2006年10月18日(水)晩の日経ビジネスで著者自身がハッキリとそう語っています。
この本で書かれているのは昭和の常識に基づいたものであって、平成以降の時代には
そぐわない表記が多々あります。
「人生で一番大切なのはお金」と言えば親から殴られた。何度もこのフレーズが出てきます。
しかし人生とは「人が生きていくのに」と書けば何も恥じる言葉ではありません。
無一文では人は生きられないのは事実なのですから。愛情や信頼を否定している訳では
無いのです。お金という水があってこそ、愛情や信頼という花が咲くのです。水が適量か
どうかが問題であって、全く必要ではないという解釈には無理があります。
親が軽々しく子供を殴る事を肯定しているようにも受け取られます。この著者の感覚は
昭和の頑固親父のまま変わっていないようです。
「汗水を流して稼いだお金ほど尊い物は無い」とも書かれています。これは働けば働くほど
給料が増えた高度経済成長期の発想です。
現在は度を越して働いても殆ど報われない時代です。この本では殆ど触れられていない
投資について真剣に学ばないと、豊かになるのは難しいと思います。
子供の頃、破産した父親とスイカを路上で売ったエピソードが自慢げに出てきますが、
現代なら児童虐待行為です。子供をむやみに働かせてはいけません。
また二度も破産した父親、何の財産も残さなかった祖父に対しては何の批判もありません。
人物的に素晴らしかったと著者は考えているようです。人情話で誤魔化されてしまいそうですが
冷静に観察すると経済的には全く他人の参考にならない人物です。
むしろ株に投資していた132頁の高田さんの話をもっとふくらませるべきだったと思いますが
「金持ち父さん」の否定がこの本の目的なので、あえて深入りは避けているようです。
著者の人間性に一番問題を感じたのは38頁です。家の増築工事で著者は業者に対してギリギリまで
値下げを要求しています。お金は誰でも非常に苦労して手に入れる物だから、一円でも安くしようと交渉
するのは当然だと言うのが著者の理屈です。
しかし工務店側から見れば適正な価格を提示しても更に値切ろうとする客に対して真心込めて工事を
する気分になるでしょうか?著者は値切ったからと言って品質やサービスを落とすのはプロでは無いと
勝手な事を書いてますが、軽井沢スキーバス転落事故の教訓として限度を超えたディスカウントは
必ずどこかに重大な危険をはらむものです。
本当に安全を望む事に関しては、あえて言い値を飲む位の鷹揚さを持つ事が生きる知恵だと思います。
著者にはそれがありません。
結論としてこの本の主張を鵜呑みにすると、まずお金持ちにはなれません。せせこましく小金を溜め込む
小市民が精々です。読み物としては普通に読めるので星3つを妥当とします。
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会計士の父が娘に贈る32+1の手紙 単行本 – 2006/9/1
山田 侑
(著)
- 本の長さ205ページ
- 言語日本語
- 出版社新風舎
- 発売日2006/9/1
- ISBN-104289004555
- ISBN-13978-4289004553
商品の説明
出版社からのコメント
公認会計士の著者が"お金との付き合い方"を、優しく父親として
娘に伝える手紙の形で綴る。
お金という生き物は、尊くすばらしい面と醜く恐ろしい面というふたつの矛盾す
る顔を持っている。どちらの顔と付き合うのか。
お金と共に幸せな人生への道を歩むために、基礎的な方向性が身につけられる
哲学書。
「思い切りお金を稼ごう」と思っている人にも、「そこそこの稼ぎで良い」と
思っている人にも、お金と向き合う指針になる一冊。
娘に伝える手紙の形で綴る。
お金という生き物は、尊くすばらしい面と醜く恐ろしい面というふたつの矛盾す
る顔を持っている。どちらの顔と付き合うのか。
お金と共に幸せな人生への道を歩むために、基礎的な方向性が身につけられる
哲学書。
「思い切りお金を稼ごう」と思っている人にも、「そこそこの稼ぎで良い」と
思っている人にも、お金と向き合う指針になる一冊。
抜粋
どうやってそのお金と付き合っていくかに悩んだときには、
「お金は墓場には持っていけないものだが、それでもこのお金を手にすることに
意味があるのか?」
と考えてみてください。
「お金は墓場には持っていけないものだが、それでもこのお金を手にすることに
意味があるのか?」
と考えてみてください。
登録情報
- 出版社 : 新風舎 (2006/9/1)
- 発売日 : 2006/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 205ページ
- ISBN-10 : 4289004555
- ISBN-13 : 978-4289004553
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,845,298位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2013年2月20日に日本でレビュー済み
一番印象に残るのは、
お父さんと街道で果物を売って生計を立てた話。
こういう苦労があってこそ、
娘に語る物語があるわけですね。
背筋が伸びる思いがした良書です。
お父さんと街道で果物を売って生計を立てた話。
こういう苦労があってこそ、
娘に語る物語があるわけですね。
背筋が伸びる思いがした良書です。
2006年11月18日に日本でレビュー済み
読んでいて目から鱗が落ちました。私は、多くの同世代よりも投資を通してより深くお金というものにかかわっていると思っていましたが、お金というものがどういうものなのか全くわかっていなかったなぁと痛感しました。
・あなたはいつのまにかお金に支配されていませんか?
