物足りなさが残る「古書の来歴」
ジェラルディン・ブルックス著(森嶋マリ訳)「古書の来歴 (People of the Book)」(RHブックス+;2012/4/10, 文庫版(上・下)初版)は、面白く、一気に読めた。偶像崇拝を否定するユダヤ教だが、15世紀のスペインでムーア人の女性ザーラよって聾唖者のために美しい細密画入りの祈祷書が作られた。その後、絵を買い取った能書家ダヴィドによって祈祷文が書き加えられて完成したSalajevo Haggadahは、スペイン両王の勅令によってユダヤ教徒と共に国外追放され、17世紀のベネチアでの異端審問官による焚書を逃れ、ナチスの焚書も逃れ、ボスニアで紛争も逃れて1996年にサラエボで再発見される旅をオーストラリアの古書鑑定家ハンナ・ヒースが辿る物語。ユダヤ教の過越し祭の聖餐の際の祈祷に使われる家庭用の祈祷書が、宗教の壁を越え、博物館の学芸員らによって守りつがれてきた。
ヨーロッパを主な舞台として時空を駆け巡る小説だと映像が頭の中を流れるように読み進み、様々な知識を手に入れることができる。オーストラリアまで第三極として加えられている点は、それぞれが薄くなって、逆に重奏感を損なっている。
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古書の来歴 (上巻) (RHブックス・プラス) 文庫 – 2012/4/10
ジェラルディン・ブルックス
(著),
森嶋 マリ
(翻訳)
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まるで古書版CSI(科学捜査班)。古書を科学捜査することで一つ一つの物語がたちあがってくる。古書が記憶する五百年の歴史! ミステリと歴史ロマンが結びついた秀作 ――池上冬樹(文芸評論家)
100年ものあいだ行方が知れなかった「サラエボ・ハガダー」が発見された―—連絡を受けた古書鑑定家のハンナは、すぐさまサラエボに向かった。 ハガダーは、ユダヤ教の「過越しの祭り」で使われるヘブライ語で祈りや詩篇が書かれた書である。今回発見されたサラエボ・ハガダーは、実在する最古のハガダーとも言われており、500年前、中世スペインで作られたと伝えられていた。また、ハガダーとしてはめずらしく、美しく彩色された細密画が多数描かれていることでも知られていた。それが1894年に存在を確認されたのを最後に紛争で行方知れずになっていたのだ。 鑑定を行なったハンナは、羊皮紙のあいだに蝶の羽の欠片が挟まっていることに気づく。それを皮切りに、ハガダーは封印してきた歴史をひも解きはじめ……。
異端審問、焚書、迫害、紛争——運命に翻弄されながらも激動の歴史を生き抜いた1冊の美しい稀覯本と、それにまつわる人々を描いた歴史ミステリの白眉。第2回翻訳ミステリー大賞受賞作。
100年ものあいだ行方が知れなかった「サラエボ・ハガダー」が発見された―—連絡を受けた古書鑑定家のハンナは、すぐさまサラエボに向かった。 ハガダーは、ユダヤ教の「過越しの祭り」で使われるヘブライ語で祈りや詩篇が書かれた書である。今回発見されたサラエボ・ハガダーは、実在する最古のハガダーとも言われており、500年前、中世スペインで作られたと伝えられていた。また、ハガダーとしてはめずらしく、美しく彩色された細密画が多数描かれていることでも知られていた。それが1894年に存在を確認されたのを最後に紛争で行方知れずになっていたのだ。 鑑定を行なったハンナは、羊皮紙のあいだに蝶の羽の欠片が挟まっていることに気づく。それを皮切りに、ハガダーは封印してきた歴史をひも解きはじめ……。
異端審問、焚書、迫害、紛争——運命に翻弄されながらも激動の歴史を生き抜いた1冊の美しい稀覯本と、それにまつわる人々を描いた歴史ミステリの白眉。第2回翻訳ミステリー大賞受賞作。
- 本の長さ336ページ
- 言語日本語
- 出版社武田ランダムハウスジャパン
- 発売日2012/4/10
- ISBN-104270104090
- ISBN-13978-4270104095
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商品の説明
著者について
オーストラリア生まれ。シドニー大学卒業後、シドニー・モーニング・ヘラルド紙で環境問題などを担当。奨学金を得て、コロンビア大学に留学、並行してウォールストリート・ジャーナル紙でボスニア、ソマリア、中東地域の特派員として活躍、その経験をもとに2冊のノンフィクションを執筆する。
2001年に、17世紀の英国を舞台にしたYear of Wondersで小説デビュー。2006年、『マーチ家の父――もうひとつの若草物語』でフィクション部門のピューリッツァー賞を受賞した。3作目の小説である本書もベストセラーとなり、20カ国語以上に翻訳される。卓越したストーリーテリングで米歴史小説界の頂点に駆け上がった新星。現在は、同じくピューリッツァー賞受賞者であるジャーナリストの夫トニー・ホルヴィッツと、息子と共にマサチューセッツ州マーサズ・ヴィンヤード島とシドニーに暮らす。
