極上の短篇集。6篇ともいずれ劣らぬ秀作ぞろい。坂田ワールドを満喫できる。
この放り出されるような感じ。選び抜かれた線、黒と白のコンポジションが美しい。
「アジア」を舞台としたお得意の不思議譚なのだが、どちらかというとシリアス寄り
で、どこまでも静寂で深い、忘れがたい余韻を残す。
ひたひたとこわいお話、奇想天外なお話など。孔雀の耽美な話もこわいなあ。
『桃の村』素晴らしい。道具立てがみごとで、まんがというこのジャンルならではの
味わいがたんのうできる。「おばけ屋敷」の花が紙だというセリフ、「原のおばさん」
の繰り返しが妙に印象に残り、作品全体の結構が脳裏に沈み込む。
『塔にふる雪』あと味のいい、そしてさみしいお話。
萩尾望都氏の、「人と天の視座をこの作者は往き来するのだ」という解説は教えら
れることが多く、一読したい。

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坂田靖子セレクション (第4巻) 塔にふる雪 文庫 – 2000/10/1
坂田 靖子
(著)
塔にふる雪-アジア変幻記2-
- 本の長さ189ページ
- 言語日本語
- 出版社潮出版社
- 発売日2000/10/1
- ISBN-104267015740
- ISBN-13978-4267015748
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2011年2月13日に日本でレビュー済み
インド、東南アジア、チベットを舞台にしたと思われる短編集。一編だけ現代日本が舞台の物語もある。どの話も不思議で奥行きがあっていい。こういう素晴らしい話をつくる坂田先生はすごいといつも思う。
2009年2月5日に日本でレビュー済み
表題作含む6編収録。アジアのどこかのいつかの時代。不思議な出来事も日常も、人間も動物も神も魔物も、全て混沌として『ふんわり』と流れてゆく。時にその裏にヒヤリとしたモノも匂わせて。物語を無理に解決させるわけでもなく『ス―――ッ』とフェイドアウトさせる。雨や雪や夜明けの描写も素敵。全作品が絶品です。坂田靖子の中でも1番好きな本です。萩尾望都のあとがきも秀逸。