・友達から絶対にお金を借りてはならない。
・保証人になってはいけない。
・消費者金融に行くくらいなら、質屋を利用してください。
知ってたと思っていたお金の事。実はとても深く、恐ろしく、しかしとても大切な事。私はお金を日々動かしていたけど、でもお金というものがどれだけ人の心を蝕むのか、また逆に豊かにするのか、何も知らなかったなぁと思い知らされました。
本書はおじいちゃんやおばあちゃんが言い聞かせてくれるような・・・とてもやさしく愛情に溢れた娘へ宛てたお金の話。私もこの本を何度も読み、そして世の中で実践した後、もし未来に子を持つことができたなら、その子に教えてあげようと思います。
何年も保管して、何度も読み返したくなるような本です。
・あなたはいつのまにかお金に支配されていませんか?
・友達から絶対にお金を借りてはならない。
・保証人になってはいけない。
・消費者金融に行くくらいなら、質屋を利用してください。
知ってたと思っていたお金の事。実はとても深く、恐ろしく、しかしとても大切な事。私はお金を日々動かしていたけど、でもお金というものがどれだけ人の心を蝕むのか、また逆に豊かにするのか、何も知らなかったなぁと思い知らされました。
本書はおじいちゃんやおばあちゃんが言い聞かせてくれるような・・・とてもやさしく愛情に溢れた娘へ宛てたお金の話。私もこの本を何度も読み、そして世の中で実践した後、もし未来に子を持つことができたなら、その子に教えてあげようと思います。
何年も保管して、何度も読み返したくなるような本です。
2006年10月29日に日本でレビュー済み
書店のビジネス書や金融関係の売り場は、どれもこれも勇ましい成功論や方法論ばっかりだけど、
じゃあ自分にとって成功って何なんだろうって考えると、よくわかんない。
お金が成功のバロメーターになるんだろうけど、「お金をたくさん稼げば幸せって言うわけでもない」という意見もあれば、
「それはお金を稼いでから言え」という意見もあって、さらに訳がわからなくなってくる。
こんな迷いに、この本は温かく光をあててくれる。
お金で幸せになるということはどういうことなのか。
冷静に考える力を身につけたかったらぜひぜひ読んで欲しい。簡単に読める本なので。
じゃあ自分にとって成功って何なんだろうって考えると、よくわかんない。
お金が成功のバロメーターになるんだろうけど、「お金をたくさん稼げば幸せって言うわけでもない」という意見もあれば、
「それはお金を稼いでから言え」という意見もあって、さらに訳がわからなくなってくる。
こんな迷いに、この本は温かく光をあててくれる。
お金で幸せになるということはどういうことなのか。
冷静に考える力を身につけたかったらぜひぜひ読んで欲しい。簡単に読める本なので。
2006年10月19日に日本でレビュー済み
よくある「金持ち父さん〜」みたいな成功本かなと思い、手に取りましたが、
著者暖かな人間性、苦労、家族に対する愛情などがひしひしと伝わり、
途中から涙腺がゆるみっぱなしでした。特に事業に失敗したお父さんと
夏の暑い日スイカを売って食べた冷やしラーメンの話には胸がつまりました。
汗水垂らして得た経験が原点であり、お金の尊さを知っている山田氏だからこそ、
お金に操られることなく、こんな世の中にあって会計士でありながら
こんな優しい本が書けるのですね。次作も期待しています。
著者暖かな人間性、苦労、家族に対する愛情などがひしひしと伝わり、
途中から涙腺がゆるみっぱなしでした。特に事業に失敗したお父さんと
夏の暑い日スイカを売って食べた冷やしラーメンの話には胸がつまりました。
汗水垂らして得た経験が原点であり、お金の尊さを知っている山田氏だからこそ、
お金に操られることなく、こんな世の中にあって会計士でありながら
こんな優しい本が書けるのですね。次作も期待しています。
2006年11月5日に日本でレビュー済み
読むうちに、幼い頃に親に言われた言葉を思い出しました。
「人にお金は貸しても、借りるな」とか。
カードで買うとか、携帯でお買い物とか、そんなことが当たり前の顔をしている社会、
いつの間にか、お金に対する緊張感とか忘れてしまってたな、と思いました。
「人にお金は貸しても、借りるな」とか。
カードで買うとか、携帯でお買い物とか、そんなことが当たり前の顔をしている社会、
いつの間にか、お金に対する緊張感とか忘れてしまってたな、と思いました。
2006年10月20日に日本でレビュー済み
なんか、お金のことって、いやらしいって意識があるんですけど、
この本はとってもわかりやすく高い意識で書かれています。
逆に、親に送ってあげようかな、って思いましたw。
この本はとってもわかりやすく高い意識で書かれています。
逆に、親に送ってあげようかな、って思いましたw。
2006年11月6日に日本でレビュー済み
よくある啓蒙書かと思って読んだら全然違いました。
父親の、娘への愛情を感じつつ読むことができて、「お金」という扱いづらいテーマを、わかりやすく説明してくれていると思います。このお父さんの著者さん、とても素敵な人だと思いました。
父親の、娘への愛情を感じつつ読むことができて、「お金」という扱いづらいテーマを、わかりやすく説明してくれていると思います。このお父さんの著者さん、とても素敵な人だと思いました。