2001年に、17世紀の英国を舞台にしたYear of Wondersで小説デビュー。2006年、『マーチ家の父――もうひとつの若草物語』でフィクション部門のピューリッツァー賞を受賞した。3作目の小説である本書もベストセラーとなり、20カ国語以上に翻訳される。卓越したストーリーテリングで米歴史小説界の頂点に駆け上がった新星。現在は、同じくピューリッツァー賞受賞者であるジャーナリストの夫トニー・ホルヴィッツと、息子と共にマサチューセッツ州マーサズ・ヴィンヤード島とシドニーに暮らす。
登録情報
- 出版社 : 武田ランダムハウスジャパン (2012/4/10)
- 発売日 : 2012/4/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 336ページ
- ISBN-10 : 4270104090
- ISBN-13 : 978-4270104095
- Amazon 売れ筋ランキング: - 501,580位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 113,851位文庫
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年2月8日に日本でレビュー済み
サラエボ・ハガターという古書をめぐるおはなし。
古書鑑定家のハンナが見つけた品々をしらべながら、
それぞれの物語を、時代をさかのぼりながら、進む。
ハンナの現在の話と交互に進む。
そこが、感情移入しやすい。
ものすごく長い年月のことが語られ、
一冊の本が多くの歴史を持っていることが貴重だと語られる。
時代、時代の辛い歴史の中で生きた人々、
そしてその中をくぐりぬけてきたこの書。
たしかにすごい。
でも、どんな運命のどんな人物でも、そこに毎日があったこと。
そこで精一杯生きたんだということを強く感じた。
古書をめぐる話だが、そんな人々を見てきた本の物語のような気がした。
読み終えてから、少し時間がたった時、そんな印象をもってこの作品を思った。
古書鑑定家のハンナが見つけた品々をしらべながら、
それぞれの物語を、時代をさかのぼりながら、進む。
ハンナの現在の話と交互に進む。
そこが、感情移入しやすい。
ものすごく長い年月のことが語られ、
一冊の本が多くの歴史を持っていることが貴重だと語られる。
時代、時代の辛い歴史の中で生きた人々、
そしてその中をくぐりぬけてきたこの書。
たしかにすごい。
でも、どんな運命のどんな人物でも、そこに毎日があったこと。
そこで精一杯生きたんだということを強く感じた。
古書をめぐる話だが、そんな人々を見てきた本の物語のような気がした。
読み終えてから、少し時間がたった時、そんな印象をもってこの作品を思った。
2017年6月19日に日本でレビュー済み
重厚な内容に圧倒されました。
徹夜して一気に読んでしまうというより、内容をよく理解しながらていねいに読みたくなる本で、歴史的な出来事や人名を確認したりしながら1週間もかけてちびちび読みました。
最初は、章が変わって突然始まる脈絡のない昔の物語に??となりましたが、それらは、本に残されたそれぞれの小さな痕跡の由来を語るものでした。
この部分を読みながら我々は、検証して推理するしかない主人公よりも古書を巡る正確な事実を知ることになります。それぞれのエピソードは、古い廃墟の3Dの復元ビデオを見ているようで、古書に関わった人々の姿が生き生きと蘇ります。時代がどんどん遡って古書の誕生に近づいていくのもいくのもすごく上手いところだと思います。
宗教に関係なく、美しいものを作りたい、守りたい、というたくさんの人の思いが重なって今も存在するこのサラエボ・ハガダーは、こういう時代にあって希望の象徴のようだと感じました。
徹夜して一気に読んでしまうというより、内容をよく理解しながらていねいに読みたくなる本で、歴史的な出来事や人名を確認したりしながら1週間もかけてちびちび読みました。
最初は、章が変わって突然始まる脈絡のない昔の物語に??となりましたが、それらは、本に残されたそれぞれの小さな痕跡の由来を語るものでした。
この部分を読みながら我々は、検証して推理するしかない主人公よりも古書を巡る正確な事実を知ることになります。それぞれのエピソードは、古い廃墟の3Dの復元ビデオを見ているようで、古書に関わった人々の姿が生き生きと蘇ります。時代がどんどん遡って古書の誕生に近づいていくのもいくのもすごく上手いところだと思います。
宗教に関係なく、美しいものを作りたい、守りたい、というたくさんの人の思いが重なって今も存在するこのサラエボ・ハガダーは、こういう時代にあって希望の象徴のようだと感じました。