本書にはもう少しまっとうなタイトルはないかとも思うが、内容は確かにまともである。リカードの理論を引き合いに出してスターバックスの立地や移民について論じ、価格や情報について説きながら交通渋滞や医療、経済発展などの問題を分析してみせる。予習なしで読める、オーソドックスな経済学である。
テレビも新聞も、いい加減な評論家による嘘であふれている。経済学者にとって、経済学が世間から曲解され、学生に嫌われていることは頭痛の種である。曲解している側も、経済学を知らないために損をしたり、誤った政策を支持したりしている。経済学者は本書を授業の導入やネタに使い、その他の人は単に本書を読むことで、共に利益を得つつ、世の中を少しマシにすることができるだろう。
しいて言えば、「所得を再配分」など用語の誤りは少し気になる。また、需要と供給などの図を数枚入れることで、授業で学ぶ経済学との橋渡しをしてくれればなお良かった。
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まっとうな経済学 単行本 – 2006/9/14
ティム・ハーフォード
(著),
遠藤 真美
(翻訳)
賢い消費者、損をしない投資家、黒字国家、それにはみんなワケ
があった−−−。
経済理論を駆使して、毎日の買い物、投資家心理、国家財政まで、実体経済を動
かすしくみを根底から解き明かす!
大学生、ビジネスパーソン、公務員、政治家まで、経済活動にたずさわるすべて
の人の必読書!
があった−−−。
経済理論を駆使して、毎日の買い物、投資家心理、国家財政まで、実体経済を動
かすしくみを根底から解き明かす!
大学生、ビジネスパーソン、公務員、政治家まで、経済活動にたずさわるすべて
の人の必読書!
- 本の長さ367ページ
- 言語日本語
- 出版社ランダムハウス講談社
- 発売日2006/9/14
- ISBN-104270001445
- ISBN-13978-4270001448
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商品の説明
著者について
フィナンシャル・タイムズ紙の記者をへて、現在はフィナンシャ
ル・タイムズ・マガジンのコラムニスト。同誌連載のコラムDear Economistが好
評を博している。世界銀行グループの国際金融公社(IFC)の主任エコノミス
ト・ライター、オックスフォード大学経済学部講師などを務める傍ら、石油会社
のエコノミストでもある。
ル・タイムズ・マガジンのコラムニスト。同誌連載のコラムDear Economistが好
評を博している。世界銀行グループの国際金融公社(IFC)の主任エコノミス
ト・ライター、オックスフォード大学経済学部講師などを務める傍ら、石油会社
のエコノミストでもある。
登録情報
- 出版社 : ランダムハウス講談社 (2006/9/14)
- 発売日 : 2006/9/14
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 367ページ
- ISBN-10 : 4270001445
- ISBN-13 : 978-4270001448
- Amazon 売れ筋ランキング: - 606,074位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,608位経済学 (本)
- - 98,512位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年9月7日に日本でレビュー済み
私は経済学を多少なりとも修め、経済書なるものを多々読んでいるものです。
私と同じような状況の人がこの本を読んでも、特に真新しさは感じないでしょう。
普通の経済理論を、今流行りの行動経済学的な視点も交えて、実例を織り交ぜながら説明してくれています。
わかりやすくて良い本であり、理論に忠実ですから、「まっとう」であることは間違いありません。
ただ、「普通」です。
私と同じような状況の人がこの本を読んでも、特に真新しさは感じないでしょう。
普通の経済理論を、今流行りの行動経済学的な視点も交えて、実例を織り交ぜながら説明してくれています。
わかりやすくて良い本であり、理論に忠実ですから、「まっとう」であることは間違いありません。
ただ、「普通」です。
2020年3月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
英語で読むのが面倒だったので邦訳の古本を買ったのですが、無駄な買い物をしました。
翻訳者はまったく話を理解できていないと思います。話になりません。
たとえば、リカードの地代説をスターバックスの例で語るくだりが最初に出てきます。本の面白さを伝える一番重要な出だしですが、どうも意味がわからないので試し読みで原文を見たところ、全てのキーワードが見事に誤訳されており、せっかくの面白い話が台無しになっています。
こんな人に翻訳をさせてはダメだよ。やっつけでやってるでしょう。
この翻訳者の訳したものは買わない方がいいと思います。
翻訳者はまったく話を理解できていないと思います。話になりません。
たとえば、リカードの地代説をスターバックスの例で語るくだりが最初に出てきます。本の面白さを伝える一番重要な出だしですが、どうも意味がわからないので試し読みで原文を見たところ、全てのキーワードが見事に誤訳されており、せっかくの面白い話が台無しになっています。
