英語のコンプライアンスということばが持つ「満たす」「充足する」という意味に着目し、日本の社会風土の中でいかにしてコンプライアンスを理解し、実現することができるかを考えた処方箋。
特に日本では、コンプライアンスを法令遵守という面だけで理解しようとするとき、現実との乖離が生じ、法令を遵守することがかえって社会に悪影響を与え、組織に不利益をもたらす事がある。
実際に日本でおこったいくつかのケースを扱いながら、社会と組織に有益なコンプライアンスのあり方を模索する。コンプライアンスやリスクマネジメントに関わる人は必読。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
コンプライアンス革命: コンプライアンス=法令遵守が招いた企業の危機 単行本 – 2005/6/1
郷原 信郎
(著)
- 本の長さ230ページ
- 言語日本語
- 出版社文芸社
- 発売日2005/6/1
- ISBN-104286001377
- ISBN-13978-4286001371
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
出版社からのコメント
いかに社員たちがコンプライアンスを忌み嫌おうと、それが企業不祥事の防止に本当に役立っているなら、我慢して受け入れざるを得ないだろう。しかし現実には、万全なコンプライアンス体制を築いたはずの企業の多くで深刻な不祥事が再発し、大きな社会的非難を受ける事態に発展している。ということは、日本の企業社会に行きわたっているコンプライアンスを、単純に「法令遵守」と結びつける発想そのものに問題があるのではないだろうかーーこの疑問が本書の出発点である。
畑村洋太郎氏の「失敗学」から大きなヒントを得て、法曹家としてコンプライアンスと法令の意味・目的を根本から問い直し、「真のコンプライアンス」実現のための5つの具体的指針である「フルセット・コンプライアンス」を提唱。
また、長年のリコール隠しが発覚した三菱自動車事件、不祥事の続発によってトップブランドを社会的抹殺に等しい窮地に追い込んだ雪印事件などを、法令遵守とは異なる「真のコンプライアンス」の観点から再検討し、創造的な企業活動を実現させるための実践的なアドバイスを行っている。企業経営者のみならず、コンプライアンス部門に携わる専門家にとっても必読の書である。
畑村洋太郎氏の「失敗学」から大きなヒントを得て、法曹家としてコンプライアンスと法令の意味・目的を根本から問い直し、「真のコンプライアンス」実現のための5つの具体的指針である「フルセット・コンプライアンス」を提唱。
また、長年のリコール隠しが発覚した三菱自動車事件、不祥事の続発によってトップブランドを社会的抹殺に等しい窮地に追い込んだ雪印事件などを、法令遵守とは異なる「真のコンプライアンス」の観点から再検討し、創造的な企業活動を実現させるための実践的なアドバイスを行っている。企業経営者のみならず、コンプライアンス部門に携わる専門家にとっても必読の書である。
著者について
著者紹介
郷原信郎
55年島根県松江市生まれ。77年東京大学理学部卒業、83年検事任官、公正取引委員会事務局審査部付検事、東京地検特捜部検事,長崎地検次席検事などを歴任。03年秋から桐蔭横浜大学大学院特任教授を兼任、05年桐蔭横浜大学法科大学院教授(東京高検から同法科大学院に派遣)、コンプライアンス研究センター長。
ジュリスト、NBLなど法律雑誌への多数の論文寄稿のほか,日本経済新聞「経済教室」,朝日新聞「オピニオン」面などの日刊紙、エコノミスト、日経ビジネス,週刊ダイヤモンドなどの経済誌でも大胆な提言を続ける異色の現職検事・法科大学院教授。経済法,コンプライアンス論のオピニオンリーダー。
郷原信郎
55年島根県松江市生まれ。77年東京大学理学部卒業、83年検事任官、公正取引委員会事務局審査部付検事、東京地検特捜部検事,長崎地検次席検事などを歴任。03年秋から桐蔭横浜大学大学院特任教授を兼任、05年桐蔭横浜大学法科大学院教授(東京高検から同法科大学院に派遣)、コンプライアンス研究センター長。
ジュリスト、NBLなど法律雑誌への多数の論文寄稿のほか,日本経済新聞「経済教室」,朝日新聞「オピニオン」面などの日刊紙、エコノミスト、日経ビジネス,週刊ダイヤモンドなどの経済誌でも大胆な提言を続ける異色の現職検事・法科大学院教授。経済法,コンプライアンス論のオピニオンリーダー。
登録情報
- 出版社 : 文芸社 (2005/6/1)
- 発売日 : 2005/6/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 230ページ
- ISBN-10 : 4286001377
- ISBN-13 : 978-4286001371
