中学生でも充分理解できる内容で、しかも簡潔に現行憲法と自民党の改正草案の違いを明確に示している。学生から普段憲法についてそれほど考えたことがない大人まで、この著書によって自民党草案がいかに民主主義及び国民主権を脅かす解釈が可能であるかを学んで欲しい。日本国憲法は非常にコンパクトで国家の方針を端的に示している。細部に関しては個々の法律に判断を委ねていることが、長年に亘って一度も改憲されたことが無い理由だろう。その骨子は替える必要が無かったからだ。最近同書の増補版がリリースされたが、こちらはそのもとになっている初版。しかし統一教会と政治の癒着の問題が明らかになりつつある現在、本書が一層価値のある憲法ガイドブックの役割を果たすことができるだろう。著者によって問題が提起され、読者がまず自分なりの回答を試みるわけだが、現行憲法と微妙に文言を変えた草案の違いを比較すると、全く異なった解釈が導き出される例もある。
第一問は憲法は国民が守る義務か、あるいは権力者が守る義務かの設問で、言うまでもなく答えは後者だ。近代立憲主義での憲法は権力者に歯止めをかけるためにあると明言している。このことからも改憲を権力者側から積極的に推し進めるという事自体にひとつの疑問を抱かざるを得ない。また平和主義に関しては平和的生存権『ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利』が草案では削除されている。天皇制については現行の象徴から元首に替えている。こうしたひとつひとつの書き換えや削除が明瞭で、その結果どういう解釈が成り立つかを冷静に示した良書だ。国民の間に改憲の議論やその内容が周知されないうちに強引に改憲に持ち込むことがあってはならない。
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赤ペンチェック 自民党憲法改正草案 単行本 – 2013/5/31
伊藤 真
(著)
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トンデモ改憲案の条文を、「法律受験のカリスマ」伊藤真・伊藤塾塾長が赤ペン添削!
なぜ、自民党の改憲案は「憲法の体をなしていない」のか? 近代国家が寄って立つ「立憲主義」のキホンが、改憲案との比較でわかります。
✓条文ごとに「改正草案」と現行憲法を対比。
✓「チェック問題」で注目すべき重要部分を明らかに。
✓自民党の「改憲草案Q&A」による改正理由と、その問題点を解説。
✓憲法にくわしくなくても、この1冊でしっかりわかる。
憲法の勉強会等にも最適です!
✓さあ、赤ペン片手にあなたがチェック!
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- 本の長さ111ページ
- 言語日本語
- 出版社大月書店
- 発売日2013/5/31
- ISBN-104272211056
- ISBN-13978-4272211050
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商品の説明
著者について
弁護士、法学館憲法研究所所長、法学館法律事務所所長、伊藤塾(法律資格の受験指導校)塾長。日本国憲法の理念を伝える伝道師として講演・執筆活動を行う。NHK「日曜討論」「仕事学のすすめ」、テレビ朝日の「朝まで生テレビ」などに出演。様々な媒体を通じてメッセージを日々発信している。著書『伊藤真の世界一わかりやすい憲法入門』など多数。
登録情報
- 出版社 : 大月書店 (2013/5/31)
- 発売日 : 2013/5/31
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 111ページ
- ISBN-10 : 4272211056
- ISBN-13 : 978-4272211050
- Amazon 売れ筋ランキング: - 942,163位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
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2022年7月16日に日本でレビュー済み
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2016年10月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自民党の改憲草案の内容がよく理解できました。
憲法と呼べる内容でない草案であり、こんなものは世に出してはいけないと強く感じました。
憲法と呼べる内容でない草案であり、こんなものは世に出してはいけないと強く感じました。
2016年7月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自民党の憲法改正草案と現行憲法とを並べて、異なる点は赤字表記されています。
また、自民党の言う改正理由に対しての問題点を「チェック問題と答」の形式で書かれています。
問題を読んで自分なりの答を考えてから伊藤先生の答を読む、ような形なのですが、それにこだわらずに読んでいます。
改正草案では、「これこれこうだから、国民はちゃんと守れよ」と国側の目線で言っていることに驚きます。
権力者側が守らなければならない憲法を、権力者側が勝手に変更したいなどというのは本当に、不遜かつ傲慢。
第13条 「すべて国民は、個人として尊重される」(現行)→「全て国民は、人として尊重される」(改正草案)
――引用開始――
「個人」を「人」に変えるということは、たいへん重要な変更点です。個人の尊重とは、人種・宗教・性別などを超えて一人ひとりを大切にするということであり、個人のための国家であって国家のための個人ではない、つまり全体主義ではなく個人主義(利己主義ではなく、個々人の主体性を重んじること)であるというとても重要な考えだからです。
――引用終わり――
法律や契約書などもそうですが、条文って、どこがどう問題なのか、自分で読んだだけではなかなか気づきにくいものです。
「個人」→「人」のように、一見大した変りはなさそうに思えても、それが重要だったりします。
