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下村 純一
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写真的建築論 単行本 – 2008/5/1

3.0 5つ星のうち3.0 1個の評価
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写真は3次元の空間を2次元の平面に切り取る作業である。
歴史主義からモダニズムまで古今東西の建築撮影を通して、建築観察の面白さ、写真に気づかされるもうひとつの建築の姿を写真家が語る。
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  1. 本の長さ
    111ページ
  2. 言語
    日本語
  3. 出版社
    鹿島出版会
  4. 発売日
    2008/5/1
  5. ISBN-10
    4306045072
  6. ISBN-13
    978-4306045071
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商品の説明

抜粋

写真ファンのみならず、建築写真と聞いただけで、お堅い仕事、専門的で難しそう、面倒だと1歩退く人は多い。確かに雑誌や本にバンと載った建築写真は、柱が真っ直ぐに立ち軒の細部までくっきりと見える、ましてやブレたものなどない、とにかくきっちりとした写真ばかりだ。一見、感覚でというよりは、用意周到に計算し尽くされた映像。それが硬派、難しい、面倒といった感想を呼ぶのだろう。
　一方で近年の街並みや建築ウォッチングブームから、ことさら意識せずに建築写真を撮り始めている人たちがいる。あるいは観光地の記念写真では、背景に城やビルや町家が当たり前のように選ばれ、建築のからむ写真を誰もが撮る。
　私は専門書の特化された建築写真と観光記念写真との間に、本来の建築写真があると考えている。
　改めて写真の歴史をふり返ってみると、実は建築写真が、世界を平面に写し取る写真という行為の原点なのである。誕生間もない写真は、露光時間が数10分から数時間にも及んだ。とてもじゃないが動く相手は撮れない。そこでカメラが最初にレンズを向けた被写体のひとつが、不動の建築であり街となった。当然のこと暗箱大のカメラは三脚に固定され、シャッターなどはないから、撮影者はレンズの蓋をはずして数時間後に再び蓋をすることで、必要な露光時間を得ていた。
　カメラが、一瞬の出来事を捉える肉眼に代わる眼となるためには、フィルムや撮像素子の進歩と、レンズやシャッターのメカニズムの発展が不可欠であった。けれども写真の原理は、デジタルカメラといえども、最初に都市や建築を記録した19世紀の暗箱から、何ひとつとして変わってはいない。その原理を、私たちは中学1年の理科で学んでいる。

About this Title

写真ファンのみならず、建築写真と聞いただけで、お堅い仕事、専門的で難しそう、面倒だと1歩退く人は多い。確かに雑誌や本にバンと載った建築写真は、柱が真っ直ぐに立ち軒の細部までくっきりと見える、ましてやブレたものなどない、とにかくきっちりとした写真ばかりだ。一見、感覚でというよりは、用意周到に計算し尽くされた映像。それが硬派、難しい、面倒といった感想を呼ぶのだろう。
　一方で近年の街並みや建築ウォッチングブームから、ことさら意識せずに建築写真を撮り始めている人たちがいる。あるいは観光地の記念写真では、背景に城やビルや町家が当たり前のように選ばれ、建築のからむ写真を誰もが撮る。
　私は専門書の特化された建築写真と観光記念写真との間に、本来の建築写真があると考えている。
　改めて写真の歴史をふり返ってみると、実は建築写真が、世界を平面に写し取る写真という行為の原点なのである。誕生間もない写真は、露光時間が数10分から数時間にも及んだ。とてもじゃないが動く相手は撮れない。そこでカメラが最初にレンズを向けた被写体のひとつが、不動の建築であり街となった。当然のこと暗箱大のカメラは三脚に固定され、シャッターなどはないから、撮影者はレンズの蓋をはずして数時間後に再び蓋をすることで、必要な露光時間を得ていた。
　カメラが、一瞬の出来事を捉える肉眼に代わる眼となるためには、フィルムや撮像素子の進歩と、レンズやシャッターのメカニズムの発展が不可欠であった。けれども写真の原理は、デジタルカメラといえども、最初に都市や建築を記録した19世紀の暗箱から、何ひとつとして変わってはいない。その原理を、私たちは中学1年の理科で学んでいる。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 鹿島出版会 (2008/5/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2008/5/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 111ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4306045072
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4306045071
  • カスタマーレビュー:
    3.0 5つ星のうち3.0 1個の評価

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下村 純一

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上位レビュー、対象国： 日本

THE_tech
5つ星のうち3.0 もっと写真的な話を期待した
2010年11月8日に日本でレビュー済み
建築を目の前にして漠然とシャッターを切るのはマズいと思いながらも、どういう視点で写真を撮ることがいいのか迷うことがあったので、その参考になればと思って読んだ。あくまでも「建築論」なので当然かもしれないが、期待していたほど写真の話は多くない。筆者の取材体験等をふまえながら、それぞれの建築物の特徴が述べられている。
写真という媒体を通して建築をみるという立場から展開されるとは思えないほど、建築的だなという印象を受けた。もう少し写真の素晴らしさを語るのかと思っていたので、そこらへんは多少の違和感を感じながらも、各建築物への解説が分かりやすくて一度、筆者と同じようにカメラをもっておとずれたい気持ちになった。
細かいところでは、説明文と写真の関係がはっきり分かると更にイメージしやすかったのではないだろうか。
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