7月に入って雨の日が続き、ついつい外に出るのがめんどうになってしまう。
そんなときに、ゆっくり家で絵本をよむなら、この作品はおすすめだ。
1980年に書かれた韓国の詩が元になっているとのこと。
単純に言ってしまえば、雨の日に道端にたたずむ物乞いへ、女の子が傘を
差し出すという話しだが、詩に絵がついたことで作品の完成度が100%に
なったと言ってもいいのではないでしょうか。
まず、表紙をみるだけでも画家の繊細さを伺い知ることができます。
一見すると大きな緑のビニール傘だけのようだが、
かすかに透けてみえる女の子の面影や、傘の先端から滴り落ちる雨、
ビニールの破れ目からのぞく黄色い服など、実に神経が細かい。
その繊細さは、絵の展開にも生かされており、絵本のカメラワークとも
いえる視点の変化が絶妙だ。第三者の視点から、女の子の視点へ、
そして、物乞いの視点へと変わっていく。
対象そのものを描くのではなく、雨水の映り込みを生かした暗示的な
描写が、かえって多くのことを伝えてくれる。
女の子や物乞いの表情も描かれていないが、読者は彼らの視点を共有すること
で、気持ちそのものを、見るのではなく感じ取れるようになっているのだ。
ボクはラストシーンで、物乞いの感謝の気持ちを感じとれました。
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ヨンイのビニールがさ (海外秀作絵本 14) 大型本 – 2006/6/1
- 本の長さ1ページ
- 言語日本語
- 出版社岩崎書店
- 発売日2006/6/1
- ISBN-104265068146
- ISBN-13978-4265068142
登録情報
- 出版社 : 岩崎書店 (2006/6/1)
- 発売日 : 2006/6/1
- 言語 : 日本語
- 大型本 : 1ページ
- ISBN-10 : 4265068146
- ISBN-13 : 978-4265068142
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,142,385位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,391位中国文学研究
- - 79,593位絵本・児童書 (本)
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2006年7月7日に日本でレビュー済み
絵本としては緑のビニールがさの地味な表紙です。韓国の方の書いた本ということでとても繊細な感情が書き表されている叙情的な絵本だと思います。ぐっとくる本を読まれたい方には是非おすすめ。大人の方も考えさせられる内容です。理解できるかどうかは別として文章は少ないので小さい子でも読める本です。
2011年12月7日に日本でレビュー済み
大雨の日に、学校近くのコンクリートの壁にもたれて座りながら眠る物乞いの老人。
ヨンイは学校を抜け出し、周囲に誰もいないのを確認してからその老人に自分のビニール傘を差してやり、逃げるように学校へ戻る。
きっと子供が読んだら「えーっ乞食に傘を貸すなんて!」と思うだけかもしれない。
でも私はこの本を読んで、もし私だったら目の前の弱者に自分の傘を貸すだけの優しさがあるのか?と
問いを突き付けられたような気がしました。
浮浪者にむやみに近づくのは危険だし、犯罪にでも巻き込まれたら大変。
だから同じ事を子供にやれと言うつもりは全くありません。
けれど読み終わった後、心にガツンと来るものがありました。
ヨンイは学校を抜け出し、周囲に誰もいないのを確認してからその老人に自分のビニール傘を差してやり、逃げるように学校へ戻る。
きっと子供が読んだら「えーっ乞食に傘を貸すなんて!」と思うだけかもしれない。
でも私はこの本を読んで、もし私だったら目の前の弱者に自分の傘を貸すだけの優しさがあるのか?と
問いを突き付けられたような気がしました。
浮浪者にむやみに近づくのは危険だし、犯罪にでも巻き込まれたら大変。
だから同じ事を子供にやれと言うつもりは全くありません。
けれど読み終わった後、心にガツンと来るものがありました。