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ブッダ 1 (潮漫画文庫) コミック – 1992/12/17
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「ブッダ」は社会派作品ではない。釈迦という仏教の開祖の手塚なりの伝記なのだ。青年誌で社会派作品に活路を開こうとしている時、少年誌で同時に冒険的とも言える釈迦伝に挑み、雄編に仕立て上げる。手塚の力量が抜きん出たものである証左だろう。
そもそも、釈迦伝を描くということが容易ならぬことなのだ。理由は当然、宗教上の人物だからである。
目次
【第一部】
第1章 バラモン/第2章 浮浪児タッタ/第3章 ブダイ将軍/第4章 告知/第5章 チャプラ/第6章 王杯
ブッダの旅の行程図
解説 呉 智英(評論家)
【第1巻】あらすじ
【第一部】
第1章 バラモン
プロローグとして、バラモンによる差別の発生とバラモンの堕落、人々が新しい教えを待ちのぞんでいることが語られる。
――吹雪の中で行き倒れになった僧を、熊とウサギと狐が発見し、熊は魚を、狐は木の実を僧に与えるが、ウサギは何も持ってくることができなかったので、みずからを火の中に投じて僧に与え、神となって天にのぼった。
アシタの師ゴシャラは、この体験によって悟りをひらいた。
アシタは弟子のナラダッタに、ウサギが自分で身を焼いたナゾがとける偉大な人を探してくるよう命じた。ナラダッタは街へいき、タッタの噂を聞く。
チャプラはおとくいにとどける反物をタッタにとられ、とり返してこなければ母を売ると言われる。チャプラの話を聞いたタッタは、母を助けてやろうといった。
第2章 浮浪児タッタ
タッタはトラにのりうつってチャプラの母を助けた。そこへコーサラ国の兵隊がやってきて、タッタの村は兵隊に焼かれ、タッタの母と姉は焼け死んでしまった。
タッタは将軍ブダイを襲うがとらえられ、ナラダッタはタッタをかばっていっしょに処刑されることになる。
第3章 ブダイ将軍
タッタらが処刑されようとしたとき、イナゴの大群が襲来し、すべてを食い尽くした。チャプラと母はタッタとナラダッタを救い出す。
チャプラはタッタを馬にのりうつらせて、軍隊のところへ行き、ワニに襲われたブダイを助けた。ブダイはチャプラを息子にすると言う。
第4章 告知
カピラヴァストウの城では、スッドーダナ王が出陣の用意をしていた。そこへ敵将のブダイがワニに襲われて重傷を負い、そのうえイナゴの大群が敵軍の兵糧を食べつくしたため撤退したとの知らせがもたらされる。
ふしぎなできごとがつづいていた。スッドーダナ王は、それが王妃のおなかの中の赤ん坊にかかわりがあるように思えてならなかった。
第5章 チャプラ
コーサラ国の王はカピラヴァストゥへの攻撃を中止した。
ブダイは、チャプラがスードラだったことを知る。
チャプラの母とナラダッタ、タッタの三人は、コーサラ国へ向かう。途中、ヘビからタマゴをもらうかわりに、タッタが犠牲となってヘビの口の中に入った。そのとき、ナラダッタはアシタの語った話の意味を悟った。
そこへ一本の矢が飛んできてヘビの頭を射抜いた。
第6章 王杯
矢を射たのはバンダカだった。彼はチャプラと勝負をしに行くところだった。
コーサラ国で弓の試合が行われた。チャプラは試合に勝ち、勇士の称号を与えられ、王杯を手にした。
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社潮出版社
- 発売日1992/12/17
- 寸法15 x 10.6 x 1.2 cm
- ISBN-104267013012
- ISBN-13978-4267013010
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登録情報
- 出版社 : 潮出版社 (1992/12/17)
- 発売日 : 1992/12/17
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- コミック : 256ページ
- ISBN-10 : 4267013012
- ISBN-13 : 978-4267013010
- 寸法 : 15 x 10.6 x 1.2 cm
- カスタマーレビュー:
著者について
1928年、大阪府豊中市生まれ。本名・治。大阪大学付属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。翌年、ス トーリー漫画の単行本『新宝島』がベストセラーになり、注目される。以後、幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、子どもたちに夢を与えつづけてきた。『ネ オ・ファウスト』など3作連載中の89年2月9日に胃ガンのため死去。無類の昆虫好きとして知られ、「オオムラサキを守る会」の理事や「日本昆虫倶楽部」 の初代会長を務めた(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 手塚治虫の昆虫博覧会 (ISBN-13: 978-4900963474)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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ストーリーに出てくるキャラクターが一人一人キャラ立ちしていて生き生きしている。それぞれが葛藤を抱えながら生きている。仙人のような人でさえも。人間が潜在的に抱えている闇は皆同じなんだと気づかせてくれる。この後、ブッダのどのように登場してくるのか楽しみだ。
