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臨床で書く: 精神科看護のエスノグラフィ- 単行本 – 2008/2/29

3.9 5つ星のうち3.9 5個の評価

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●途方に暮れながら引き受ける人びとの記録

精神病院の中ではいったい何が行われているのか----
告発するにせよ擁護するにせよ、それについて書かれたものは少なくありませんが、その多くは外部の社会学者やルポライターなどの手によるものでした。
あるいは、医師が"治療"の立場から記したものでした。

そのとき看護師たちは、奇妙な言動を繰り返す患者や、困難な治療を試みる医師の背景に沈みこんで、精神病院の灰色の壁のように無言です。かれらは確かにそこにいたはずなのに......。

精神を病んだ患者たちの傍らで、看護師たちは何を考えながら身の回りの世話をしているのか。
どのような成り行きで患者を拘束したりしなかったりするのか。
会話の成立しない患者とのあいだに通路が生じるきっかけは何だったのか。

本書は、臨床で働く看護師なら誰もが知っている「そのこと」を、看護師自身のフィールドワークによって炙り出しました。
看護記録を一次資料に、「途方に暮れながら引き受ける人びと=看護師」の姿を描き切った、質的研究の画期的成果です。

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商品の説明

抜粋

●ある日保護室で

 その日、私は深夜勤務明けで、朝の病棟ミーティングでの申し送りも終えたところだった。書き残した看護記録をそそくさと書き上げ、帰り支度をしてナースステーションを出たのだが、なぜかふとある患者の保護室に足が向いていた。

 ちょっと挨拶だけでもしていこうか、という軽い気持ちに過ぎなかった。ただし彼は、私の受け持ち患者(入院から退院まで責任を持つ)の一人であったし、依然かなりむずかしい病状を抱えたままだった。私自身も、彼のために日々めまぐるしく対応に追われ、かなり消耗していたことも事実だった。それでもとにかく私は、帰り際の挨拶をしようと彼の部屋を訪ねていた。

 ところが、彼は、私の顔を見るなり突然泣きくずれ、激しく叫びはじめたのだった。しかも、とんでもない激しさというかほとんど爆発するかのように。「おれはもう死ぬ。生きていても仕方ないんだ。死、死ぬよ、死ぬんだよ!」などと叫びながら......。

 私は、当然ながら驚いた。しかも腰が抜けそうなほどに。ただし彼の希死念慮とその訴えはほとんど常にあったから、それ自体に驚いたわけではなかった。今回は、その声も振る舞いもいままでにない格別なものだったからだ。彼は大声で叫びながら、まさにベッドの上で飛び跳ねんばかりだった。

 私は一瞬ほとんど凍りついていた。いまにも彼はベッドの上から身を投げるのではないかとさえ思った。すぐに誰かに助けを求めなければと思うほどだった。けれど、そこは保護室ゾーンの最深部にあり、容易に声が届く場所ではなかった。それ以上に、彼の切迫しきった叫び声が私をたじろがせ、さらに不用意な私の反応がさらなるエスカレートを生みそうな気がした。私は、出しかけた声をのみ込んでしまった。「おれは生きていても仕方ないんだよ! 死ねって言ってるよ。もうだめなんだよ。おれは!」

 数か月前、彼がこの病棟に運ばれてきたとき、彼はストレッチャー(搬送台車)上に簀巻き状態で固定され厳重に身体拘束されていた。彼は統合失調症で、思春期に発症していたが、ある特別な家庭の事情から長い無治療の時期などを経過して、すでに40歳を超える年齢になっていた。そして最近になって、不幸にも、本人と二人で同居していた母に対して重大な事件を起こし、今回の入院となったというわけだった。当然のことながら、入院当初から彼の病状は重かった。しかもそれはかなり特徴的なものだった。

 「おれは神なんだ、メシアなんだ、天使なんだ」「ほら、いま降りてきたよそこに、神が」「おれは何だってできるんだよ」というように、おもに妄想的な世界に「浸っている」時期が長く続くと、次は「悲しいよ。寂しいよ。つらくてだめだ」「もう生きていても仕方ない。もう死ぬんだ。死ぬんだよ」とひっきりなしに悲嘆や死ぬことばかりを口にする時期がやってくる。そして、それが過ぎるとまた再び妄想の世界へ。

 もちろん、その繰り返しのあり方は、それほどはっきり周期的なものと言い切れるわけではなかった。その日のうちにも、また次の瞬間にも入れ替わるし、一気にごちゃごちゃになって押し寄せて来たりもした。ただ大きく見ると、やはりそのような一群の波が、交互に入れ替わりながら押し寄せつづけているように私には思えた。しかし、冒頭で述べた出来事が起きたのは、それまでの激しい波の振れも間合いもごくわずかだが落ち着きはじめ、波と波との境もかなり不明瞭なものになってきたのではないか、そんな個人的な印象を抱きはじめていた矢先のことだった。

 それだけに私には、半狂乱のような目の前の現実が、ほとんど信じがたく理解しがたいものに映ったのも事実だった。しかし、事態はそんな安穏とした理解や判断にとどまっていることなど許さなかった。私は当初、ほとんど彼の前に金縛りのようになって立っていた。ともかくも、あわてふためく自分も恐れおののく自分もなんとか抑えながら、「どうしたの? 急に......」と困惑しながら声をかけるのがやっとだった。

 「話してみてよ。どうしたの?」「何がどうしたっていうの?」等々、思いつく限りの声かけを続けたが、彼の興奮と叫びはいっこうに収まる気配はなかった。それどころかますますエスカレートして、私全体を巻き込み、飲み込んでしまうかのような激しさとただならぬ切迫感を募らせていた。