- Amazon 売れ筋ランキング: - 325,397位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 22,771位投資・金融・会社経営 (本)
- - 34,552位ビジネス・経済 (本)
- - 91,034位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中4.5つ
5つのうち4.5つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
6グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2006年9月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「失敗学」の見地からコンプライアンスの本質を検討したもの。「コンプライアンス=法令遵守」という既成の考え方では企業不祥事を防ぐことができないことを豊富な実例に基づいて論証し、「コンプライアンス=社会的要請への適応」という新しい考え方を示す。そして、企業不祥事を防止するための指標を5つ提示し、それを全て備えることが企業不祥事を防止するために必要だという自論を展開する(フルセット・コンプライアンス)。
失敗例の分析は非常に論理的で分かりやすかった。「法令遵守」の形式的実践が企業不祥事になんら役立っていないことは明快に納得できた。ただ、著者が提示する5つの指標を備えることで企業不祥事が防止されることの論理的関係に、もう少し指数を費やしてほしい気がした。
失敗例の分析は非常に論理的で分かりやすかった。「法令遵守」の形式的実践が企業不祥事になんら役立っていないことは明快に納得できた。ただ、著者が提示する5つの指標を備えることで企業不祥事が防止されることの論理的関係に、もう少し指数を費やしてほしい気がした。
2007年8月13日に日本でレビュー済み
企業による不祥事が数多く報道されている今、コンプライアンスの重要性が今まで以上に叫ばれています。本書はサブタイトルに「コンプライアンス=法令遵守が招いた企業の危機」とあるように、「コンプライアンス=法令遵守」という安易な理解の仕方が勘違いにつながり、企業による不祥事を助長するものだとして警告しています。
法令を遵守するために不都合な事実を隠蔽していたり、法令遵守を強調するあまり問題の本質が議論されないまま事件が風化していることがあるようです。筆者は、「単なる「法令遵守」を超えて、社会の要請に「適応」していくことが、真のコンプライアンスなのである。」と主張します。
では、そのような「真のコンプライアンス」を達成するためには具体的にどうすれば良いのか?
筆者は「真のコンプライアンス」を達成するための具体的な方法論として、「フルセット・コンプライアンス」という5つの要素を提唱しています。
1. 方針の明確化
2. 組織の構築
3. 予防的コンプライアンス
4. 治療的コンプライアンス
5. 環境整備コンプライアンス
方法論の提示に続いて、三菱自動車や雪印、官公庁などの実際に起こった事例を取り上げて、真のコンプライアンスについて、つまり「コンプライアンス=法令遵守」だけでは対応ができないことを解説していきます。
それぞれの説明はたしかにわかりやすく、たしかに文字通りの法令遵守だけではコンプライアンスが達成できないということはわかります。
しかし、せっかく「フルセット・コンプライアンス」という名前までつけて5つの要素を説明しているにもかかわらず、例えばこの5要素を実際の事件に当てはめて、本当はこうやれば良かったという説明がなされていないのが残念でした。
ところどころに5要素(あるいはその一部)を取り上げて説明しているところはあるのですが、せっかくなのでフルセット当てはめて解決するということを示してもらえると更にわかりやすくなると思いました。例えば、
a. 事件の紹介
b. 事件の真の問題の解説
c. フルセット・コンプライアンスの方法論を利用した解決策の提示
という形式で統一して様々な事件を紹介してもらえると、「フルセット・コンプライアンス」自体を知るだけでなく、その活用法も理解できて良かったのではないかと思いました。
とはいえ、「コンプライアンス=法令遵守」という単純な理解しかなかった自分にとっては、新しい視点をもたらしてくれる本で参考になりました。
法令を遵守するために不都合な事実を隠蔽していたり、法令遵守を強調するあまり問題の本質が議論されないまま事件が風化していることがあるようです。筆者は、「単なる「法令遵守」を超えて、社会の要請に「適応」していくことが、真のコンプライアンスなのである。」と主張します。
では、そのような「真のコンプライアンス」を達成するためには具体的にどうすれば良いのか?
