南先生のこの御著書は、出版早々に入手して読了していたのですが、なかなか感想文が書けずに遅くなってしまいました。
Amazonの分類では、本書は「闘病記」ってなっていましたけれど、南先生のことをよく知らない人が、この「あらたなる旅立ち」を、普通の闘病記のようなつもりで読んだなら、だいぶ拍子抜けするんじゃ無いかしら？
前作「わたし糖尿病なの」が、１型糖尿病を診断された少女が医者になるまでのお話で、ご本人とお母様の、この病気への驚きや戸惑いが語られ、病を克服するための工夫なども紹介されていたのに対して、今作ではそういうコトよりも、病気を持ちながらも開業医としての普通の社会生活を送る苦労などが描かれていました。
住宅ローンを組むときに、病気を持っていることで、普通以上の困難があった経験などは、あらためて伺うと、何とも言えない思いになります。
1型糖尿病のリアルについて知りたい方が読むのならば、南先生が若い患者さん向けに、日本糖尿病協会九州連絡協議会の機関誌に連載した、1型糖尿病の解説記事（の転載）が、まずは最適かもしれません。
南先生以外にも、本書では多くの「１型糖尿病を持つ人」が稿を寄せていて、それぞれの方の「疾患への知識」と「リアルな病の経験」に裏付けられた、「病と供に生きる」自信が、多くの「病に悩む人々」への、素晴らしい応援になっていると感じました。
前作が未読でしたら、本書とあわせて読むこと推奨です。
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