こんな人に翻訳をさせてはダメだよ。やっつけでやってるでしょう。
この翻訳者の訳したものは買わない方がいいと思います。
2007年1月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
価格という視点から経済を捉えるとこうなる。
この本は、絶対オススメです。
とても身近な例(スタバのコーヒー価格とか)で、その一杯の
金額がどうやってきまるのか。また、なぜその金額を支払うのか。
経済とは無縁の自分ですが、わかりやすい。
キーワードとして、
希少性、価格ターゲティング、ヘッドスタート戦略、
排出権の考え方、消失する市場、競争入札などがあります。
一番印象的だったのが、
「プロジェクトの成功から利益を得る人と、プロジェクトを成功させられる
人が同じである場合に、成功する可能性が最も高くなる」
これです。
この本は、絶対オススメです。
とても身近な例(スタバのコーヒー価格とか)で、その一杯の
金額がどうやってきまるのか。また、なぜその金額を支払うのか。
経済とは無縁の自分ですが、わかりやすい。
キーワードとして、
希少性、価格ターゲティング、ヘッドスタート戦略、
排出権の考え方、消失する市場、競争入札などがあります。
一番印象的だったのが、
「プロジェクトの成功から利益を得る人と、プロジェクトを成功させられる
人が同じである場合に、成功する可能性が最も高くなる」
これです。
2011年3月20日に日本でレビュー済み
この本の始まりが、「コーヒーバー」の話です。結構、この話は、奥
が深いです。カフェイン中毒の私も、完全にはまっているのでしょう。
「コーヒーバー」の戦略に…。
「行動ファイナンス理論」をふんだんに学べます。
(「行動経済学」かな。この違いは、私には分かりません。間違ってい
たら、ごめんなさい。)
「第5章 内部情報」は、経済学における「レモン市場」や「逆選抜
(adverse selection)」もあります。、「ゲームの理論」あります。「ラ
ンダムウォーク理論」あります。ともかく、盛りだくさんです。経済学
は、分野、広いのですね。「数学」から「心理学」まで普通に(?)
広がっています。
ともかく、この手の話は、私にとって新鮮で、おもしろい分野です。
まだまだ、無知故、今まで知らない知識を得ることが、この年になって
も、楽しいと感じています。
そして、これらにのっている行動は、自分自身の行動にもあてはまり
ますし…。なんか、心理学??
この手の経済学、難しいと最初から決めてかからず、勉強してみると
おもしろいものですよ。
が深いです。カフェイン中毒の私も、完全にはまっているのでしょう。
「コーヒーバー」の戦略に…。
「行動ファイナンス理論」をふんだんに学べます。
(「行動経済学」かな。この違いは、私には分かりません。間違ってい
たら、ごめんなさい。)
「第5章 内部情報」は、経済学における「レモン市場」や「逆選抜
(adverse selection)」もあります。、「ゲームの理論」あります。「ラ
ンダムウォーク理論」あります。ともかく、盛りだくさんです。経済学
は、分野、広いのですね。「数学」から「心理学」まで普通に(?)
広がっています。
ともかく、この手の話は、私にとって新鮮で、おもしろい分野です。
まだまだ、無知故、今まで知らない知識を得ることが、この年になって
も、楽しいと感じています。
そして、これらにのっている行動は、自分自身の行動にもあてはまり
ますし…。なんか、心理学??
この手の経済学、難しいと最初から決めてかからず、勉強してみると
おもしろいものですよ。
2008年10月8日に日本でレビュー済み
確かに分かりやすく、話題もいろいろあって、たのしく読める。しかし、この手のエッセイではしかたがないのかもしれないが、経済学を使うときに注意すべき落とし穴の類は、これを読んでも絶対わからない。その意味で、経済学を「使える」ようにはならない。
著者は言う、「「フェアトレードコーヒー」や「無搾取衣料品」といった局所的対応で、何百万という人びとの生活が大幅に改善することは絶対にない」(p.330)。経済学者は、しばしばこんな風に搾取への素朴な反感を恫喝するが、それはどこまで本当か。
本来、先進国は労働者をより人間らしく扱うように「共通の」ルールを作るよう努力することはできるはずである。それはもちろん、政治的には困難なことだ。しかし、それは言い換えれば、その政治的困難さを作り出している先進国に暮らす私たちには道義的責任がある、ということだ。
それを明らかにすることくらいは、経済学者でもできることのはずである。著者の恫喝は、著者自身が選んだ政治的態度に過ぎず、経済学から導かれる普遍的な洞察とは何のかかわりもない。
著者は言う、「「フェアトレードコーヒー」や「無搾取衣料品」といった局所的対応で、何百万という人びとの生活が大幅に改善することは絶対にない」(p.330)。経済学者は、しばしばこんな風に搾取への素朴な反感を恫喝するが、それはどこまで本当か。
本来、先進国は労働者をより人間らしく扱うように「共通の」ルールを作るよう努力することはできるはずである。それはもちろん、政治的には困難なことだ。しかし、それは言い換えれば、その政治的困難さを作り出している先進国に暮らす私たちには道義的責任がある、ということだ。
