・全体像
彼は、「神なき人間」が抱えることになる新たな「生死」問題〜
〜宗教批判を通して試みようとした。
和書には少ないフォイエルバッハを主題にした一冊。
近代哲学者、無神論者の肩書きをもった彼の哲学を、マルクス・
ルター・ヘーゲル等著名人を交え語った良書。
・感想
日本人は無宗教だとよく耳にしますが、古くから神道・仏教を生活に
馴染ませ、言霊信仰・山岳信仰を意識しないままに行っているとおもいます。
男性なら巫女さんが大好きですしね。
このフォイエルバッハは、かの『資本論』マルクスに多大な影響を与えた
一人ですが、中々名前を耳にする機会はありません。
彼の哲学は無神論、つまり神はいない。神は人間が創造したというものです。
神様が人間を作ったといわれるよりも、日本人にはこちらの方が性に合っている
とは思いませんか?
この現象を【疎外】と彼は名付け、意味は自身が投影して作ったものに
逆に支配されるということです。
投影
―――――――→
人間 神(空想)
←―――――――
支配
彼は、人間の本質のひとつを「愛」として挙げましたが、現実の人間は
利益と欲望に執着し、愛を実行できない。だから人は、「愛」を「神」
と置き換えて、神から愛情を貰えるシステムを作り出したといいます。
まさに、日本人にうってつけの無神論だとは思いませんか。
この本を手にして、まだ見ぬ彼の思想と触れ合ってみてください。
・抜粋文
「宗教とは、根源的には、まったく人間が自然または世界との自己の関連、
統一性に関してもっている感情以外のなにものでもない」
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
フォイエルバッハと現代 単行本 – 1997/6/1
河上 睦子
(著)
- 本の長さ249ページ
- 言語日本語
- 出版社御茶の水書房
- 発売日1997/6/1
- ISBN-104275016742
- ISBN-13978-4275016744
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
「神なき人間」が抱えることになる新たな「生死」問題、および「身体性」をベースとした「自然」問題についての深い洞察を、宗教批判を通して試みたフォイエルバッハの哲学を、今日的意義を求めて新たに読み直す。
登録情報
- 出版社 : 御茶の水書房 (1997/6/1)
- 発売日 : 1997/6/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 249ページ
- ISBN-10 : 4275016742
- ISBN-13 : 978-4275016744
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,585,120位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,455位ドイツ・オーストリアの思想
- - 3,027位西洋哲学入門
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中5つ
5つのうち5つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
3グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2012年3月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「マルクスへの通過点として」、あるいは「エンゲルスによる」というイデオロギーからの視点を廃し、フォイエルバッハをとらえ直しています。入門書ではないので内容はそこそこ難しいと思います。ただし、清水書院の「フォイエルバッハ」を読み、かつ哲学書を読みなれていれば、それほど難しくはないと感じました。
内容に関しては非常に意欲的で、様々な方面からの研究結果を総括しており、非常に興味深く面白いと感じました。さらに第3章においては新たな課題として、フェミニズムや死の問題と関連させて本格的な議論を展開しており、何とも言えず刺激的なものとなっています。
日本においては恵まれていたとは言い難いフォイエルバッハ論を、これほど本格的に学べる本は他に無いようなので、一度読んで見てください。大変ためになります。
内容に関しては非常に意欲的で、様々な方面からの研究結果を総括しており、非常に興味深く面白いと感じました。さらに第3章においては新たな課題として、フェミニズムや死の問題と関連させて本格的な議論を展開しており、何とも言えず刺激的なものとなっています。
日本においては恵まれていたとは言い難いフォイエルバッハ論を、これほど本格的に学べる本は他に無いようなので、一度読んで見てください。大変ためになります。
2007年7月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
マルクス、あるいはより以上に党派性に塗れたマルクス主義からのフォイエルバッハの開放を企てた稀有の書。厳密に言うならエンゲルスの『フォイエルバッハ論』の偏見や、その追随者たちのレッテル貼りを解き、剥がす試みである。
試論とも言える本書を紐解くに、フォイエルバッハの思想の射程は確実に現代にも届いており、その巨大な懐は未だ解明されているとは言い難いという印象をもった。
フェミニズムとの関連、最後に置かれた「死」を巡る問題など、いずれもフォイエルバッハの底知れぬ思想世界を垣間見させる。著者は党派性に拘りのない唯一のフォイエルバッハ研究者と思われる。今後、研究を深めて欲しい。
試論とも言える本書を紐解くに、フォイエルバッハの思想の射程は確実に現代にも届いており、その巨大な懐は未だ解明されているとは言い難いという印象をもった。
フェミニズムとの関連、最後に置かれた「死」を巡る問題など、いずれもフォイエルバッハの底知れぬ思想世界を垣間見させる。著者は党派性に拘りのない唯一のフォイエルバッハ研究者と思われる。今後、研究を深めて欲しい。