横山光輝のコミックス『三国志』(横山光輝著、潮出版社、希望コミックス・カジュアルワイド、全25巻)は、羅貫中の小説『三国志演義』→吉川英治の小説『三国志』の流れを汲んでいる。
「第1巻 桃園の誓い」は、今から1800年ほど昔の中国を舞台に、黄巾賊の乱から始まる。中国歴史上では、2世紀末、宗教結社を主体とした黄巾賊の乱が起こると、各地に軍事集団が割拠して、後漢は220年に滅ぶことになる。
若き行商人・劉備が、関羽、張飛と出会い、義兄弟の盃を酌み交わす。「『我ら天に誓う。我ら生まれた日は違えども、死す時は同じ日、同じ時を願わん』。それは義兄弟の誓いをする盃でもあり、主従の誓いをする盃でもあった。人はこれを桃園の誓いと呼んだ」。
劉備らは、黄巾賊と戦う義勇軍を組織する。「劉備、関羽、張飛の国を思う情熱は体中にみなぎっていた。この情熱が危険を承知で、前進に前進を続けさせるのだった。それは明日のための懸命の前進でもあった」。
その過程で、官軍の一司令官・曹操に出会う。「『あの人物(曹操)、若いのに学問も兵法もあり、きれる人物だ。将来あの人物はこの国に大きな影響を与えるような大人物になっていくんじゃないかと思ってな』」。この劉備の予感は、後年、的中する。
「(黄巾賊の総帥の弟)張宝の率いる数万の黄巾賊が劉備玄徳の率いるわずかの義勇軍によって完膚なきまでにたたき伏せられたのであった」。しかし、命を懸けて戦い大功を立てながら、劉備が任命されたのは、田舎の警察署長という軽いポストに過ぎなかった。
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三国志 1 (希望コミックス カジュアルワイド) コミック – 2003/4/1
横山 光輝
(著)
桃園の誓い
- 本の長さ484ページ
- 言語日本語
- 出版社潮出版社
- 発売日2003/4/1
- ISBN-104267904308
- ISBN-13978-4267904301
登録情報
- 出版社 : 潮出版社 (2003/4/1)
- 発売日 : 2003/4/1
- 言語 : 日本語
- コミック : 484ページ
- ISBN-10 : 4267904308
- ISBN-13 : 978-4267904301
- Amazon 売れ筋ランキング: - 362,291位コミック
- カスタマーレビュー:
著者について
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1934年(昭和9年)6月18日、兵庫県神戸市須磨区生まれ。銀行員、映画興行会社などを経て、55年「音無しの剣」でデビュー。56年「鉄人28号」 の連載を開始、大人気となる。2001年1月に完結した「殷周伝説」が遺作となった。91年「三国志」で漫画家協会賞優秀賞、04年「全作品」で文部科学 大臣賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『横山光輝「三国志」大研究』(ISBN-10:4267018502)が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
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2021年8月8日に日本でレビュー済み
2009年9月23日に日本でレビュー済み
子供のころからこの横山光輝の「三国志」と吉川英治の「三国志」は、何度も繰り返し読んできた。
今日、改めて読み返して見ると自分の記憶の奥底に、この両書がへばりつき、自分の思考に少なからぬ影響を与えているように思えてならない。
現実の世界では、私は中国の内包する政治的な危険性について、何度も警鐘を鳴らしてきた。私はけして反中一本やりの人間ではないつもりだが・・・
中国文化に対する私の思慕の念を表明する意味でも、この横山光輝の「三国志」をレビューしてみたくなった。
合わせて諸子百家の思想等のレビューも入れ、中国文化についての私のかなり混乱した思いをいささかなりと整理してみたい。