それを明らかにすることくらいは、経済学者でもできることのはずである。著者の恫喝は、著者自身が選んだ政治的態度に過ぎず、経済学から導かれる普遍的な洞察とは何のかかわりもない。
2008年1月13日に日本でレビュー済み
著者は実に「まっとうな」経済学者としての視点から、
現代社会の多くの経済活動を語る。
スターバックスがいい立地にあるからと言って、
そこでの売り上げがそのまま儲けになるのではなく、
むしろ、土地の賃借料として地主を豊かにしている。
そしてこれは、デイヴィド・リカードが指摘しているように、
1800年代に大陸からの穀物の輸入禁止によって
利益を受けていたイギリスの大土地農場主の得ていたものと同じだとする。
次に、渋滞や公害などの関係者の多い問題は、
政府による一元的な管理が交渉費用を低減するために望まれる。
これを炭素税などの形で行うと、
炭素を減らそうとする人々の行動を誘発するために望ましい結果を生む。
これはカリフォルニアの硫黄排出税の場合にも、よくあてはまった。
公共財産たる電波帯域を適切なオークションにかけることによって、
イギリス国民は、事前の予測の10倍にも及ぶ、多大な利益をえることになった。
不平等を拡大するとして、
グローバリゼーションを批判して貿易を阻害しようとすれば、
国内の劣位の産業を保護することになるだけで、
途上国民の福利厚生は押し下げられるというのが現実であり、
これは、ほとんどの経済学者の一致した意見だ。
などなど、経済学的な視点からの正論を次々と提示する。
炭素税や自由貿易に反対するような極端なXX主義者は本書を読まないだろうが、
それに至らない健全で常識的な多くの市民は、
この著書から市場の限界と政府の果たしえる役割、
自由貿易の意義や、市場のもつインセンティブ・コンパティビリティに
ついて多くを学ぶことができるだろう。
現代社会の多くの経済活動を語る。
スターバックスがいい立地にあるからと言って、
そこでの売り上げがそのまま儲けになるのではなく、
むしろ、土地の賃借料として地主を豊かにしている。
そしてこれは、デイヴィド・リカードが指摘しているように、
1800年代に大陸からの穀物の輸入禁止によって
利益を受けていたイギリスの大土地農場主の得ていたものと同じだとする。
次に、渋滞や公害などの関係者の多い問題は、
政府による一元的な管理が交渉費用を低減するために望まれる。
これを炭素税などの形で行うと、
炭素を減らそうとする人々の行動を誘発するために望ましい結果を生む。
これはカリフォルニアの硫黄排出税の場合にも、よくあてはまった。
公共財産たる電波帯域を適切なオークションにかけることによって、
イギリス国民は、事前の予測の10倍にも及ぶ、多大な利益をえることになった。
不平等を拡大するとして、
グローバリゼーションを批判して貿易を阻害しようとすれば、
国内の劣位の産業を保護することになるだけで、
途上国民の福利厚生は押し下げられるというのが現実であり、
これは、ほとんどの経済学者の一致した意見だ。
などなど、経済学的な視点からの正論を次々と提示する。
炭素税や自由貿易に反対するような極端なXX主義者は本書を読まないだろうが、
それに至らない健全で常識的な多くの市民は、
この著書から市場の限界と政府の果たしえる役割、
自由貿易の意義や、市場のもつインセンティブ・コンパティビリティに
ついて多くを学ぶことができるだろう。
2007年10月23日に日本でレビュー済み
まず本書の強調する要点は3つあります。
1.希少性が価値を引き上げる。交渉力は希少性から生まれる。これが基本原理です。
2.希少性に直面すると市場はうまく機能しなくなる。これは
3つの重要な問題に対応している。これを「市場の失敗」と言います。
それは「希少性の力」「情報の欠落」「傍観者に副作用を及ばす決定」の3つを
含みます。
原油高はやはり著者が石油会社のエコノミストなので解説しています。
3.環境問題と経済の問題。この2つはお互い対立している風に思えますが、
著者は具体的な統計を示して実はそうでない事を解説しています。
本書の根幹になる3つの柱は以上です。
他にも経済学の薀蓄話、例えばバーゲンやスターバックスコーヒーの
様々なメニューは消費者の趣向を選別するのに良い価格ターゲットという話題、
長期株式投資をグラフ化して解かり易く説明しているなどかなり多様な内容を
本書から収穫できました!
1.希少性が価値を引き上げる。交渉力は希少性から生まれる。これが基本原理です。
2.希少性に直面すると市場はうまく機能しなくなる。これは
3つの重要な問題に対応している。これを「市場の失敗」と言います。
それは「希少性の力」「情報の欠落」「傍観者に副作用を及ばす決定」の3つを
含みます。
原油高はやはり著者が石油会社のエコノミストなので解説しています。
3.環境問題と経済の問題。この2つはお互い対立している風に思えますが、
著者は具体的な統計を示して実はそうでない事を解説しています。
本書の根幹になる3つの柱は以上です。
他にも経済学の薀蓄話、例えばバーゲンやスターバックスコーヒーの
様々なメニューは消費者の趣向を選別するのに良い価格ターゲットという話題、
長期株式投資をグラフ化して解かり易く説明しているなどかなり多様な内容を
本書から収穫できました!