『きりひと賛歌』はキリスト教を意識した内容。(「きりひと」は「キリスト」のモジリ)
『火の鳥 鳳凰編』は奈良の大仏建設の話。
『アドルフに告ぐ』にはユダヤ教が登場。
『ばるぼら』ではブードゥー教が描かれてます。
『ブッダ』は仏教発祥が題材で、シャカ(本名シッダルタ、悟った後の名がブッダ、シャカは部族名)の生涯が描かれてます。
第1巻はチャプラというスードラ(奴隷)の話で、身分制度の悲劇が描かれてます。
シッダルタ誕生は第2巻で、チャプラの死後に身分制度の悲劇が何世代にもわたって繰り返されるという壮大な物語になってゆく。
つまりメッセージテーマは「生命は、みんな平等」なのです。
またシッダルタが出家してからは、宗教の愚かさも描かれてます。
インチキ教祖みたいなのもたびたび登場します。
ブッダが悟りを開いてからは、ダイバダッタが教団を利用しようとしたり乗っ取りを企てたりもする。
これらのエピソードからは、宗教団体を盲信することの危険性も読み取ることができます。
ところで、この漫画には超能力者がたびたび登場します。仏教を超能力として描こうとしたのかな。でも超能力は途中からあまり描かれなくなります。
かと思えば、終盤になって唐突にマーラ(悪魔)が出現。
ファンタジーなのかリアリズムなのか、物語の方向性は混迷してます。
壮大なスケールの長編漫画なので構想がうまくまとまらなかったのかな。
そういったことを考慮して、評価は星を一つマイナスにしました。
あと、登場人物が男も女も全員裸です。
これは当時の手塚がインドをよく知らなくて、アフリカと混同していたのかもしれませんね。
きっと執筆開始時は海外旅行が珍しかった時代で、外国の情報が不足していたのでしょう。
読み終わった後、清々しくも悩ましくもなる内容です。
上司に貸してといわれ、半年も返ってこなかったのですが、この前催促してやっと返してもらえました。もう貸しません。
海外にたくさんの日本漫画が広まってますが、こうゆう作品こそぜひ広まってほしいし、広げてほしいと思います。
所謂「釈迦の生涯」を描いた作品です。
つまり・・・世界三大宗教のひとつ「仏教」がメインとして登場するわけです。
現在のネパールに王族として生を受け、何不自由のない生活を約束されていた聡明な王子が「社会の矛盾」「貧富の差」「身分差別」等の現代社会でも問題として挙がる現実を知って、人々の真の救いとなるべく、教えを探求すべく旅立つ一代叙事詩。
スケールの大きさ・テーマは流石の「手塚作品」なんだけれど・・・・この作品は厄介なことに「宗教」という普段の私に縁遠いものを主題としているためか、あまりにも独特で、登場人物の運命が悲惨な末路の者も多いため「とにかく読みにくい」のである。
作品としての完成度・フィクションとノンフィクションを絡めて描く仏陀の生涯・脇を固める登場人物たちの運命の流転・・・・等のドラマの構成は骨太で、手塚先生の実力の程はイヤというくらいに知れますが、やっぱり上記の他作品と比して読み辛い「独特の雰囲気」があることを否定できません。
よって私は「普通」評ですが、図書館に置いてあって何の不思議も無い「名作」であることもまた「間違いの無いところ」だと思います。
じゃあコレを読め。
ただ、大変読みやすくて面白いが、原始仏教を気に入ってしまい、
現代日本の坊主をありがたく思えなくなるので注意(笑
佐々木閑先生によると、現在の仏教はお釈迦様の教えとは正反対の教えを説いている
という。どうしてそんなことになったのか。本来のお釈迦様の教えってどんなもの
だろう。お釈迦様はいまから2500年前にインドで生まれたが、当時の人々はどういう
暮らしをしていたのだろうか。その中でお釈迦様はなぜ仏教という新しい考え方を
つくりあげていったのだろうとつぎつぎに疑問が湧いてきた。あまり難しい宗教書は
読む気がしないから先ず手塚治虫のブッダを手に取った。この本でぼんやりとでも
全体像が掴めるかもしれない。
手塚治虫は足かけ12年かかってこのシリーズを描いたという。この第1巻では、
早速「輪廻」という言葉がでてくる。生きものは生まれて死に、生まれ変わり、
永遠に輪のようにつづいていく運命にあるという意味だ。生きることはすなわち
苦しみだから、永遠に苦しみから逃げることができない。この考え方は釈迦様の
生まれたころのインドでは社会通念だったようだ。そのサイクルをどうやって
終わりにするかがお釈迦様の生涯追い続けたテーマとなる。
特殊な能力を持つ少年タッタ、凄まじい罰を受けることになるバラモンのナラダッタも。
そして救世主誕生が待望される地獄のような時代にシッダルタは生を受けた・・・、壮大な物語の始まり。
第1巻題目『カピラヴァストウ』。以下目次。
第1章 バラモン
第2章 浮浪児タッタ
第3章 ブダイ将軍
第4章 告知
第5章 チャプラ
第6章 王杯
第7章 生誕
第8章 技競べ
第9章 秘薬を求めて
第10章 予言
第11章 裁きの日
第12章 死の壁
背表紙(単行本)にある言葉。
−四月八日のあけぼののまえ 奇跡は天と地にみちひろがり それは生きとし生けるものの 心を感動でおしつつんだ あるものは天上から美しい音楽をきき あるものはかぐわしい匂いを 浴びたという そして心の中にだれかが告げるのであった 「みよ みよ その人が生まれた」と−