(以下レビュー)
貧乏生活の中、かろうじてためたお金で高価な茶を買う劉備玄徳。しかし、母はお茶を買ってきたくれたことより、
漢の中山靖王劉勝の血筋を引く身分を示す刀を他人に渡してしまったことを嘆く。私は「育て方を誤った」と言って。
有名な「桃園の誓い」では劉備、関羽、張飛が「我ら天に誓う。我ら生まれた日は違えど死す時は同じ日同じ時を願わん」と言って杯を空ける。
この二つのエピソードは言うまでもなく、劉備が「漢皇帝の再興に一生を奉げること」とそれに「三兄弟が血命を奉げること」を誓うもので、
後日、関羽が死んだ時、劉備が孔明の制止を振り切り無謀ともいえる呉国攻めを行うことの伏線となっている。
三国志を通読すると言いようのない虚しさに襲われるのだが、それは自身の生涯をかけた目的が達成できず、また、その自分に無条件で身を奉げる弟達を守り切れなかった人間
(私たちの誰もがそのようなものかもしれないのだが)の一生の儚さが伝わってくるからではないだろうか。
今日、改めて読み返して見ると自分の記憶の奥底に、この両書がへばりつき、自分の思考に少なからぬ影響を与えているように思えてならない。
現実の世界では、私は中国の内包する政治的な危険性について、何度も警鐘を鳴らしてきた。私はけして反中一本やりの人間ではないつもりだが・・・
中国文化に対する私の思慕の念を表明する意味でも、この横山光輝の「三国志」をレビューしてみたくなった。
合わせて諸子百家の思想等のレビューも入れ、中国文化についての私のかなり混乱した思いをいささかなりと整理してみたい。
(以下レビュー)
貧乏生活の中、かろうじてためたお金で高価な茶を買う劉備玄徳。しかし、母はお茶を買ってきたくれたことより、
漢の中山靖王劉勝の血筋を引く身分を示す刀を他人に渡してしまったことを嘆く。私は「育て方を誤った」と言って。
有名な「桃園の誓い」では劉備、関羽、張飛が「我ら天に誓う。我ら生まれた日は違えど死す時は同じ日同じ時を願わん」と言って杯を空ける。
この二つのエピソードは言うまでもなく、劉備が「漢皇帝の再興に一生を奉げること」とそれに「三兄弟が血命を奉げること」を誓うもので、
後日、関羽が死んだ時、劉備が孔明の制止を振り切り無謀ともいえる呉国攻めを行うことの伏線となっている。
三国志を通読すると言いようのない虚しさに襲われるのだが、それは自身の生涯をかけた目的が達成できず、また、その自分に無条件で身を奉げる弟達を守り切れなかった人間
(私たちの誰もがそのようなものかもしれないのだが)の一生の儚さが伝わってくるからではないだろうか。
2003年9月6日に日本でレビュー済み
「なぜこんなにも面白いのか?」という表紙の謳い文句につられて買ってみた私ですが本当に面白い! 小説は長くて読んだ事が無いという人には特にお勧め。友達なんか五回も繰り返し読んでました。劉備玄徳を主人公として描かれる三国志の世界には「俺が国を変えてみせる」という思いが渦巻いている。とにかくアツいんです! 分厚くお得なんで是非読んでみてください。
2004年3月7日に日本でレビュー済み
横山光輝先生と言うと「鉄人28号」世代や「バビル二世」世代のファンも少なくないだろう。だが、今や横山先生は日本、中国の歴史漫画の大家と言える存在だ。膨大な量の作品群を描き上げ、今も「殷周伝説」などを描き続けるその創作意欲には頭が下がる。根っから仕事熱心で、根っからの漫画好きなのだろう。
そんな歴史漫画の中で一押しなのが「三国志」だ。三国志は群雄割拠の一大スペクタクルだから、これに挑む漫画家は多い。李志清版、本宮ひろ志版、そして連載中の「蒼天航路」など枚挙に暇がない。だが、この横山版を読まずに三国志ファンを名乗る訳には行かないだろう。
そんな歴史漫画の中で一押しなのが「三国志」だ。三国志は群雄割拠の一大スペクタクルだから、これに挑む漫画家は多い。李志清版、本宮ひろ志版、そして連載中の「蒼天航路」など枚挙に暇がない。だが、この横山版を読まずに三国志ファンを名乗る訳には行かないだろう。