原作は読んだことはありませんが、いかにも童話らしいお話でした。
『シンデレラ』と『カエルの王子さま』が混ざったような感じですね。
※以下はネタバレを含む感想になります。
ゆきしろが何度も助けた小人は、結局くまの王子に殺されてしまうのが、なんだか腑に落ちませんでした。
命を救ったお礼に宝物を与えられて、貧しい家庭から裕福になる、というのではなく、王子が小人を殺して
呪いを解き、二人に婚約を申し込む。
これだと、小人は「王子に殺されるため」だけに存在する、根っからの悪人のようで、残酷な気がしました。
ゆきしろが助けたことも、「王子に殺される前に小人が死ぬ=永遠に王子はくまの姿」を防ぐためのようで、
無慈悲な結末に思えました。
おそらく、民話が口伝えに語られる過程で、こうした複合型の物語が出来上がったのだと思いますが、
小人が“森に逃げた犯罪者や殺人犯”を象徴しているのだとすると、貴族や国家といった王権の象徴である王子が
殺すという容赦のない筋書きに、当時のヨーロッパ社会の背景が浮かんでくるようでした。
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ゆきしろとばらあか (絵本・グリム童話3) 大型本 – 2010/8/28
ゆきしろとばらあかはバラのように美しい仲良し姉妹。二人は森の中で、貧しくも清く楽しく暮らしていました。ある冬の晩、熊が訪ねてきてすっかり仲良しになっていましたが、春になると、熊は森へ帰っていってしまいました。じつはその熊こそ、姿を変えられた王子だったのです…。
ドラマチックでロマンあふれるグリムの名作絵本。那須田淳と北見葉胡という強力なコンビが、不朽の名作童話を今までにないような美しさ、深さ、力強さを備えた、「グリム」の世界を見事に表現する絵本として作り上げました。
ドラマチックでロマンあふれるグリムの名作絵本。那須田淳と北見葉胡という強力なコンビが、不朽の名作童話を今までにないような美しさ、深さ、力強さを備えた、「グリム」の世界を見事に表現する絵本として作り上げました。
- 本の長さ36ページ
- 言語日本語
- 出版社岩崎書店
- 発売日2010/8/28
- 寸法0.9 x 21.7 x 27.8 cm
- ISBN-104265049737
- ISBN-13978-4265049738
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登録情報
- 出版社 : 岩崎書店 (2010/8/28)
- 発売日 : 2010/8/28
- 言語 : 日本語
- 大型本 : 36ページ
- ISBN-10 : 4265049737
- ISBN-13 : 978-4265049738
- 寸法 : 0.9 x 21.7 x 27.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,364,383位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 16,834位絵本 (本)
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著者について
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那須田淳 Jun Nasuda
1959年浜松に生まれる。幼少年時代を武蔵野と鎌倉で過ごす。早大卒。
著作に、『ペーターという名のオオカミ』(小峰書店・産経児童出版文化賞、坪田譲治文学賞)
『一億百万光年先に住むウサギ』(理論社)、画家M・ゾーヴァとの画文集『少年のころ』(小峰書店)など。
翻訳に、木本栄との共訳でハッケとゾーヴァの『ちいさなちいさな王様』(講談社)などがある。
日本ペンクラブ会員。日本YA作家クラブ会員。会員誌「鬼ヶ島通信」編集長。
95年よりドイツ・ベルリンに在住。
非常勤講師として共立女子短期大学で創作演習を、和光大学で「子どもと文学」などを担当。
公式HP 青熊ラジオ www.aokumaradio.com
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