人として尊重されるというと、牛や犬などの動物ではなく、といった意味合いになりますよね。
そういう、読み方、読み込み方のヒントももらえます。
また、自民党の言う改正理由に対しての問題点を「チェック問題と答」の形式で書かれています。
問題を読んで自分なりの答を考えてから伊藤先生の答を読む、ような形なのですが、それにこだわらずに読んでいます。
改正草案では、「これこれこうだから、国民はちゃんと守れよ」と国側の目線で言っていることに驚きます。
権力者側が守らなければならない憲法を、権力者側が勝手に変更したいなどというのは本当に、不遜かつ傲慢。
第13条 「すべて国民は、個人として尊重される」(現行)→「全て国民は、人として尊重される」(改正草案)
――引用開始――
「個人」を「人」に変えるということは、たいへん重要な変更点です。個人の尊重とは、人種・宗教・性別などを超えて一人ひとりを大切にするということであり、個人のための国家であって国家のための個人ではない、つまり全体主義ではなく個人主義(利己主義ではなく、個々人の主体性を重んじること)であるというとても重要な考えだからです。
――引用終わり――
法律や契約書などもそうですが、条文って、どこがどう問題なのか、自分で読んだだけではなかなか気づきにくいものです。
「個人」→「人」のように、一見大した変りはなさそうに思えても、それが重要だったりします。
人として尊重されるというと、牛や犬などの動物ではなく、といった意味合いになりますよね。
そういう、読み方、読み込み方のヒントももらえます。
2016年10月14日に日本でレビュー済み
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詳しく改憲草案の問題点につて 洗い出している。
ここまで懐古主義の自民党改憲草案を 一体何のために作ったのだろう。
自民党は時代錯誤であり 狂っている。
ここまで懐古主義の自民党改憲草案を 一体何のために作ったのだろう。
自民党は時代錯誤であり 狂っている。
2016年7月18日に日本でレビュー済み
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自民党憲法改正草案という欠陥草案(というより、明治憲法の再来?)を、的確に指摘しています。自民党は欠陥憲法に改正して、また第二次世界大戦以前の明治憲法の欠陥による悲劇を、また繰り返すつもりなのか?と思いたくなります。
自民党憲法改正草案は国民への憲法尊重義務や家族の規定を記述など、本来、憲法は政府による国民の統治を正当なものするために、国民が政府に対して定めたルールのようなもの。なのに、国民に守らせる事は憲法の本質をひっくり返します。また、集団的自衛権行使容認を、閣議決定でおこなうような近代立憲主義の基礎すら分かっていない、現在の自民党に、憲法改正を主張する資格はないです。政治家や大規模法人に対し、都合のいい憲法を、国民を騙して選挙で票を取り、成立させるつもりである事が見え見えです。
この本は、自民党憲法改正草案に賛成か反対かを考えさせ、なぜその立場なのか?と自身の意見を構築する機会を与えてくれます。
自民党憲法改正草案は国民への憲法尊重義務や家族の規定を記述など、本来、憲法は政府による国民の統治を正当なものするために、国民が政府に対して定めたルールのようなもの。なのに、国民に守らせる事は憲法の本質をひっくり返します。また、集団的自衛権行使容認を、閣議決定でおこなうような近代立憲主義の基礎すら分かっていない、現在の自民党に、憲法改正を主張する資格はないです。政治家や大規模法人に対し、都合のいい憲法を、国民を騙して選挙で票を取り、成立させるつもりである事が見え見えです。
この本は、自民党憲法改正草案に賛成か反対かを考えさせ、なぜその立場なのか?と自身の意見を構築する機会を与えてくれます。
2015年12月3日に日本でレビュー済み
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基本的人権が反故にされそうで、自民党の改憲案に危機を持っています。
2014年2月17日に日本でレビュー済み
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「自民党の憲法改正案」を見ないで、改正賛成・反対を叫んでいる人も結構いるのではないか。せめて、その内容を掴んで論議したいものです。この書はその問題点を司法試験指導で有名な伊藤宿の伊藤先生が、自民党の改定案条文、設問、回答という形式になっている。
ただ、この形式は、私には少々とっつきづらいものであった。普通の本のように、対比しながら伊藤先生の論で一冊出してもらいたかった。もちろん、こういう形式になじむ方も多いかもしれません。いずれにしても、憲法を学ぶ好材料の本である。
ただ、この形式は、私には少々とっつきづらいものであった。普通の本のように、対比しながら伊藤先生の論で一冊出してもらいたかった。もちろん、こういう形式になじむ方も多いかもしれません。いずれにしても、憲法を学ぶ好材料の本である。
2014年2月23日に日本でレビュー済み
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護憲か改憲か。そんな二択でとらえるのは乱暴だと思います。
現行憲法は完璧ではないという前提のもと、「変えるなら、どこをどう変えるか」と考える。そのための観点を提供してくれる本。内容への賛否はともかく、一読して損はしないと思います。
自民党草案は、良し悪しは別として、現行憲法とは全くの別物である。改めて、そう感じました。
九条をどうすべきか。正直言って、分からない。ただ、立憲主義は崩しちゃいけないだろう。。。
個人的には、そう考えています。
現行憲法は完璧ではないという前提のもと、「変えるなら、どこをどう変えるか」と考える。そのための観点を提供してくれる本。内容への賛否はともかく、一読して損はしないと思います。
自民党草案は、良し悪しは別として、現行憲法とは全くの別物である。改めて、そう感じました。
九条をどうすべきか。正直言って、分からない。ただ、立憲主義は崩しちゃいけないだろう。。。
個人的には、そう考えています。