 私はその異常な圧力に耐えながら、つとめて冷静さを保とうとしていたものの、それさえ不可能になっていた。私は、しばしば、自分自身のこの判断(いまだ、ただ一人で対応していること)の誤りを感じながらも、しだいに冷静さを失い、上気し語気を強めていく自分を感じていた。その声のトーンは、ほとんど彼のそれに近いものになっていたような気がする。私は、彼の激しい悲嘆と自殺企図へのおそれや不安から、なんとかこの事態を収拾しようと焦りほとんど我を失っていた。

 そんなとき、私の口から、自分でも信じがたい言葉が飛び出してきた。

 「ねえ、○○さん、私にも見えるよ、あなたのお母さんが。それに、聞こえるよ、あなたのお母さんの言葉が」
 「そこにいるじゃないの、あなたを見て」
 「そう、私にははっきり見えるよ。そして、言ってるじゃないの、死ぬなって。○○さん、あなたには聞こえないの!」
 「私のぶんまで生きてって、そう言ってるじゃないの!」

 私は夢中だった。ただ、自分の言っていることが、専門職としての妄想への「標準的な態度」から大きく逸脱していることに気づかないわけではなかった。というより、そうしている自分に驚き、たいへんな間違いをしているのではないかという思いにとらわれもした。しかし私はそれ以上に真剣だったのだ。そのうちに私は、ほとんど彼の母親になりかわっている自分にさえ気づいた。

 「お前のことはもう許すから、もう許しているから、...だから決して死んではいけない」
 「お母さんのぶんまで生きるのよ」

 私は立ちながら、膝をつきながら、床にべったりと腰を下ろしながら、また立ち上がって、延々と彼に向き合いつづけていた。私は最初、たしかに彼の担当看護師だったのだが、その後なかば幻覚の見える患者本人となり、さらになかば亡くなった彼の母親本人にもなっていた。私は上気し汗だくになっていた。彼ももちろんそうだった。彼は激しく泣いて涙さえ枯れてしまっていた。

 私たちは、互いに逃げることも避けることもできない現実と妄想の狭間に巻き込まれながら、尋常ならざる「劇」を演じていた。私は、そのことの持つ意味やそれがもたらすかもしれない有害さについてまったく意識できないわけではなかった。ただそれは、自然と必然とによってうながされたかのような、この切実な「劇」をやめる力にはならなかった。

 そして、彼はようやく落ち着きを取り戻し始めた。私の前で叫ぶことをやめ力なく肩を落としていた。すでに1時間半をゆうに超える時間が経過していたことに、そのとき私はようやく気づいた。

著者について

松澤和正(まつざわ・かずまさ)
1957年埼玉県生まれ。慶應義塾大学大学院工学研究科(修士課程)修了。埼玉県庁、法律事務所を経て、精神科病院勤務。准看護師・看護師資格取得。千葉大学大学院文学研究科(修士課程)終了、同大学院(博士課程)単位取得退学。現在、国際医療福祉大学保健医療学部看護学科教授。
著書に『報道写真家・岡村昭彦--戦場からホスピスへの道』(NOVA出版)、『ナラティヴと医療』(金剛出版・共著)などがある。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 医学書院 (2008/2/29)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2008/2/29
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 360ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4260005693
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4260005692
  • カスタマーレビュー:
    3.9 5つ星のうち3.9 5個の評価

著者について

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松沢 和正
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上位レビュー、対象国: 日本

2018年8月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
匿名化された医療カルテの情報を一次資料とする、
このような研究はもはやこの先ありえないだろう。
それだけに医療現場のリアリティーを何よりも詳細
且つ徹底的に再現し、それを論じ検討し続けたことに、
たいへん大きな価値と可能性とを感じる。
臨床の厳しい現実で生きる医療職が、その現実を重く
受け止めながら、真摯に向き合い苦闘する姿を、
改めて確認し且つ問うための重要な論点や概念を
提起してくれる稀有な著作であろう。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2008年4月22日に日本でレビュー済み
 本書を読んでいたら妻に、「医学書院の本なんか読ん
でるんだ!」とからかわれてしまいました。確かに、本
書は専門書なので、冒頭に掲げた関心から読み始めた
ような人は、他を読み飛ばし、第2章から第5章だけを
読んでもよいと思います。
 先回りして、先の問いに関する著者のキーワード及び
その留意点を列挙するとこうなります。
○ 入院時精神状態―入院という出来事で患者内部に生
 じる混乱。不可避性を最小限に留め、回復への転帰を
 求めていく。
○ 薬物性精神状態―薬剤副作用による不安、焦燥感や
 思考障害。薬剤への過度な偏重は患者との関係性やそ
 の意味を疎にする。
○ 看護室症候群―頻回な看護室への出入りや顕著な看
 護師へのもたれかかり。反復そのものが回復に向かお
 うとする患者の表現の一部と理解する。
○ 倫理的応答性―石つぶてのような常同的訴えによっ
 て医療者にある種の同一化を求める。患者の困難を引
 き受けるようにあたる。
 著者のいう精神科看護のエスノグラフィーとは、生物医
学への偏重を反省し、患者の個別的生活世界を重視す
ることです。著者はここで、あたかも民族誌でいう参与観
察者のように看護記録を検証し(「臨床で書く」!)、先
の四つのキーワードを紡ぎ、その上で患者の生活世界
を訪ね、互いを感じ、互いの関係を耕すような看護態度
を示そうとしています。あとは、著者が再三指摘するマ
ンパワーが不足した現場の実態で、この精神をどう生か
しきるかでしょう。
 ところで、著者はあとがきで、他の方と並べて歴史学
者の斎藤博氏(わたしも生前ちょっぴりお世話になった
ので、懐かしかったです。)を座右としたと書いています。
精神医療と歴史学者という奇妙な取り合わせの訳を、機
会があったら、そっと教えてくださいね。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート