしてゆくすこし前、キャラクター性より物語性を重視して「緻密かつ破綻なくまとめられた」という点で菊地作品としては貴重な長編作品。
その意味で名作と言える。
(超売れっ子作家となって以後、構成もクソもないノリとハッタリだけの書き飛ばし作品が増えてゆくが、それはそれで面白かった)
また、これ以後も同様な「抗いえない何者かに強制される世界の変容」をテーマにした作品は、菊地SFの一つの大きな流れとして何作か(「夢なりしD」「夢幻舞踏会」「魔人学園シリーズ」など)書かれたが、初期のこの作品を超える完成度のものはついに出なかった。と思う。
ともかく、侵略してくる異次元世界の不気味で美しいイメージ。
平凡な地方都市で一夏を過ごす、大人になりかけの高校生たちの日常。
かれらの一途な青春の日々と愛する人への真摯な思いが、理不尽な人外の力によってすこしづつ蝕まれてゆく。
その現実と非現実の絡み合いを、作者独特の詩的な文体によって情緒豊かに描きあげた、いつまでも胸に残る名作。
このレビューの画像