優しい母と何ひとつ不自由なく暮らす少年。だが平穏な日々の中、彼は時々不安にかられる。
自分には過去の記憶がない。いつからここにこうしているのか。
一緒にいる人は本当に母なのか。やがて彼は母の「正体」を知り、母の片身の着物から知った自分の名前だけを頼りに、
面影もおぼろげな「本当の母」を探す旅に出る。
戦乱の世、危険な一人旅の中出会った女性は「私がお前の母」と名乗る。程なく皆あやかしとしての正体を現し、
「この人も本当の母上ではなかった」と落胆しながらも少年は旅を続ける。 やがてよりましの老女から聞いた父の名前と生国を頼りに、
やっとたどりついた家で少年は父母と再会する。母の本当の姿とは....。
母性とは優しさでもあり支配でもあり、エゴでもある。母の優しさ、恐ろしさを描いた佳作。
最後がもう少し納得の出来る終わり方だったらとも思ったが、どんな母であっても母は慕わしく懐かしいものだというテーマは貫かれている。
個人的には「竹の女人」が怖かった。不妊を理由に苛められ自害した女性。魂はこの世にとどまり、捨て子に異様な愛着を示す。
菩薩のような彼女が豹変する瞬間とは....。正体を知られたあやかしの中で彼女だけが、少年を拘束せずに「母上に会うのだよ」と再び旅に送り出す。
恐ろしいが故になんだか悲しくも美しく、少年の本当の父母の話より印象的だった。
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月影の御母 コミック – 1999/10/1
近藤 ようこ
(著)
- 本の長さ187ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日ソノラマ
- 発売日1999/10/1
- ISBN-104257903910
- ISBN-13978-4257903918
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登録情報
- 出版社 : 朝日ソノラマ (1999/10/1)
- 発売日 : 1999/10/1
- 言語 : 日本語
- コミック : 187ページ
- ISBN-10 : 4257903910
- ISBN-13 : 978-4257903918
- Amazon 売れ筋ランキング: - 209,006位コミック
- カスタマーレビュー:
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