筆者は「真のコンプライアンス」を達成するための具体的な方法論として、「フルセット・コンプライアンス」という5つの要素を提唱しています。
1. 方針の明確化
2. 組織の構築
3. 予防的コンプライアンス
4. 治療的コンプライアンス
5. 環境整備コンプライアンス
方法論の提示に続いて、三菱自動車や雪印、官公庁などの実際に起こった事例を取り上げて、真のコンプライアンスについて、つまり「コンプライアンス=法令遵守」だけでは対応ができないことを解説していきます。
それぞれの説明はたしかにわかりやすく、たしかに文字通りの法令遵守だけではコンプライアンスが達成できないということはわかります。
しかし、せっかく「フルセット・コンプライアンス」という名前までつけて5つの要素を説明しているにもかかわらず、例えばこの5要素を実際の事件に当てはめて、本当はこうやれば良かったという説明がなされていないのが残念でした。
ところどころに5要素(あるいはその一部)を取り上げて説明しているところはあるのですが、せっかくなのでフルセット当てはめて解決するということを示してもらえると更にわかりやすくなると思いました。例えば、
a. 事件の紹介
b. 事件の真の問題の解説
c. フルセット・コンプライアンスの方法論を利用した解決策の提示
という形式で統一して様々な事件を紹介してもらえると、「フルセット・コンプライアンス」自体を知るだけでなく、その活用法も理解できて良かったのではないかと思いました。
とはいえ、「コンプライアンス=法令遵守」という単純な理解しかなかった自分にとっては、新しい視点をもたらしてくれる本で参考になりました。
2007年1月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本のコンプライアンスはアメリカの企業行動の輸入。 コンプライアンスを遵法と翻訳し、遵法は大切だ!という考え方を無批判にといいれがち。 しかし企業文化の違いがあるため日本で同じ事をやろうというのは無理があるし効果も期待できない、という考え方にまず目を見開かせられる思いでした。(アメリカでは法律の適用が現実に即して柔軟に変化(コンプライ)してゆく。日本は一度作ったら実行が難しいことでも変更しない。)。 企業コンプライアンスの仕事に関係している人にとって問題点を提起しています。
2005年7月15日に日本でレビュー済み
ややもするとコンプライアンス=法令遵守という間違った概念に陥りがちなコンプライアンス業務をもう一度見直させてくれる。
コンプライアンスの2大事件といわれている三菱自工・雪印事件も、単に法令遵守だけでは説明がつかないという観点で語られているのは、プチ・パラダイムシフトになった。
失敗学(私は未読)の観点に立っているためか、全体の論調が仮説と結果、その因果関係の分析という手法で語られたおり、理路整然としてうなづけるものがる。
もう一歩踏み込んで、コンプライアンスとリスクマネージメントという観点で話を展開してくれると、より実践的なコンプライアンスが語れたのではないかと思う点が、数少ない不満。
コンプライアンスの2大事件といわれている三菱自工・雪印事件も、単に法令遵守だけでは説明がつかないという観点で語られているのは、プチ・パラダイムシフトになった。
失敗学(私は未読)の観点に立っているためか、全体の論調が仮説と結果、その因果関係の分析という手法で語られたおり、理路整然としてうなづけるものがる。
もう一歩踏み込んで、コンプライアンスとリスクマネージメントという観点で話を展開してくれると、より実践的なコンプライアンスが語れたのではないかと思う点が、数少ない不満。
2005年6月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
面白くて一気に読んだ。これまで「コンプライアンスは法令遵守だけではない」という話は聞くことがあったが、「コンプライアンス=法令遵守」の考え方が企業をダメにしているというのをここまではっきり言った人はいないと思う。なぜそうなのか、その理由が、日本とアメリカの違いという点から、わかりやすく説明されている。目からウロコと言った感じである。「法令遵守」じゃダメ、漠然と同じような印象を持っていた会社員も多かったかもしれないが、それを、現職検事の大学教授がはっきり言ってくれているのが、実に心強い。今まで、コンプライアンスという言葉に持っていたイメージが大きく変わった。「法令遵守」ではなく、「社会要請への適応」がコンプライアンスだという話で、気持が明るくなった感じがする。